カジュアル面談とは？通常の面接との違いや実施のメリット、進め方を解説

カジュアル面談とは、情報交換や相互理解を深めることを目的として実施される面談です。

カジュアル面談を実施すると、アプローチできる候補者の層が広がる、採用のミスマッチが防げるなどのメリットがあります。

本記事では、カジュアル面談の内容や通常面接との違い、実施するメリット、進め方などを解説します。

カジュアル面談とは

カジュアル面談とは、企業と求職者が相互理解を深めることを目的に実施される面談です。

採用選考の前におこなわれることが一般的で、業務の内容や企業の価値観などを気軽に話すことができることから、応募を検討している求職者の関心を高め、好感を持ってもらう役割があります。

カジュアル面談を実施することで、幅広い求職者にリーチできるようになったり、採用後のミスマッチを防ぎやすくなったりするメリットがあるとされています。

カジュアル面談と通常面接の違い

次に、カジュアル面談と通常の採用面接の違いを解説します。

以下で詳しい内容を確認していきましょう。

合否に関わるか否か

通常の面接は採用選考を目的としておこなわれますが、カジュアル面談は企業と求職者の情報交換や相互理解を目的に実施されるため、基本的に合否の判断をすることはありません。

また、求職者は興味を持っている段階でカジュアル面談に申し込むことが多いため、通常の面接のように「志望動機」や「自己PR」などの質問はしないのが一般的です。

カジュアル面談は、企業と求職者が対等な立場でお互いを知ることを目的に実施されることを覚えておきましょう。

履歴書の必要有無

カジュアル面談では、履歴書や職務経歴書などの書類の提出を求めないことが一般的です。

選考のための面談ではなく、企業に対する意欲や興味を求職者に持ってもらい、応募を増やす目的として実施されるためです。

カジュアル面談は、履歴書や職務経歴書などを用いた質疑応答がおこなわれないため、採用選考では聞けない求職者の本心を聞けるなどのメリットもあります。

服装に自由があるか否か

採用面接ではスーツを着用するケースが多いですが、カジュアル面談では基本的に服装の指定はありません。

企業の担当者もビジネスカジュアルやオフィスカジュアルにあたる服装を選ぶと、堅苦しさや緊張感を与えず、お互いにリラックスして話すことができるでしょう。

カジュアル面談が注目を集める理由

昨今、カジュアル面談を実施する企業が増加しています。

通常の採用面接以外にカジュアル面談を導入する理由として、以下のようなものが挙げられます。

2つの理由をそれぞれ解説します。

採用活動が難化しているため

少子高齢化の影響で、日本の労働人口は減少傾向にあり、自社の採用要件に適した人材を見つけることが年々難しくなっています。

さらに、技術職・専門職などの職種によっては、求人を出しても応募者が集まらないケースも少なくありません。

採用人数を増やすためには、自社に興味や関心を持ってくれる求職者を増やす必要があり、そのための手段としてカジュアル面談をおこなう企業が増えています。

カジュアル面談は、応募を検討している求職者の層にもアプローチができることが利点です。

また、実際に企業で働く従業員が企業の魅力や働きがいを話すことで、HPや説明会では伝わらない情報を求職者に伝えることができ、応募者の増加が期待できます。

求職者の価値観が変化しているため

採用をめぐる環境・状況の変化にともない、求職者の価値観も変わりつつあります。

求人サイトや企業ホームページから応募する従来の方法のほかに、スカウトやヘッドハンティングで採用してもらう「ダイレクトリクルーティング」や、従業員の知人などを紹介してもらって採用につなげる「リファラル採用」を選ぶ求職者も増えています。

ダイレクトリクルーティングやリファラル採用の場合は、まず自社に興味や関心を持ってもらうことが重要であるため、カジュアル面談の実施が効果的です。

そのため、ダイレクトリクルーティングやリファラル採用をおこなう前段階として、カジュアル面談を実施する企業が増えています。

＞ダイレクトリクルーティングとは？に関する記事はこちら

＞リファラル採用とは？に関する記事はこちら

カジュアル面談の目的・メリット

カジュアル面談を実施する目的やメリットには、以下のようなものがあります。

具体的な内容を確認していきましょう。

ミスマッチの防止につながる

カジュアル面談を実施することで、採用後のミスマッチを防ぐことができます。

企業側は事業内容や社風などをフランクに伝えることができ、求職者側は具体的な話を聞いたり質問したりすることで疑問点を選考前に解消できるためです。

カジュアル面談の段階で社風にあわないと判断できれば、応募に至ることはありません。

また、実際に会話をしながら、企業の採用ページや求人内容などでは伝えきれない情報を伝えることができるため、自社のことをある程度理解してもらったうえで採用のステップへ進める点もメリットです。

採用後のミスマッチ防止にくわえて、選考前にお互いの理解を深めることで、効率的に選考を進めることもできるでしょう。

＞ミスマッチの原因とは？に関する記事はこちら

アプローチできる層が広がる

カジュアル面談は、応募の意思がある求職者だけではなく、企業に興味関心を持っている段階の求職者に出会うきっかけになります。

採用選考を目的としていないカジュアル面談であれば、求職者が申し込むハードルも比較的低いため、企業側は通常の求人では出会うことができない人材へのアプローチが可能となります。

また、求職者側にも、キャリアの選択肢を増やせる、選考前に企業の雰囲気を知ることができるなどのメリットがあります。

カジュアル面談に必要な事前準備

カジュアル面談に取り組む際に必要な準備を3つ紹介します。

カジュアル面談を有効活用するためにも、事前準備をしっかりおこないましょう。

企業のアピールポイントの確認

カジュアル面談は、事業内容や社風など、自社について理解を深めてもらえるチャンスの場です。

求職者に向けてどのような点をアピールすべきかを確認し、事前にポイントをまとめておきましょう。

また、採用担当の部署以外に同席する従業員がいる場合は、アピールポイントを事前に共有し、スムーズに自社の魅力を伝えられるように準備しておくことも大切です。

同席する社員の調整

カジュアル面談は、相互理解を深めることに加え、求職者の疑問や不安を払拭する場でもあります。

求職者の疑問へ的確に回答するためには、現場で働く従業員に同席してもらうと効果的です。

求職者との質疑応答に適任と思われる従業員を選定してスケジュールを調整し、求職者に伝えたい内容や想定される質問への回答をまとめておくようにしましょう。

候補者への質問の準備

カジュアル面談は、企業と求職者の双方がリラックスして情報交換できる機会ではあるものの、質問したい内容については事前に決めておくことが大切です。

質問内容を決めずに話を進めてしまうと、確認すべき事項を失念して採用のミスマッチが起こってしまったり、面談自体が時間の無駄になってしまったりなど、カジュアル面談を有効活用できないケースも考えられます。

候補者へ質問したい内容として、以下のような例が挙げられます。

なお、カジュアル面談で質問をする際には、採用目的の面接のような堅苦しい印象を与えないように注意しましょう。

カジュアル面談の基本的な進め方

カジュアル面談は、以下の6ステップで進めていくことが一般的です。

効果的なカジュアル面談を実施するために、各ステップの内容を確認していきましょう。

ステップ（1）：自己紹介・アイスブレイク

まずは、お互いに自己紹介やアイスブレイクからはじめます。

アイスブレイクとは、一般的に本題とは関係のない話題やゲームによって発言を促す手法で、相手の緊張をほぐし、気軽に話せる雰囲気をつくる効果があります。

アイスブレイクを交え、緊張を和らげたところで自己紹介をはじめましょう。

アイスブレイクの具体例を知りたい方は、下記の記事をあわせてご確認ください。

＞効果的なアイスブレイクを実施する方法とは？に関する記事はこちら

ステップ（2）：カジュアル面談の目的共有

カジュアル面談の意図が求職者側に伝わっていなければ、通常の面接と変わらない面談になってしまいます。

相手の本音をうまく引き出し、情報交換や相互理解を深めるためにも、カジュアル面談は採用選考が目的ではないという点を求職者にも伝えるようにしましょう。

ステップ（3）：候補者の状況の把握・確認

カジュアル面談を成功させるためには、候補者の状況を確認し、どのようなニーズを求めているかを知っておくことが大切です。

カジュアル面談に参加した理由、就職先・転職先に求めることなど、求職者の状況や心情を把握することで、適切な内容を伝えやすくなります。

キャリア構築に役立つ制度など、相手に響く情報を伝えられれば応募につながりやすくなるでしょう。

ステップ（4）：企業説明

次に、企業の事業内容や社風などについて説明します。

概要を説明する一般的な企業説明ではなく、候補者から引き出したニーズに適した情報を伝えましょう。

たとえば、詳しい業務内容や待遇、キャリアパス制度、働き方や福利厚生などといった情報が例として挙げられます。

求職者に魅力を感じてもらえそうな情報を的確に伝えるようにしましょう。

ステップ（5）：質疑応答

企業説明が終わったら、質疑応答の時間を設けましょう。

「業務以外のことでも問題ないので、気になった点があればなんでも質問してください」などの声がけをすると、相手も質問しやすくなります。

働く際のイメージがしやすいように、職場見学をしたうえで質疑応答に移るのも有効です。

ステップ（6）：次のステップの紹介・案内

選考に進む意欲がある候補者や、選考に進んでほしい候補者には、応募の案内や今後の選考スケジュールを伝えましょう。

候補者のなかには、他社のカジュアル面談を受けた、または受ける予定がある人もいます。

選考に進んでほしい候補者には早めに選考スケジュールを伝え、今後の面談の日程調整をしておくと良いでしょう。

カジュアル面談を成功に導くポイント・注意点

カジュアル面談を成功に導くうえで注意しておきたいポイント・注意点は以下のとおりです。

5つのポイントを確認し、カジュアル面談の効果的な実施を目指しましょう。

ポイント（1）：面接にならないようにする

カジュアル面談に参加した候補者は、求人に応募している訳ではありません。

企業に対して興味や関心を持っている段階であるため、採用面接にならないように注意する必要があります。

合否を判断する場ではなく、候補者の興味や関心を高め、応募に促す場であることを認識したうえで進めましょう。

ポイント（2）：企業や現場の実態を伝える

自社の良い点やメリットのみを伝えるのではなく、課題を含めた企業の実態を包み隠さず伝えることも大切です。

メリットだけを伝えてしまうと、入社した際に現状とのギャップが生まれやすくなり、離職につながるおそれがあります。

課題なども含めて現状や実態を伝えることで、候補者からの信頼も得やすくなるでしょう。

ポイント（3）：候補者を質問攻めしない

カジュアル面談は、気軽に話しながら相互理解を深める機会であるため、候補者を質問攻めにして、圧迫感を与えないように気をつけましょう。

通常の面接と同様に志望動機や応募動機などを詳細に聞き出そうとすると、相手は採用選考がおこなわれているかのように受け止めてしまいます。

求職者の本音を知るなど、カジュアル面談の効果を最大限に発揮するためには、リラックスして話せる雰囲気作りを心がけることが大切です。

ポイント（4）：合否などは伝えない

カジュアル面談では、合否をはじめ採用選考に関する情報を伝えないようにすることが原則です。

ひとたび採用選考を意識させてしまうと、候補者の率直な意見や本音を聞くことが難しくなります。

自社に対する理解を深めてもらい、候補者を知る場であることを理解しておきましょう。

ポイント（5）：双方向のコミュニケーションを心がける

候補者に向けて一方的にアピールするだけでは、カジュアル面談はうまくいかないでしょう。

その場で候補者のことを知ろうとすると、質問攻めになってしまったり、採用面接のような質問に偏ってしまったりします。

カジュアル面接を実施する際は、候補者のプロフィールを事前に確認し、相手がどのようなニーズを持っているのかを想定したうえで臨むようにしましょう。

企業側があらかじめ自分のことを知ってくれていれば、信頼や安心も生まれやすくなります。

当日は、双方向のコミュニケーションを心がけて相互理解を深めましょう。

＞一方的なコミュニケーションの弊害に関する記事はこちら

カジュアル面談の連絡ツールに「Chatwork」

カジュアル面談は、情報交換や相互理解を深める機会であり、採用選考を目的とした通常の面接とは内容が異なります。

自社の理念や社風、事業を伝え、候補者が気軽に質問できるようにリラックスした雰囲気をつくるようにしましょう。

カジュアル面談を実施する際のコミュニケーションツールとして、ビジネスチャット「Chatwork」の活用が便利です。

チャット形式で気軽なやりとりができ、ビデオ通話にも対応しているので、オンライン上でスムーズにカジュアル面談をおこなうことが可能です。

ビジネス専用のコミュニケーションツールのため、高いセキュリティ水準も保たれており、求職者が実際の採用選考に進むことになった際の書類のやりとりも安全におこなうことができます。

ビジネスを円滑に進めるだけでなく、採用活動の円滑化にも効果を発揮する「Chatwork」をぜひご活用ください。

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