D2Cとは?メリット・デメリットや進め方、ポイント、企業事例を紹介
目次
D2Cは、ビジネスシーンにおける販売モデルのひとつで、製造元の企業が「消費者に直接販売」していく方法を指します。
インターネットから自社サイトを使って販売できるので、販売方法の自由度が高いといった魅力があります。
実際に事業活動に導入したいときは、どのような方法で進めていくとよいのでしょうか。
D2Cのメリット・デメリット、進め方とポイント、企業の成功事例を紹介します。
D2Cとは
D2C(Direct to Consumer)とは、販売モデルを表現する言葉です。
製造元の企業が「消費者に直接販売」していく方法を指します。
従来の販売方法では、製造元の企業が小売店などを挟み、販売する方法が主流でした。
D2Cでは、中間に業者を挟まないという特徴があり、インターネットなどを通じて販売していきます。
ECとの違い
EC(Electronic Commerce)とは、インターネットを使って物やサービスを取引することです。
たとえば、アパレルサイトの通販などがあげられます。
ECでは、商品やサービスの価格帯や機能面、配送までのスピードなど、効率面を重視して販売する傾向があります。
一方、D2Cでは、自社ブランドの世界観を重視して販売する違いがあるでしょう。
D2Cが求められる背景
ビジネスシーンにおいて、D2Cが求められる背景について解説します。
顧客の行動が変化している
社会では物を所有することよりも、購入する意味を検討して買うかどうかを決めたいというニーズが高くなっているなど、顧客の消費行動が変化しつつあります。
とくに、ミレニアル世代(1980〜1990年半ば生まれの人)が親になり、アルファ世代(2010〜2020年代に生まれの人)の子どもを育てているなど、インターネットの商品購入に抵抗がない世代が増えてきていることも要因にあげられます。
顧客と新しい関係性が求められている
D2Cでは、サイトをとおして顧客と直接コミュニケーションを図れるので、企業と顧客の距離感が近くなります。
従来の販売方法では、効率的な販売が重視されてきましたが、D2Cでは顧客との継続的な関係が重視されるでしょう。
D2Cをとおして、自社のファンになってもらうことで、顧客がリピーターとして定期的に購入する仕組みをつくりやすくなります。
D2Cのメリット
D2Cを導入するメリットは、主に4つ挙げられます。
- 情報収集・分析を進めやすい
- 自由度が高い
- 収益を高めやすい
- 顧客との距離感が近い
D2Cの4つのメリットについて解説します。
情報収集・分析を進めやすい
D2Cでは、インターネットを使って販売できるので、情報収集や分析が容易になり、時代の流れや顧客行動の変化に合わせて柔軟に対応できます。
たとえば、顧客の個人情報や購入傾向、売上などは、サイトのシステムを使って情報収集や分析が可能です。
D2Cの導入により、顧客のニーズを読みとりやすくなり、時代のニーズを反映させた商品開発を進めやすくなります。
自由度が高い
D2Cでは、自社で一貫して仕組みを管理できるため、販売に関する自由度が高くなります。
たとえば、販売時のキャンペーン導入の告知を進めやすいので、ターゲット層に向けて効果的に情報発信ができるでしょう。
また、読者が使いやすいサイトのデザインに変更しやすいといった魅力もあります。
D2Cは、マーケティングに関する施策を打ち出しやすく、施策の効果を見て柔軟に対応しやすいでしょう。
収益を高めやすい
D2Cでは、自社で直接販売できるため、仲介業者の手数料がかかりません。
コスト削減を図れるので、自社の収益を高められるメリットがあります。
収益を得た分は、次の商品開発の資金として活用できるでしょう。
顧客との距離感が近く情報収集しやすい
D2Cでは、SNSやサイトをとおして、顧客とコミュニケーションを図れます。
たとえば、SNSで情報収集と分析を進めることで、商品にどのような感想をもっているのか調査できるでしょう。
情報収集と分析から商品の改善を進められるので、顧客満足度を高めやすくなり、継続的にサービスを利用してもらいやすくなります。
D2Cのデメリット
D2Cにはメリットがある一方で、いくつかのデメリットもあります。
- 仕組みの整備に時間・コストがかかる
- ブランディングが必要
- 顧客に定着するまで時間がかかる
D2Cのデメリットについて解説します。
仕組みの整備に時間・コストがかかる
D2Cを導入するには、自社サイトやアプリの開発など、実現までにコストがかかってしまう側面があります。
また、D2Cのサイト構築には、エンジニアやデザイナー、マーケティングに関わる人材を確保する必要が出てくるといった課題があげられます。
仕組みづくりに時間がかかるため、すぐに導入するのが難しいといったデメリットがあるでしょう。
ブランディングの必要がある
ブランディングとは、自社の商品やサービスに共感や信用を感じてもらい、ブランドの価値を高めていく方法のことです。
たとえば、自社に関連するWeb記事を作成して、有益な情報発信を続けて集客を増やしていく方法があげられます。
D2Cの初期段階では、商品やサービスが必ず売れるとは限らない現状があるでしょう。
商品やサービスを顧客に知ってもらうためにも、どのような方法で自社の魅力を伝えていくのかを検討することが重要です。
顧客が定着するまでに時間がかかる
D2Cのビジネスモデルが軌道に乗るまでは、ある程度の時間がかかるケースが一般的です。
SNSでインフルエンサーに商品を紹介してもらうなど、少しずつ商品の認知度を高める施策を実施しないと、思うようにリピーターが見込めない場合もあります。
中長期的な視点をもった施策立案が大切です。
D2Cの進め方
D2Cを進めていく手順は、大きく3つの段階にわけられます。
(1)事業モデルの設計
(2)商品の企画・開発
(3)ビジネスモデル・Webサイト構築
自社の事業に活かすためにも、D2Cの進め方について把握しておきましょう。
(1)事業モデルの設計をおこなう
まずは、D2Cのブランドにおける世界観をイメージしていきましょう。
たとえば「体にやさしいものを届けたい」といったコンセプトなどがあげられます。
同時にどのようなビジョンを実現させたいか、目的や目標を決めてとりくみます。
(2)商品の企画や開発をおこなう
D2Cのコンセプトを決めたあとは、イメージをもとにして、商品開発を進めていきます。
「体にやさしいものを届けたい」というイメージを設定した場合、オーガニック素材に関わる製品を開発する方法があげられます。
まずは、試作品をつくってみて、顧客のニーズに近づけられるように微調整を繰り返しましょう。
(3)ビジネスモデル・サイト構築をおこなう
商品開発後は、具体的な販売方法や開発方法、材料調達など、ビジネスモデルの概要を再検討しましょう。
内容を洗い出すには、ビジネスモデルキャンバスのフレームワークが活用できます。
ビジネスモデルキャンバスは、9つの要素を洗い出して、事業活動のアイデアを整理できる方法です。
また、自社の商品や顧客層に合わせて、どのようなサイト構築やSNSの活用が合っているのか検討したあとに、具体的な仕組みづくりを進めます。
D2Cを成功させるポイント
D2Cを通して顧客を集めたり、自社のファンになってもらったりして事業を成功させるためには、主に3つのポイントを踏まえて推進するとよいでしょう。
(1)顧客体験を高める
(2)SNSなどの情報媒体を利用する
(3)顧客情報のデータを活用する
D2Cを成功させる3つの主なポイントについて、解説します。
(1)顧客体験を高める
顧客体験とは、商品やサービスをとおして得られる満足度のことです。
商品購入前のイメージよりも、購入後の満足感が高いほど、顧客価値を高めやすくなります。
D2Cのサイトで顧客のターゲット層に合わせた広告を打ち出しながら、商品の質を高めていくことで、継続的に利用してもらいやすくなるでしょう。
(2)SNSなどの情報媒体を使う
顧客と直接コミュニケーションを図るためにも、情報媒体を使った発信が大切です。
たとえば、SNSやメルマガによる情報発信をきっかけに、自社のブランドにおける世界観を知ってもらいやすくなるでしょう。
(3)顧客情報のデータを使う
D2Cから得られた顧客データの使用により、商品の改善を効果的に進めやすくなります。
どのような商品が購入される傾向があるのか、反対に購入されない商品は何かなど、顧客が求めるニーズを探っていきましょう。
D2Cにおける企業の成功事例
D2Cを企業で導入するイメージを掴むためにも、企業の成功事例について解説します。
小売業の事例
小売業の事例では、毎日着られる服をコンセプトに掲げており、長く愛用できる商品開発を進めています。
一緒に顧客とブランドをつくりあげるという世界観を大切にしているため、自社のファンを増やして安定的に顧客を獲得できている事例です。
宅配弁当事業の事例
宅配弁当事業の事例では、健康志向の方に向けたメニューを提供しています。
ダイエット目的や筋肉をつけたい方向けの内容を始め、利用者の声を載せるなど、健康に対する意識が高い方に向けて、サイトが見やすく設計されています。
D2Cは時代のニーズに合った販売方法
D2Cは、顧客との距離感が近い形で、商品展開を進められる魅力があります。
商品やサービスの世界観に共感してもらえるようになると、安定的な集客が見込めるでしょう。
まずは事業モデルの設計や商品開発を進めながら、顧客層に合わせた事業モデルの構築やマーケティング施策などを実施することが重要です。
本記事で紹介したD2Cの進め方を参考に、具体的な推進策に落とし込んでいくとよいでしょう。
たとえば、D2C推進のためのサイト構築に関する人材を集めるときは、社外のクリエイターに業務を依頼するケースもあります。
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