時間管理のメリットと方法とは?コツやできない原因を解説
目次
時間管理は、締め切りのある仕事を進める上で、仕事そのものと同様に重要なものです。
とくに、難易度の高い仕事や大人数のチームで業務に取り組む場合は、時間管理がうまくいかず締め切りに間に合わなかったという事態が発生しやすくなります。
時間管理について、時間管理の方法と、時間管理を上手におこなうコツを解説します。
時間管理の必要性
「時間管理」とは「タイムマネジメント」とも呼ばれ、限られた時間内に効率的に仕事をおこない、生産性向上を目指す意識や行動のことです。
時間管理を怠ると、納期や約束をやぶってしまうことにつながり、信頼関係崩壊などのリスクを引き起こす可能性もあります。
時間管理は、業務を円滑に進めるためには必須の考えです。
適切におこなえるように、時間管理ができない原因の把握や、時間管理を上手におこなうコツについて見ていきましょう。
時間管理のメリット
業務を円滑に進めるために必須の「時間管理」の考え方ですが、具体的にどのようなメリットをもたらすのか解説します。
業務効率化につながる
適切な時間管理は、効率的に業務を進めることにつながります。
時間管理を適切におこなおうとすると、業務の進め方や段取りを先に決めておく必要が出てくるため、自然と業務と業務の間の無駄な時間や、目的なく手を動かす時間を削減することができます。
また、業務効率化によって生まれた時間を活用して、より効率的に作業をおこなう方法や、自動化できる方法などを探せるようになると、生産性向上も期待することができます。
時間管理ができず、「時間がない」「業務に追われている」状況が続くと、業務の質が低下するだけでなく、精神的にも追い込まれてしまう危険性があります。
健康的に働くうえでも、時間管理は大切といえるでしょう。
周囲から信頼されるようになる
適切な時間管理がおこなえる人は、納期や約束を守ることができるため、周囲から信頼されるようになります。
反対に、時間管理ができない人は、工数見積を誤って納期に間に合わなかったり、期限を覚えておらず約束を破ってしまったりなど、「この人に頼むのは危険」と思われてしまう可能性があります。
ビジネスにおいて、納期や約束は、さまざまな人に関わる重要な要素です。
時間管理を適切におこない、自分の発言や仕事に責任をもつことを意識しましょう。
業務の質向上につながる
時間管理をおこなうことは、業務の質向上にもつながります。
上述したように、適切に時間管理がおこなえるようになると、時間をつくることができるようになります。
たとえば、ひとつの企画書を作る場合も、ほかの業務に追われて1時間で作成しないといけない場合と、ほかの業務を効率的におこない、時間をかけて作成できる場合を比較すると、後者の方が質の高い企画書を作成することができるでしょう。
また、業務時間内に仕事が終えられるような時間管理がおこなえると、残業時間の削減や、削減した時間を自分のために使うこともできるようになります。
業務に追われていた時間を自分のために使えるようになると、精神的にも余裕がでて、パフォーマンスの向上も期待することができるでしょう。
焦ることがなくなる
時間管理ができていないと、「締切に間に合わないかもしれない」「忙しくて、〇〇の業務に手がつけられていない」など、常に焦りや緊張状態のなかで業務をこなさなくてはいけません。
このような状態が続くと、コミュニケーションをとるのが億劫になってしまったり、投げやりな仕事になってしまったりなどの悪影響が生じる可能性や、メンタル不調を引き起こす危険性もあります。
このようなリスクを避けるためにも、時間管理は効果的です。
たとえば、適切な時間管理をおこなおうとすると、ひとつの業務にどれくらいの時間がかかるかの工数見積りや、どれくらいのタスクを今抱えているのかのタスク管理などが必要になります。
工数見積りやタスク管理がおこなえるようになると、現状の業務量が、自分のキャパシティを越えていないかや、なにか依頼されたときに対応できるかどうかの判断がしやすくなり、業務量を調整できるようになります。
キャパシティを越えてしまい、納期や約束に間に合わないことが事前にわかれば、納期の変更やほかの業務の調整をおこなうことができるので、約束を破ることもなくなります。
適切な時間管理や報連相で、信頼できる人を目指しましょう。
時間管理ができない原因
時間管理をしたいと思っても、なかなかできない・成果がでないと悩む方もいるでしょう。
なぜ時間管理ができないのか原因を知り、改善をはかりましょう。
業務に優先順位がつけられない
時間管理ができない原因として、業務に優先順位がつけられないことがあげられます。
仕事は、業務時間内に効率的に業務をおこない、成果を出す必要がありますが、業務に優先度をつけずに進めてしまうと、「いつの間にか定時になっていた」という事態が起こりかねません。
たとえば、「目についた仕事から進めている」「今日依頼された仕事を取り急ぎおこなう」などの方法で仕事をしている人は、効率性が悪く、納期遅れなどが発生しやすいです。
業務時間内に必要量の業務をおこなうことを意識し、「緊急性」や「重要度」などの基準をもつようにしましょう。
タスク管理ができていない
タスクの管理や把握ができていないと、時間管理を適切におこなうことはできません。
たとえば、「既存顧客に定例訪問」という業務ひとつをとっても、ただ訪問するだけで業務は完了せず、「アポイントをとる」「必要データを決める」「データを集める」「資料を作成する」「資料を印刷する」など、さまざまなタスクが発生します。
これらのタスクに発生する工数を見積りせず、「訪問」ということだけを業務を認識していると、想定外に時間がかかってしまうでしょう。
ひとつの業務に対して、どれくらいのタスクが発生するか、そのタスクに締切はあるかなどを管理できていないと、抜け漏れが起こり信用を損ねかねません。
ツールなどを活用し、適切なタスク管理がおこなえるようになりましょう。
工数見積もりができていない
優先順位づけやタスク管理がおこなえているのに、時間管理ができていないと感じる人は、工数見積りが適切ではない可能性があります。
たとえば、一時間と見積もっていたタスクに2時間かかってしまった場合、ほかの業務が一時間後ろ倒しになってしまいます。
これが各タスクで起こってしまうと、優先順位づけやタスク管理がおこなえていたとしても、業務時間内に業務を完了させることができなくなってしまいます。
また、業務時間いっぱいにタスクを詰め込んでしまうと、イレギュラーな業務が発生した際や問い合わせがあった際などに対応できなくなってしまいます。
工数見積りをおこなう際は、バッファをもった設計にし、イレギュラーな業務が発生した際は、都度ほかの業務と優先順位を見直すなどの対応をおこなうようにしましょう。
時間管理をする4つの方法
時間管理をするためには、明確なステップをふんで進めるようにするとよいでしょう。
タスクを洗い出す
最も大切なのは、業務を進めるために何をいつまでにしなければならないのかを正確に把握することです。
やらなければならない作業に抜け漏れがあると、業務全体が立ち行かなくなってしまいます。
どのような作業をしなければならないのか頭の中だけで管理するのではなく、タスク管理ツールや手帳などに見える化するようにしましょう。
特に、長期的なプロジェクトの一部などは、あらかじめタスクを見える化しておかなければ、タスクそのものを忘れてしまうことがあります。
また、複数人で取り組まなければならない作業は、連携のために特に見える化が必要です。
業務の洗い出しをするとききは、会議や顧客とのアポイントなど「日時が決まっている業務」と、資料作成やデスクワークなど「日時が決まっていない業務」の二種類にわけるようにしましょう。
タスクに優先順位をつける
だれが何をいつまでにやるのかという見える化ができたら、それぞれのタスクに優先度をつけるようにしましょう。
優先度をつけずにいると、ついつい得意なものや面白そうな作業から先に着手をしてしまう可能性もあります。
結果、急ぎの仕事が結局間に合わない事態が発生しやすくなるかもしれません。
適切に時間管理をするためには、優先順位をつけましょう。
優先順位の付け方は、「緊急性」と「重要性」を基準にマトリクス表にすると把握しやすくなります。
緊急度が高い | 緊急度が低い | |
重要度が高い | A | B |
重要度が低い | C | D |
優先度は、各仕事が以下の4つのうちどれに当たるかを考えることで決定できます。
Aは最も優先度が高く、Dは最も優先度の低い仕事です。
- A: 緊急かつ重要。トラブル対応、期限が差し迫った仕事など
- B: 重要だが緊急でない。将来的な価値につながるような仕事、準備や計画など
- C:緊急だが重要でない。突発的に依頼された仕事、電話やメールなど
- D:緊急でも重要でもない。最も優先度が低い仕事、雑用など
一般的に人は緊急度が高いと思われるものに反応しやすい一方、重要度の判断を誤ることがあります。
突発的に依頼された仕事など「緊急だが重要でない仕事」に過剰な時間をかけていないか注意しましょう。
管理者は、緊急性と重要性の方針を示したり、優先順位付けに対してフィードバックをしたりするのが望ましいでしょう。
業務ごとに情報を整理する
優先度の判断がついたら、業務ごとに開始日、締切日、目標・目的の情報を整理しましょう。
締め切りが決まっているものは、締め切りよりも早めに締切りを設けておくことが基本です。
自分の中でなんとなく締め切りを設けていると、時間管理が難しくなります。
「週末まで」「月末まで」というような曖昧な締め切り設定はなるべく避け、「◯月◯日まで」というように明確な設定をしましょう。
また、締め切りを設定し、そこまでに必要な時間を管理できるようにするためには、この段階で業務の遂行に必要な時間を正確に予測することが必要です。
業務をスケジュールに反映させる
最後に自分の使える時間を把握し、業務をスケジュールにあてはめます。
時間が足りないと感じた場合は、優先度の低いものを後回しにしましょう。
緻密に計画を立てても、この段階ではあくまで予測にすぎません。
「想定より作業に時間がかかった」「急な仕事が舞い込んだ」などスケジュールどおり進まないことが多いでしょう。
適宜フォローできるよう、作業進捗はチーム内で共有できるとよいでしょう。
時間管理を上手におこなうコツ
時間管理を上手におこなうためには、実行性が高く無理のないスケジュールを立てることはもちろん、進捗管理をすることも必要です。
それぞれのステップで、時間管理を上手におこなうためのコツを紹介します。
作業時間を記録する
無理のない計画を立てるためには、作業時間を正確に予測できるとよいです。
そのためには普段から、何をするためにどれだけ時間がかかったかという記録を積み上げていくようにしましょう。
期間を記録するためには、ストップウォッチではなく、時間管理をするためのツールや記録ソフトを使うとよいでしょう。
余裕を持ったスケジュールを立てる
無理のないスケジュールを立てるためには、万一作業進捗が遅れた場合に遅れを取り戻すためのバッファを設けておくとよいでしょう。
作業時間の予測値と照らして、うまくいかなかった場合の可能性もふまえてスケジューリングするようにしましょう。
作業効率を意識してスケジュールを立てる
スケジュールの内容によっては、同じ作業をしていても効率に影響が出る場合もあります。
たとえば、一般的には午前中にパフォーマンスがあがるといわれています。
重要度の高い仕事は午前中におこなうようにするなど、効果的なスケジューリングをするとよいでしょう。
進捗管理を仕組み化する
タスクの進捗を管理したり、チーム内で共有することは重要ですが、時間をかけすぎると本末転倒になってしまいます。
進捗管理を効率化できるよう、その方法はあらかじめ明確に決めておきましょう。
たとえば、いつまでにどんな方法で進捗共有をおこなうかが決めていれば、共有の方法に迷ったり、抜け漏れや共有忘れが発生することもありません。
コミュニケーションしやすい雰囲気を作る
進捗共有が大切とはいえ、「遅れている」などというネガティブな報告をすることは躊躇ってしまうことがあるでしょう。
心理的な障壁が全体の時間管理をうまくいかなくする原因になってしまいます。
チーム内で適切なコミュニケーションをするために大切なことは信頼関係です。
普段から情報共有を活発におこない、適切なタイミングで正しい報告ができるようにしましょう。
タスク管理ツールを利用する
時間管理の精度を上げるためには、正確かつリアルタイムにタスクの進捗を把握することが必要です。
タスク進捗を把握するために開発されたタスク管理ツールを利用することで、紙やエクセルなどで管理するよりも正確に管理ができることがあります。
またチーム内での進捗共有も、タスク管理ツールを使うとスムーズです。
時間管理にはビジネスチャットもおすすめ
時間管理をするためには、やらなければならないタスクの内容を洗い出し、優先度をつけたうえでスケジュールを作成しなければなりません。
また、チームで時間管理をおこなう場合には、タスクの進捗を仕組み化し、かつ活発に共有をする必要があります。
タスク管理ツールとしてはChatworkもおすすめです。
Chatworkではチャット機能のほか、「誰がいつまでに何をしなければならない」という内容をタスクの形で共有することができます。
時間管理に付随するコミュニケーションについて、Chatworkはチャット形式でスムーズなやりとりを実現します。
さらに、ChatworkとGoogleカレンダーを連携させることで、Chatwork上に予定のリマインド通知や新しい予定のお知らせを受け取る使い方もできます。
チームの時間管理をするためのツールとして、ぜひ検討してください。
Chatwork(チャットワーク)は多くの企業に導入いただいているビジネスチャットです。あらゆる業種・職種で働く方のコミュニケーション円滑化・業務の効率化をご支援しています。