デジタル化のメリット・デメリットとは?注目される背景についても解説
目次
「デジタル化の推進」や「デジタルトランスフォーメーション(DX)」が取り上げられることが増え、経済産業省などの省庁でも取り組みが進められています。
しかし、企業では業務やデータのデジタル化にはさまざまな検討が必要で、時間と費用がかかります。
デジタル化をおこなうために何をどこまで対応するべきか迷っている方や、導入のためにメリット・デメリットを把握しておきたいという方もいるでしょう。
適切にデジタル化を推進するために、デジタル化のメリット・デメリットを解説します。
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デジタル化とは?
デジタル化には、大きく分けて2つの概念があります。
ひとつは「アナログをデジタルに変換する」という概念です。
紙で保存していた資料をスキャンし、PDFデータにしてサーバーに保存したり、備品購入の申請を用紙への記入と押印から電子申請で済ませるようになったという会社は少なくないでしょう。
もうひとつは「デジタルデータをもとに業務を改革し、新しい価値を創る」という概念です。
収集したデータをもとにマーケティングを行い顧客満足度の向上につなげたり、ITやAIの技術をもちいて新たなサービスを開発したりすることを指します。
デジタル技術をもちいた業務やビジネスの変革といわれるDXも「改革と創造」にあたり、経済産業省の研究会においては、企業の競争力を高めるための最重要課題のひとつとされています。[※1]
今の社会の流れをみると、単にデータをデジタルにするだけではなく、それを活かしてどのような価値を生み出せるかが、企業がデジタル化を進める上で求められている重要なポイントといえるでしょう。
デジタル化が注目される背景
デジタル化が注目される背景について解説します。
2025年の崖
「2025年の崖」とは、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進にあたり、IT人材不足などのさまざまな課題によってDXが進まず、2025年以降には年間最大12兆円の経済損失が発生する恐れがあることを指す言葉です。
「2025年の崖」を克服するために、各企業にはデジタル化を推進する姿勢が求められています。
労働人口・人材の不足
日本企業では、業界によって慢性的な人手不足が続いている傾向があります。
とくに、中小企業や地方圏は人材不足が起こりやすい傾向があるため、安定的な人材の獲得と定着化を進める働きかけが重要とされています。
このような背景のなかで、人材不足を克服する手段のひとつとして、「デジタル化」が注目を集めています。
デジタル化を進めることで、業務効率化が実現し、少ない人材でも生産性を維持することができるため、さまざまな企業が、デジタル化を推進しています。
デジタル化のメリット
デジタル化のメリットには、業務を効率化し生産性を高めることなどさまざまな点があります。
デジタル化を進めると得られる主なメリットについて詳しく見ていきましょう。
データの保管・検索が容易になる
資料の収集や納品書のファイリングなど、多くの会社で紙での情報管理がおこなわれていたことでしょう。
しかし、大量の資料保管のためには資料室など物理的な広さの確保が不可欠になり、情報の蓄積や必要な情報を探すときには人員や時間が必要です。
資料保管や請求処理などの情報のデジタル化をおこなうことで、保管のための場所が必要なくなり、情報の追加や管理も簡単になります。
また、過去の資料や処理履歴から調べものをしたいときにも、検索機能をもちいて簡単に情報をピックアップすることができます。
人手不足解消につながる
アナログでおこなっていた印刷・記入・押印・ファイリングなどの手間が省けると、業務が効率化することはいうまでもないでしょう。
デジタル化によってこれまでの作業や情報共有がスムーズになることで、社員の生産性を高めることができれば、人手不足の解消にもつながります。
また、これまで時間を取られていた作業をデジタル化で簡略化することで、社員の業務範囲の幅を広げたり残業の削減などをすることができ、働きやすい環境づくりにもつながることでしょう。
ペーパレス化やIT化につながる
これまで紙でおこなっていた作業をデジタル化することで、ペーパーレス化にもなります。
ペーパーレス化を推進することは環境への配慮につながるため、企業としての姿勢を社会にアピールすることや、環境ISOを取得する際などにも役立つでしょう。
また、デジタル化によりデータの詳細な分析がしやすくなると、サービス品質の向上への活用や、ITやAIの技術を取り入れたビジネスの構築に取り組むことができます。
ペーパレス化やIT化は今後の企業運営に必要とされる部分なので、デジタル化を推進することで効率的かつ効果的に進めることができるかもしれません。
情報共有がしやすくなる
日々の業務内容がデジタルのデータとしてサーバー上に残るようになっていたり、ビジネスチャットツールでこまめな連絡が取れるようになっていると、個人が得たナレッジの共有がしやすく、業務の属人化を防げます。
社内の情報共有にアナログな手法やメールでのやり取りをもちいている場合、チームのひとりが急に欠勤した際に代理でどのような作業をすればよいか把握しにくかったり、個人に仕事を割り振りしていると全体の進捗状況が見えにくいことがあるでしょう。
情報共有をデジタル化するメリットは、最新の内容をスピーディーに伝えられることです。
特にビジネスチャットの場合は全社員向けグループ、部署やチームごとのグループ、個人あてのダイレクトメッセージなど、共有したい範囲をワンクリックで選び、メールよりも気軽に入力して送信できます。
ブラックボックス化しない組織運営には、情報共有にもデジタルの利点を活かす必要があるでしょう。
リモートワークの推進につながる
デジタルデータは保管されているサーバーにアクセスさえできれば、いつでもどこでも閲覧や更新をすることができます。
場所の制限なく業務ができることは、働き方の多様化への対応や、災害や感染症流行などにおける緊急事態下での事業継続においても重要なポイントでしょう。
クラウドサービスやバーチャルプライベートネットワーク(VPN)などを利用して、自宅のPCからインターネットを介し、業務データが保管されているサーバーにアクセスできる環境が必要となります。
近年注目されているテレワークやワーケーションを実施するためには必須の条件となるため、デジタル化の推進は大いに役立つでしょう。
デジタル化のデメリット
デジタル化にはメリットが多くありますが、適切に推進や運用をおこなわなければ、デメリットを生じさせてしまう場合もあります。
デジタル化のデメリットとして考えられるものを見ていきましょう。
情報セキュリティ対策が必須
デジタル化の最も注意すべき点は、セキュリティ対策をしっかりおこなう必要があることでしょう。
紙に残されたデータとは異なり、デジタルのデータは改ざんやコピーが容易にできるため情報漏洩への対策が必須であり、インターネットを介してデータにアクセスする場合はマルウェアなどのウイルス対策も不可欠となります。
総務省の情報セキュリティサイトにおいては、ウイルス対策ソフトやファイアウォールの導入、ユーザー権限やパスワードの管理をするほか、情報セキュリティ対策の方針と規則を定めた「情報セキュリティポリシー」を策定し、従業員への教育を介してセキュリティ意識の向上を促すことが必要とされています。[※1]
万が一、ウイルス感染やネットワークの不正侵入によって情報漏洩が起きてしまった場合、企業の信用と存続に関わるので、多方面から会社のデジタルデータを守るための対策が求められます。
>ビジネスチャット「Chatwork」のセキュリティに関する記事はこちら
検討時間と費用がかかる
これまでアナログで行っていた業務をデジタルに移行する場合、さまざまなパターンのシミュレーションや、使用するシステムの構築・選定など、検討に時間を要するでしょう。
検討時間にかかる人件費のほか、デバイスやソフトの購入、ネットワーク環境の整備、システムの導入にももちろん費用がかかります。
火災や地震などの災害による機器障害に備えて、停電時でも電力の共有ができる無停電電源装置などの設備導入も必要でしょう。
デジタル化による業務効率化やサービスの向上によって最終的には会社にとってプラスとなることが想定されますが、一時的な支出と、減価償却費やレンタル・リース料など長期的にかかる費用も頭に入れた上で検討するとよいかもしれません。
知識と柔軟な考えがないとメリットを得られない
デジタル化の2つの概念のうち、「アナログをデジタルに変換すること」については誰でも想像しやすく、環境さえ整えばすぐに着手し継続できるかもしれません。
しかし「デジタルデータをもとに業務を改革し、新しい価値を創ること」については、データという名の財産をフルに活用できる知識を持った人材や考えを持たなければ、実現することは難しいでしょう。
一度デジタル化を成し遂げても、既存システムに固執していると事業の進化を妨げることになり、デジタル化によって見込める効果を十分に得られないことになります。
複雑化・老朽化した既存システムが残存した場合、維持や保守に資金や人材を割かれ、コストの高騰やセキュリティ上のリスクが高まることが懸念されています。
これによって2025年以降、年に最大12兆円の経済損失が見込まれており、「2025年の崖」とも呼ばれています。[※2]
新たなデジタル技術を取り入れ続け、事業を成長させるためには、知識だけでなく柔軟性も求められているのです。
デジタル化のメリットを得るためにすべきこと
デジタル化のメリットを最大限に得るためには、アナログでおこなっていたときの習慣にこだわらず、着手から完了までを一元化してデジタルへ移行する必要があります。
備品の購入申請を例にあげると、申請や承認の工程をデジタル化したつもりでも、申請書の作成は紙で行い、スキャンしてデータ化したものを送るというのでは、用紙の印刷やシュレッダーにかける手間は変わらず、ペーパーレス化が推進できているとは言えないでしょう。
また、会社にとってデジタル化とは「業務を改革し、新しい価値を創る」ための手段でしかありません。
業務をデジタル化すること自体を目的にするのではなく、デジタル化によって何を成し得たいのか、会社がなりたい未来の姿やニーズを考える必要があるでしょう。
会社の目標や本質的な目的について社内でよく話し合い、その過程としてデジタル化の進め方を考えていくと、方向性を見失わずデジタル化のメリットを最大限に得ることができるかもしれません。
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デジタル化の推進にChatworkを活用
デジタル化は多様化していく社会のニーズや働き方に対応するために、必要不可欠なものです。
単にペーパーレス化を推進するのではなく、デジタル化したデータを活用し新たな価値を生み出すことが求められています。
もちろん会社の事業内容や規模などによっては、アナログのまま残すべきものや、メリットよりデメリットのほうが大きいと感じる場合もあるでしょう。
しかし、デジタル化の推進にはビジネスチャットや会計システムなど、比較的安価で導入できるものもあります。
Chatworkはチャット形式でスピーディに情報共有ができ、「タスク管理機能」で業務の見える化もできるため、デジタル化を推進していく上で大きく役立ちます。
業務の改革を実現し変わり行く社会で生き抜いていくために、長期的な視点で自社に必要なデジタル化に向けてChatworkの導入を検討ください。
Chatwork(チャットワーク)は多くの企業に導入いただいているビジネスチャットです。あらゆる業種・職種で働く方のコミュニケーション円滑化・業務の効率化をご支援しています。
[※1]出展:総務省 国民のための情報セキュリティサイト
「必要な情報セキュリティ対策」
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/security/business/executive/03.html
[※2]出展:経済産業省 デジタルトランスフォーメーションに向けた研究会
「DXレポート~ITシステム「2025 年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」
https://www.meti.go.jp/press/2018/09/20180907010/20180907010-3.pdf