DXはなぜ必要?DXの効果と必要性を解説

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働き方改革
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DXはなぜ必要?DXの効果と必要性を解説

目次

経済産業省が企業に対して、DXの導入および推進を積極的に呼びかけていることがあり、DXというワードが注目されています。

DXに対する注目が高まっている情勢を踏まえて、DX導入を検討したり、DXを導入して新たなビジネスモデル創出に向けた取り組みをおこなう企業は年々増加傾向です。

DXがなせ必要とされているのか、DX導入の効果を得るためのポイントを紹介します。

DXはなぜ必要なのか

経済産業省はDXの定義について、

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」

[※1]

であると説明しています。

経済産業省の定義をより簡潔に言い換えるのであれば、DXとは「IT技術を活用して新たなビジネスモデルを確立すること」や「既存の業務をデジタル化すること」です。

経済産業省の推進によってDXが重要視されたため、近年は多くの企業がDXの導入に着手しています。

株式会社電通デジタルが実施した2020年度のDX調査」によると、「DXに着手している企業は全体の74%である」というデータが出ました。[※2]

2019年度の数値に比べると4%の増加、2018年度から11%の増加です。

また、「現在着手しているわけではないが、将来的に着手予定である」と回答した企業は全体の13%であり、着手済みと着手予定の企業を合算すると87%の割合にのぼります。

DXが重要視されて、ほとんどの企業で着手ないし着手予定となっている背景に存在する、DXの必要性についてご紹介します。

>DX(デジタルトランスフォーメーション)に関する記事はこちら

DXの必要性・目的

「DX化」は、ただ業務をIT化したり、自動化したりすることではありません。

なぜ今DX化が求められているのかを、詳しくみていきましょう。

ビジネス環境の変化に対応するため

DXが注目を集めている背景には、市場のグローバル化や労働力不足、消費者のニーズや価値観の変化などの「ビジネス環境の変化」が存在しています。

DXの推進によって、インターネットを通してグローバルなマーケティングが可能になり、ビジネスチャンスが広がることはDXのメリットのひとつです。

また、デジタル技術の活用によって、既存業務の効率化を果たしたり、人手がかからないビジネスモデルを確立したりということが実現するため、DXは不足した労働力を補う対策として注目を集めています。

ビジネス環境の変化のひとつには、消費者の価値観の変化が挙げられますが、これは主要なマーケットが実店舗からインターネット上のオンラインショップに変化していることや、インターネットを活用したサブスクリプションサービスの利用者が増加していることが一例です。

さらに、消費者のニーズが多様化している点を踏まえて、ビックデータを活用して消費者に最適な商品やサービスを提案するビジネスモデルを狙う企業も存在します。

>DXで実現できる働き方改革に関する記事はこちら

従業員が働きやすい環境をつくるため

DX導入によって既存業務のデジタル化が進むと、従業員の生産性や業務の効率が向上し、従業員の労働環境が改善することもDXのメリットです。

従来は紙媒体で決裁や承認をおこなっていた業務をデジタル化することによって、決裁者・承認者の場所を問わずスムーズな処理が実現されます。

また、ITツールの導入により、場所を選ばない働き方が可能となり、フレキシブルな就労スタイルを実現できます。

ソフトウェア上のロボットが業務をおこなう「RPA」というシステムを活用することで、従業員の手でおこなっていた業務を代行して実施するため、代わりに重要度が高い業務をおこなうことが可能となることもDX導入の恩恵です。

>働きやすい職場の特徴と作り方に関する記事はこちら

「2025年の崖」への対策

「2025年の崖」とは経産省が2018年に発表したDXレポートの中で使われた言葉で、「複雑化・老朽化・ブラックボックス化した既存システムが残存した場合、2025 年までに予想される IT人材の引退やサポート終了などによるリスクの高まりに伴う経済損失は、2025年以降、最大12兆円/年(現在の約3倍)にのぼる可能性がある。」という国内企業が直面するであろう課題を表現したものです。[※3]

とくに、既存のシステム、いわゆるレガシーシステムのベンダーによるサポート終了によって、多くの企業に不利益が生じる恐れがあります。

というのも、老朽化したシステムは年数の経過につれて、ベンダーによるサポートが終了し、セキュリティや運用の面で不具合が生じる可能性が高まるからです。

セキュリティに脆弱性があることで、サイバー攻撃などの脅威にさらされて、データ流失のリスクが発生する上に、システムの運用に不具合が生じればトラブルは急増すると懸念されます。

DX推進は、老朽化したレガシーシステムを刷新し、懸念されるリスクをできる限り抑えるという意味でも重要です。

>2025年の崖に関する記事はこちら

DX導入による効果

DX導入がもたらす効果は幅広く、従業員にとってメリットだけでなく、企業利益の向上や新たな企業価値の創造などがあります。

生産性・業務効率の向上

DXは、企業の生産性向上に役立つとされています。

たとえば、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)と呼ばれるツールを活用することで、これまで人間がおこなっていた事務作業の自動化が可能です。

また、MA(マーケティング・オートメーション)は、顧客へのメール配信や顧客の優先度を順位化し、効率的なマーケティングをおこなえるようになります。

このように、DXの導入および活用のもたらす効果には、迅速な業務フローの確立や事務処理の負担低減による業務効率化、および生産性の向上があります。

新しいビジネスの創造につながる

ビックデータの活用やオンラインマーケティングの強化など、DX導入により新たなビジネスモデルを創造している事例がすでに多く存在します。

たとえば、自動販売機にAIカメラを設置し、購買者の容姿など特徴を基に、ビックデータから抽出したおすすめのドリンクをパネルに表示して購買意欲を向上させるビジネスモデルがあります。

ほかには、曜日や時間帯などの条件に応じて、観戦チケットなどの価格を変動させるダイナミックプライシングが例として挙げられます。

ダイナミックプライシングでは、膨大なビックデータを活用して、消費者のニーズに合わせた最適な価格を提供するため、利益の最大化を図ることが可能です。

リスクマネジメントの強化

「2025年の崖」について解説したとおり、企業に存在するレガシーシステムは老朽化が顕著になり、短期的なシステム改修によるブラックボックス化も同時に進んでいます。

ベンダーによるサポートが終了したレガシーシステムは、サイバー攻撃やインターネット上に存在するウイルスの脅威にさらされるリスクが向上するため、セキュリティ面が不安な懸念事項です。

DX推進によって、レガシーシステムの運用を見直し、ベンダーによるサポートが継続しているシステムに切り替えたり、自社開発できる体制を整えて自営のシステムを活用したりという取り組みは、リスクマネジメントの強化につながります。

>DX推進の課題や必要性に関する記事はこちら

DXの効果を最大化する方法

DXの効果を最大限にするためには、企業全体として取り組むべきことがいくつか存在します。

ITシステムの構築

DXを推進する場合、「外部のベンダーにシステム開発を発注するか」、「既存の外部システムを新しく活用するか」、「自社でシステムを開発し運営するか」のいずれかの選択肢が存在します。

どの選択肢であっても、外注費用やシステム利用にかかる費用など、ITシステムの構築には多額のコストが付き物です。

現場レベルの要望だけでなく、経営トップおよび経営層がDX推進に対して意志を固く持ち、先陣を切って改革を進めていく姿勢が重要です。

社内の組織改革

社内でITシステムを構築し、運営する場合、DX推進計画を策定してITシステムの開発に反映させる部門や、実際にシステム設計および開発をおこなう部門が必要となります。

すでに、ITシステムを担い業務をおこなう部門が存在するのであれば、既存の部門が担当できますが、存在しない場合には組織改革をおこない、新たに部門を創設することが必要です。

また、外部にシステム開発を発注する場合であっても、ベンダー側に丸投げするのではなく、社内に担当部門を設け、積極的に関わるようにしましょう。

DX人材の育成

DX推進を実際におこなう際には、DX計画の策定や計画をITシステムに落とし込むスキル、要件定義やシステム設計、運用をおこなうスキルなど多くの技能が求められます。

社内に適任者がいない場合には、外部から採用したり、社内の人材にITスキルの研修をおこなうことで育成を実施したりという取り組みが必要です。

また、直接システム開発に関わらない事業部門であっても、実際に業務をおこなう立場の従業員が要件定義に関わることも大切です。

現場の意見が反映され、使いやすいシステムに工夫することが求められます。

>DX人材に関する記事はこちら

DXがなぜ必要かを理解しDXの効果を獲得しよう

DX化の効果を適切に得るためには、DXがなぜ必要であるかを考えて取り組みを進めましょう。

「アナログな社内業務による業務効率の低さ」、「市場の変化に合わせたビジネスモデルの変革が求められているのか」、「レガシーシステムの老朽化によるセキュリティ面の懸念」など、企業によって抱える課題および弱みはさまざまです。

たとえば、ビジネスチャットの「Chatwork」は、チャット形式でのコミュニケーションを実現し、社内の業務効率化を期待できます。

プロジェクトや部署単位での情報共有が可能となるほか、テレワークという新しいビジネススタイルの推進にも役立ちます。

DXは単にIT技術を導入すればよいというわけではなく、自社で解決すべき課題を見極めて、適切なITシステムを活用しましょう。

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[※1]出典:DX推進指標(サマリー)|経済産業省
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/dgs5/pdf/004_s04_00.pdf
[※2]出典:日本における企業のデジタルトランスフォーメーション調査(2020年度)|株式会社電通デジタル
https://www.dentsudigital.co.jp/release/2020/1218-000737/
[※3]出典:DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~|経済産業省
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation/pdf/20180907_03.pdf


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