【2023年最新社労士監修】くるみんマークとは?認定基準や申請方法をわかりやすく解説

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働き方改革
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【2023年最新社労士監修】くるみんマークとは?認定基準や申請方法をわかりやすく解説

目次

ここ最近、くるみんマークを、企業情報やWebサイトに掲載する企業が増えていますが、そもそもくるみんマークとは、なにかわからないといった方も多いのではないでしょうか。

制度がスタートしてから、15年が経過したくるみん認定制度ですが、近年では認定企業も多くなり、ますます注目を集める制度となっています。

今回は、くるみんマークとはなにか、またどのようなメリットがあるのかを、わかりやすく解説していきます。

くるみんマークとは

くるみんマークとは、「子育てサポート企業」として、厚生労働大臣から認可をうけた企業が、自社のホームページやパンフレットに使用できるマークのことです。

仕事と子育ての両立支援にとりくみ、一定の基準を満たす企業にのみ使用が許される証であり、このマークを使用することで、「子育て世代が働きやすい企業」として自社をアピールすることができます。

くるみん認定制度が誕生した理由

くるみん認定制度が誕生した背景には、少子高齢化による、深刻な働き手不足の問題があげられます。

現在の日本では、少子高齢化が進み、働き手が減少、慢性的な人手不足に悩む企業も増えています。

このような状況のなかで、働く能力や意欲はあるけれど、出産や子育てなどのライフイベントが重なって、就業することが難しい人に対して、仕事と育児の両立がしやすい職場を増やすことを目的につくられたのが、くるみん認定制度です。

くるみん認定制度は、仕事と子育てを両立しやすい職場づくりを促進することで、労働市場の活性化や、出生率が低い状況を改善し、少子化そのものへの打ち手になることが期待されました。

くるみん認定企業の推移

子育てサポート企業として認可をうけた「くるみん認定企業」は、年々増加の傾向にあります。

制度が開始された2007年には、400社程度であったくるみん認定企業は、毎年200から300社程度のペースで増加し続け、2022年には4,000社を超える企業が、くるみん認定をうけています。[※1]

くるみんマークの種類

子育てサポート企業であることを示せる「くるみんマーク」には、「くるみん」「プラチナくるみん」「トライくるみん」の3種類が存在します。

それぞれのマークには、異なる認定基準があるため、取得を目指す場合は、よく確認することが大切です。

3種類のくるみんマークについて、内容を確認していきましょう。

くるみん

最も目にする機会が多い「くるみん」は、制度がスタートした2007年から存在し、くるみん制度のスタンダード的な位置づけとなっているマークです。

くるみん認定をうけるためには、子育て中の従業員を含め、労働者全体が働きやすい環境となるよう、厚生労働省が示す認定基準をすべてクリアする必要があります。

くるみんマークの上部は、認定をうけた最新の年度が、左右には認定をうけた回数が星の数で表されています。

また、2022年4月に認定基準が改正されたことにともない、おくるみの色が、淡いピンク色に変更されています。[※2]

プラチナくるみん

「プラチナくるみん」は、「くるみん」「トライくるみん」の認定をうけた企業のなかで、さらにより高い水準で、子育てサポートや仕事との両立の支援を進めている企業に与えられるものであり、2015年にスタートした、いわば「くるみん」の上位にあたる位置づけとなるマークです。

認定をうけるためには、「くるみん」の認定基準に加え、さらに高い育児休業、育児休暇の取得率等が求められます。

プラチナくるみんは、マントと王冠をつけていることが特徴のマークで、カラーは名前の通りプラチナ色です。

マントの色は12色あり、プラチナくるみんの認定企業は、12色どの色でも使用することができます。

トライくるみん

「トライくるみん」は、2022年の「くるみん制度改正」にともなって、新たに創設された制度です。

2022年の改正の詳細については後述しますが、この改正では、従来の「くるみん」「プラチナくるみん」の認定をうけるためのハードルがあがり、従来の「くるみん」と同じ基準で認定をうけることができる制度として、「トライくるみん」がスタートしました。

3種類ある「くるみん認定制度」においては、比較的認定をうけやすい、エントリー的な位置づけということができるでしょう。

2022年4月のくるみん認定改正とは

子育てサポート企業として、厚生労働省に認可をうけたことを示せる「くるみん認定」ですが、「次世代育成支援対策推進法」という、くるみん認定制度の根幹となっている法律が、2022年4月に改正されたことで、くるみん認定基準も改正されました。

改正後のくるみん認定制度は、認定基準や一部のくるみんマークが改められ、先述の通り、「トライくるみん」が新たに追加されました。

それぞれのポイントについて確認していきましょう。

改正ポイント(1):くるみんの認定基準の引き上げ

前述の通り、従来の「くるみん」の認定基準が引き上げられた結果、従来の「くるみん」の認定基準は、「トライくるみん」の認定基準と同じとなりました。

改正後、くるみんの認定をうけるには、「トライくるみん」の認定基準に加えて、以下のふたつの基準が求められるようになりました。[※3]

①男性の育児休業等の取得に関する基準

■男性の育児休業等取得率

従来 令和4年4月1日以降
7%以上 10%以上

■男性の育児休業等・育児目的休暇取得率

従来 令和4年4月1日以降
15%以上 20%以上

②男女の育児休業等取得率等の公表に関する新たな認定基準

男女の育児休業等取得率等を、厚生労働省のウェブサイト「両立支援のひろば」で公表すること

改正ポイント(2):プラチナくるみんの特例認定基準

「プラチナくるみん」の認定基準は、さらにハードルが高くなっており、男性の育児休業等の取得に関する基準と、女性の継続就業に関する基準が追加されました。

それぞれ改正のポイントを確認しましょう。

①男性の育児休業等の取得に関する基準

■男性の育児休業等取得率

従来 令和4年4月1日以降
13%以上 30%以上

■男性の育児休業等・育児目的休暇取得率

従来 令和4年4月1日以降
30%以上 50%以上

②女性の継続就業に関する基準

■出産した女性労働者及び、出産予定だったが退職した女性労働者のうち、子の1歳時点在職者割合

従来 令和4年4月1日以降
55% 70%

この基準は、一部経過措置がとられていますが、いずれにしても、非常に高い水準であることがわかります。

改正ポイント(3):「トライくるみん」の創設

従来の「くるみん」の認定基準が引き上げられたことにともない、「トライくるみん」という新しい制度が、新たにスタートしました。

「トライくるみん」のこの認定基準は、「従来のくるみん」と同じになっています。

改正ポイント(4):「プラスくるみん」の創設

2022年4月の改正で、不妊治療と仕事の両立を支援する認定制度「プラスくるみん」が創設されました。

「プラスくるみん」とは、「くるみん」「プラチナくるみん」「トライくるみん」のいずれかのくるみん認定をうけており、かつ不妊治療と仕事の両立がしやすい職場環境の整備をおこなう企業に対して与えられる認定制度です。

「プラスくるみん」の認定をうけると、「くるみんプラス」「プラチナくるみんプラス」「トライくるみんプラス」のいずれかのプラス認定をうけることができます。

くるみん認定と認定基準

少子高齢化による働き手不足が問題視される昨今、子育てに集中するために、職場から遠ざかっていた人材を確保するための手段として、くるみん認定をうける企業は増加傾向にあります。

認定には、定められた基準をクリアする必要があり、認定のハードルのイメージとしては、「トライくるみん<くるみん<プラチナくるみん」の順番となっています。

今回は、「くるみん」の認定基準を解説します。

(1)行動計画の策定

まず、基本となるのは、「行動計画」の策定です。

これは、厚生労働省が発表している「行動計画策定指針」というガイドラインの、第六条「一般事業主行動計画の内容に関する事項」に示された項目のうち、1項目以上を盛り込む必要があります。

六 一般事業主行動計画の内容に関する事項
(1) 妊娠中の労働者及び子育てを行う労働者等の職業生活と家庭生活との両立等を支援するための雇用環境の整備
(2) 働き方の見直しに資する多様な労働条件の整備

行動計画の策定は、認定をうけるために、最も基本となる部分で、以下で解説する認定基準にも深くかかわります。[※4]

(2)計画期間

行動計画を策定する際は、期間を設定する必要があります。

行動計画の計画期間は、2年以上5年以下と定められているため、この期間内で設定するように注意しましょう。

(3)計画の実施と目標達成

行動計画を実施し、目標達成後、管轄の労働局の雇用環境・均等室(部)に、目標達成を証明する資料を添えて、申請をおこないます。

添付資料の内容は、策定した行動計画の内容によりますが、たとえば、育児休暇制度の創設といったものであれば、制度の内容を反映した就業規則を提出する必要があります。

(4)行動計画の公表・周知

行動計画は、作成するのみでなく、作成からおおむね3か月以内に、社内の従業員および外部に周知する必要があります。

社内の従業員に対しては、社内メールや社内チャット、社内報などで、計画の内容について、周知をはかりましょう。

外部に対しては、自社ホームページや厚生労働省が運営する「両立支援のひろば」に、掲載するようにしましょう。

(5)男性従業員の育児休業・育児休暇の一定取得・公表

くるみん認定は、計画期間における、男性労働者の育児休業取得率が、一定以上あることが条件とされています。

条件としては、育児休業取得率が10%以上、または、男性労働者の育児休業等取得率および企業独自の育児を目的とした休暇制度利用率が、あわせて20%以上あることがあげられます。

また、いずれの場合でも、取得率を、厚生労働省のウェブサイト「両立支援のひろば」で公表する必要があります。

ちなみに、労働者数が300人以下の企業に関しては、この基準に対して特例が設けられています。

>【社労士監修】男性育休の考え方とは?に関する記事はこちら

(6)女性従業員の育児休業の一定取得・公表

くるみん認定には、女性従業員の育児休業取得率も、一定以上の条件を満たしている必要があります。

条件としては、女性従業員の育児休業の取得率が、75%以上かつ、この取得率を「両立支援のひろば」で公表している必要があります。

男性の育児休業の認定基準と同様、労働者数が300人以下の企業に関しては、この基準に対して特例が設けられています。

(7)小学校就学前の子どもを育てる労働者の労働時間変更措置

3歳から小学校に就学する前の子どもを育てている労働者に対しては、以下のような制度を設ける必要があります。

  • 育児休業に関する制度
  • 所定外労働の制限に関する制度
  • 所定労働時間の短縮措置または始業時刻変更等の措置に準ずる制度

たとえば、フレックスタイム制や時差出勤などが、この対応としてあげられます。

>フレックスタイム制とは?に関する記事はこちら

>時差出勤とは?に関する記事はこちら

(8)労働時間・環境の整備

くるみん認定をうけるためには、計画期間の終了日が含まれる事業年度内において、労働時間と労働環境において、以下の2点を満たす必要があります。

  • フルタイムの労働者等の法定時間外・法定休日労働時間の平均が、各月45時間未満であること
  • 月平均の法定時間外労働60時間以上の労働者がいないこと

労働時間については、働き方改革の影響もあり、近年改正が続いています。

従業員の健康を守るためにも、適切に把握できるようにしましょう。

>【社労士監修】所定労働時間と法定労働時間の違いとは?に関する記事はこちら

(9)有給取得促進や多様な働き方促進への具体的な取り組み

くるみんマークを取得するためには、多様な働き方を促進するためのとりくみをしているかどうかも、重要なポイントとなります。

以下のいずれかの項目について、目標を定めて、実施しましょう。

  • 所定外労働を削減するための措置
  • 年次有給休暇の取得を促進するのための措置
  • 短時間正社員制度、在宅勤務、テレワーク、など、多様な働き方・労働条件の整備のための措置

具体的なとりくみとしては、ノー残業デーの設置や年次有給休暇の計画付与制度の導入などがあげられます。

>年次有給休暇の義務化とは?に関する記事はこちら

(10)コンプライアンスの遵守

企業として、当然のこととなりますが、過去に法令違反などの事実がないことも、くるみん認定をうけるうえでは、必要となります。

たとえば、労働基準法に違反していないか、育児・介護休業法などで勧告をうけていないかなどがあげられます。

企業の社会的責任を守れているかを、改めて確認しましょう。

>【社労士監修】コンプライアンスとは?に関する記事はこちら

くるみん認定をうけることのメリット

2007年にスタートしたくるみん制度ですが、認定をうける企業が、年々増加し続けていることから、くるみん認定をうけることには、大きなメリットがあるということがわかります。

企業がくるみん認定をうけることには、どのようなメリットがあるのか見ていきましょう。

従業員満足度の向上

子育てをする従業員にとっては、企業が子育てをバックアップしてくれるとりくみは、非常にありがたいものとなるでしょう。

そのため、育児休業を促進したり、働く環境や労働時間を整備したりすることは、従業員満足度の向上に、直接的に寄与することが期待できます。

>従業員満足度を高めるメリット

企業イメージの向上

くるみん認定の特徴として、認定をうけた企業のみに使用が許される「くるみんマーク」があげられるでしょう。

このくるみんマークは、取得すると、企業情報やWebサイトに掲載することができるため、「子育てをサポートしている企業」として、厚生労働省から認可をうけていることをアピールできます。

人材獲得競争の激化がみられる昨今、このような企業イメージをつけることは、競合と差別化するうえでも効果的でしょう。

優秀な人材の獲得・定着につながる

少子高齢化により、働き手の減少が懸念されている日本において、優秀な人材の確保は、各企業の大きな課題となっています。

くるみんの認定をうけている企業であれば、素晴らしいキャリアをもっているけれど、子育てが理由で、就業の機会に恵まれない人材が、求人に応募する可能性を高めることができます。

また、採用後も、就業環境の整備がされていると、高い定着率を期待することができるでしょう。

「くるみん助成金」を受給できる

くるみん認定には、認定をうけている企業を対象とした助成金制度も存在します。

助成金を受給するためには、認定をうける以外にもいくつかの条件がありますが、助成金制度を活用することができれば、各種のとりくみに対する経費の助成をうけることができます。

「働き方改革推進支援資金」を受給できる

日本政策金融公庫の低金利での貸付制度のなかには、貸し付け条件のひとつとして、「くるみん認定をうけていること」を挙げているものがあります。

こういった制度を使うことで、運転資金の調達や無理のない返済計画を策定することも可能になるでしょう。

くるみん認定の申請方法

企業イメージの向上や人材確保だけでなく、助成金や借入といった場面にまでメリットをもたらすくるみん認定制度ですが、認定基準のハードルの高さだけでなく、用意すべき書類や期限においても留意しておく必要があります。

くるみん認定の申請方法についてみていきましょう。

くるみん認定に必要な書類

くるみん認定をうけるには、厚生労働省からリリースされている申請書のほかに、行動計画の内容によって、いくつかの書類を添付する必要があります。

添付する必要がある書類の内容については、くるみん認定の基準にかかわるものが多いため、認定基準についても、行動計画を策定する際によく確認するようにしましょう。

  • 行動計画
  • 就業規則
  • 制度導入を社内に周知した文書の写し等
  • 数値目標をたてた場合、実施前後の人数・数値がわかる書類
  • 研修内容がわかる書類(カリキュラム等)
  • 「両立支援のひろば」の画面を印刷した書類
  • 育児休業の取得者リスト

くるみん認定に必要な日数

くるみん認定には、申請書を提出後、おおむね30日ほどの日数が必要となります。

行動計画の満了、目標達成などの基準を満たしたのち、申請書を提出、その後、認定の決定がおこなわれます。

くるみん認定の申請手順・ステップ

ここまで、くるみん認定の基準と申請方法について確認してきました。

では、実際に申請をおこなう際は、どのような手順を踏む必要があるのでしょうか。

くるみん認定のための、具体的な手順を確認していきましょう。

ステップ(1):社内の現状・ニーズの把握

まずは、行動計画が、自社の従業員や就業環境に即したとりくみにできるように、社内の現状や従業員のニーズ把握をおこないましょう。

くるみん認定のためだけにとりくみ内容を選択してしまうと、後の実施段階において、破綻する原因となるため、しっかりと社内の意見を聴取したうえで、進めることが大切です。

たとえば、下記のようなデータを収集することも、現状を把握する手助けとなるでしょう。

  • 妊娠・出産を機に、退職した従業員がどれくらいいるか
  • 妊娠・子育て中の従業員がどれくらいいるか
  • 育児休業やこの看護休暇などの制度を利用している従業員がどれくらいいるか

また、子育てに関わらないことでも、就業環境の整備などに活かせる情報についても収集しましょう。

  • 年次有給休暇の取得率
  • 労働時間の実態
  • 多様な働き方の促進度合い

ステップ(2):行動計画の策定

ステップ(1)で収集した内容を踏まえて、目標と実現するための手段、計画の期間を定めましょう。

計画期間は、2年以上5年以内と定められているため、無理のないスケジュールを組むことが大切です。

また、ステップ(1)を参考に策定した目標が、すべて並列になってしまうと、中途半端になってしまう懸念や、着手できなくなってしまう危険性もでてきてしまいます。

行動計画をたてる際は、目標と期間を定めることにくわえて、目標の優先度も策定するようにしましょう。

ステップ(3):行動計画の公表・周知

行動計画の内容を、社外および社内に公表しましょう。

社外への周知は、自社のホームページでの掲載または、厚生労働省が運営する「両立支援のひろば」への掲載が一般的です。

社内への周知は、職場における掲示や社内報の配布、電子メールでの送付が一般的です。

行動計画の策定から、約3か月以内におこなう必要があるため、先延ばしにせず、対応するようにしましょう。

また、社内外に周知をはかった内容については、くるみん認定を申請する際に、証拠が必要となります。

周知内容を印刷しておくことを、忘れないようにしましょう。

ステップ(4):行動計画の提出

行動計画の策定から、おおむね3か月以内に、所定の様式と添付書類を、管轄の労働局雇用環境均等室に提出しましょう。

添付書類の詳細については、前述しているものをご参照ください。

ステップ(5):行動計画の実施

行動計画の提出がおこなえたら、いよいよ、行動計画に定めた目標を達成するためのとりくみを実施しましょう。

行動計画は、通常の業務と同じように、しっかりとPDCAを回し、改善していくことが大切です。

サイクルを回すなかで、行動計画に変更が必要になるケースがあるかもしれませんが、計画内容の変更が必要になった場合は、変更の届け出を、労働局雇用環境均等室に提出する必要があります。

行動計画をもとに、くるみん認定がおこなわれるため、届け出を忘れることがないように、注意しておきましょう。

ステップ(6):くるみんの認定申請

行動計画で定めた目標を達成したら、前述した認定申請のための書類を用意して、労働局雇用環境均等室に提出しましょう。

書類が受理されたあと、おおむね30日程度で、認定の決定がされます。

くるみん認定の取り消しとは

くるみん認定は、一度認定をうけてしまえば、ずっと有効なものという訳ではありません。

たとえば、子育てに関する制度を廃止したり、変更したりした結果、くるみん認定が定める一定の水準を満たさなくなったと認められる場合や、法令違反が認められた場合、認定はとり消される可能性があります。[※5]

くるみん認定の企業事例

最後に、くるみん認定をうけている企業事例を紹介します。

くるみん認定をうけることで、どのようなメリットがあるかを確認し、取得を検討してみてください。

老人ホームの企業事例

2021年にくるみんマークを取得した老人ホームでは、もともと女性職員が多い職場でしたが、育休復帰後に、家庭と仕事の両立に苦労する職員が目立っていました。

このような状況を改善し、従業員が健康的に働ける環境を目指して、相談窓口の設置や妊娠・出産に関する制度の周知、ノー残業デーの創設などをおこないました。

このとりくみの結果、女性の育児休業取得率は100%となり、従業員満足度の向上にも成功しています。[※6]

建設業の企業事例

2013年にくるみんマークを取得した建設業の企業では、男性従業員が、育児と仕事の両立ができず、問題を抱える場面がみうけられたため、男性従業員の育休制度や、そのほかの休暇制度を創設し、助成金で経費面のサポートをうけながら、職場環境の改善を実施しました。

このとりくみの結果、安心して子育てができる企業と評判になり、若い従業員の確保にも成功しています。[※7]

円滑な情報共有には「Chatwork」

今後、さらに加速することが予想される人材獲得競争においては、自社が競合に比べて、どのあたりが魅力的なのか、対外的にかつ客観的に示す必要があるでしょう。

社内外に、良い企業イメージを浸透させる方法として、「くるみん認定」を検討してみてはいかがでしょうか。

子育てをおこなう従業員に対してはもちろん、働き方や職場環境を整備することは、すべての従業員に、プラスの効果を発揮することが期待できます。

職場環境を整備する方法として、社内コミュニケーションの円滑化を目指すことがあげられます。

テレワークやリモートワーク、またフレックスタイム制や時短勤務など、さまざまな働き方が推進されるなかで、コミュニケーションを効率化することは、業務効率化を目指すうえでも、従業員のストレス軽減を目指すうえでも重要です。

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[※1]出典:厚生労働省「くるみん認定、プラチナくるみん認定及びトライくるみん認定企業名都道府県別一覧」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/jisedai/kijuntekigou/index.html
[※2]出典:厚生労働省「2022年改正認定マーク」
https://ryouritsu.mhlw.go.jp/hiroba/about4marks2022.pdf
[※3]出典:厚生労働省「次世代法に基づく「一般事業主行動計画」の策定と「くるみん・プラチナくるみん」認定について」
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/content/contents/001043654.pdf
[※4]出典:厚生労働省「行動計画策定指針」
https://www.mhlw.go.jp/general/seido/koyou/jisedai/kaisei/kaisei-houshin.html
[※5]出典:厚生労働省「くるみん認定・プラチナくるみん認定の取消しについて」
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/25_1.pdf
[※6]出典:岐阜労働局「次世代育成支援対策推進法 岐阜県内の基準適合一般事業主「認定」企業一覧 」
https://jsite.mhlw.go.jp/gifu-roudoukyoku/content/contents/000959521.pdf
[※7]出典:株式会社丹野組「採用」
https://www.tannogumi.com/recruit
※本記事は、2023年5月時点の情報をもとに作成しています。


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記事監修者:國領卓巳(こくりょうたくみ)

2009年京都産業大学法学部卒業、2010年に社会保険労務士の資格を取得。建設業界、製造業、社会保険労務士兼行政書士事務所での勤務を経て独立開業。行政書士資格も取得。中小企業の社長向けに「労務管理代行、アドバイザリー事業」「助成金申請代行事業」「各種補助金(事業再構築補助金、小規模事業者持続化補助金など)」を展開、企業経営のサポートをおこなう。

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