【臨床心理士監修】クォーターライフクライシスとは?陥る原因と対策をわかりやすく解説

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働き方改革
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【臨床心理士監修】クォーターライフクライシスとは?陥る原因と対策をわかりやすく解説

目次

クォーターライフクライシスとは、20代後半から30代半ば頃の人が経験する、人生や生き方に対する不安感や焦りのことです。

もとは欧米において有名な言葉ですが、近年日本でも注目されています、

仕事や人間関係、自己実現など、人生のさまざまな側面での理想とギャップによって引き起こされることが多いです。

本記事では、クォーターライフクライシスとはなにか、なりやすい人の特徴、クォーターライフクライシスに陥る原因や対策について解説します。

クォーターライフクライシスとは

クォーターライフクライシスとは、20代後半から30代半ば頃の人が、自分の人生や生き方に漠然とした不安や焦りを感じる状態のことです。

人生を100年と考えたときに、20代後半から30代半ば頃がクォーターつまり約4分の1にあたるため、クォーターライフクライシスと呼ばれています。

英語では「Quarter Life Crisis」と表記し、頭文字をとって「QLC」と呼ぶこともあります。

ミッドライフクライシスとの違い

クォーターライフクライシスに似た言葉として、「ミッドライフクライシス」があります。

ミッドライフクライシスは、30代後半から50代頃に生じる、人生や生き方に対する漠然とした不安や焦りのことです。

クォーターライフクライシスが20代後半から30代半ば頃なのに対し、ミッドライフクライシスはミッドライフ(中年)である30代後半から50代頃に生じるという点が違いです。

クォーターライフクライシスに陥る原因

クォーターライフクライシスに陥る原因には以下のようなものがあります。

  • SNSの普及
  • 理想と現実のギャップ
  • 結婚への焦燥感
  • 平均寿命の長寿化

ひとつずつ詳しく解説します。

SNSの普及

SNSの普及によって、簡単に同年代の人の生活状況を知ることができるようになりました。

SNSの活用は、自分とは異なる価値観に触れたり、有益な情報が得られたりというメリットがある一方で、自分と他人を比較して人生の不安などネガティブな感情も抱えやすいというデメリットがあります。

たとえば、同年代の人が自分よりも年収が高かったり、車を買っていたり、海外旅行に何度も行っているなど、他人の成功やきらびやかな生活ぶりを見るとクォーターライフクライシスが生じやすくなります。

理想と現実のギャップ

20代前半で社会人になったばかりの頃は、理想と現実のギャップがあっても、「まだ社会人になったばかりだから」「これから努力して理想の自分になる」と思えます。

しかし、20代後半以降になっても理想と現実にギャップがあると、「自分はなにをしていたんだろうか」「このままではまずいのではないか」といった不安や焦りが生じ、クォーターライフクライシスに陥ってしまいます。

結婚への焦燥感

20代後半から30代半ば頃は、結婚する人が増える時期です。

自分が結婚していない場合、同年代の人の結婚を耳にしたり、結婚式に参加したりすると「自分も早く結婚しなければ」という焦燥感にかられやすくなります。

結婚式で幸せそうな友人・知人の姿を見るとうらやましく思う気持ちも生じるでしょう。

こうした結婚への焦燥感もクォーターライフクライシスの原因になります。

平均寿命の長寿化

医療の進歩などさまざまな要因から、日本人の平均寿命が延びています。

かつては60歳だった定年も、現在では65歳に延長されるなど変化も生まれました。

年をとっても健康でいるためにはどうすればいいか、老後の生活費はどうすればいいのかなどの不安は、若い頃には考えることもなかったでしょう。

しかし、20代も後半になってくると、老後の不安を感じることも出てきて、こうした不安がクォーターライフクライシスに影響しています。

クォーターライフクライシスになりやすい人の特徴

クォーターライフクライシスになりやすい人には、以下のような特徴があります。

  • 気持ちの切り替えが苦手
  • 人に言われたことだけする
  • 過去の出来事を引きずってしまう
  • 人と自分を比較してしまう

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

気持ちの切り替えが苦手

不安や焦りをまったく感じないという人はいません。

大事なのは、不安や焦りを感じても、しっかりと気持ちを切り替えることです。

しかし、気持ちが切り替えられない人は、不安や焦りに支配されやすくクォーターライフクライシスになりやすいでしょう。

人に言われたことだけする

人に言われたことだけをする人は人の意見に左右されやすく、同年代の成功体験の話などに影響を受けやすいです。

自分で考えて行動することがないので、「自分はこれでいい」という自分に対する確信がもちにくい傾向にあります。

過去の出来事を引きずってしまう

過去の出来事を引きずってしまう人は、たとえば友人が結婚した話を聞いて「自分ももっと若いときにいろいろ努力しておけばよかった」といった後悔を感じやすいです。

自分の過去に対する後悔から、今の自分の状態に対する焦燥感が強くなります。

過去の出来事を引きずりがちというのは、クォーターライフクライシスの人にありがちな特徴です。

人と自分を比較してしまう

同年代の成功やきらびやかな生活を知ることは、クォーターライフクライシスの引き金になりやすいです。

人と自分を比較してしまうと、クォーターライフクライシスに陥る可能性が高い状況に自分を追い込むことになります。

他人との比較はクォーターライフクライシスに陥るリスクを高めます。

クォーターライフクライシスの5つのフェーズ

クォーターライフクライシスには、以下の5つのフェーズがあります。

  • フェーズ1:自分の過去に対する後悔を感じている状態
  • フェーズ2:「なんとかしなければ」という焦りを感じる状態
  • フェーズ3:現状を変えるために具体的な行動を検討する状態
  • フェーズ4:実際に行動を起こす段階
  • フェーズ5:自分の人生に自信をもち、行動できる状態

必ずしもこの5つのフェーズをたどるわけではなく、フェーズ3と4を何度も繰り返すなど、さまざまなパターンがあります。

もし、自身がクォーターライフクライシスの傾向にあると感じたときは、どのフェーズに当てはまるかを考え、次のフェーズへ移行できるように行動するとよいでしょう。

クォーターライフクライシスの対策

クォーターライフクライシスを感じた際の対策を紹介します。

  • 自分を見つめ直す
  • 気持ちを切り替える
  • 他の人と自分を比べない
  • サンクコスト効果を回避する
  • ロールモデルとなる人を見つける

自分に合いそうなものは、ぜひ実践してみてください。

自分を見つめ直す

クォーターライフクライシスでは、漠然とした不安や焦りを感じるのが特徴です。

自分を見つめ直すと、自分がなにに不安や焦りを感じているのかが具体的に見えてきて、クォーターライフクライシスを脱却する第一歩を踏み出せます。

気持ちを切り替える

クォーターライフクライシスに限らず、ネガティブな状態から気持ちを切り替えることは大事なことです。

ネガティブな感情に支配されていると、よりネガティブ感情が増幅されるなど、さまざまなデメリットがあります。

自分の状態を正しく認識するためにも、気持ちを切り替えましょう。

他の人と自分を比べない

他者との比較はクォーターライフクライシスを引き起こす原因になります。

人と自分を比べるのではなく、自分の基準をもつようにしましょう。

他人との比較ではなく、自分にとってなにが幸せなのかを考え、自分のペースで達成していくことが重要です。

サンクコスト効果を回避する

サンクコスト効果とは、一度お金や労力、時間を使うと、今後そうしたコストに見合った見返りが得られない可能性が高くても、「ここまでやったんだから」「もったいない」という心理から途中でやめられなくなることです。

たとえば「せっかく法学部に入ったのだから法律が活かせる仕事をしないともったいない」という考えから、自分のやりたいことを選べなくなるというのは、サンクコスト効果が働いています。

サンクコスト効果にしばられず、自分の本当にやりたいことを見つけて挑戦することによって、焦りや不安は軽減されるでしょう。

>サンクコスト効果に関する記事はこちら

ロールモデルとなる人を見つける

ロールモデルとなる人、つまりお手本となる人を見つけるのも、クォーターライフクライシスの解決に役立ちます。

ロールモデルとなる人を見つけられれば、自分の将来を具体的にイメージできるようになるためクォーターライフクライシスで感じる焦りや不安の解消につながるでしょう。

>ロールモデルに関する記事はこちら

社内コミュニケーションに「Chatwork」

クォーターライフクライシスとは、20代後半から30代半ば頃の人が自分の人生や生き方に漠然とした不安や焦りを感じる状態のことです。

生きていくなかで将来の不安を感じる場面は少なくありません。

焦りや不安を感じても、それをきっかけに自分を見つめ直し将来設計に役立てることが大切です。

企業によっては、社員のメンタルヘルス対策として、チャットツールに気軽に相談ができるルームを設けているところもあります。

社内の部活やサークル専用のルームをつくっている例もあります。

こうしたチャットツールの活用は、社内のコミュニケーションの活性化、ひいてはクォーターライフクライシスで感じる焦りや不安の軽減に役立つでしょう。

ビジネスチャット「Chatwork」では、複数のルームを簡単に作成できます。

また、カテゴリー機能を使えば優先度の高いチャットの確認をすばやくおこなえるほか、チャットの確認漏れを防止できるため、ルームが増えても効率よくコミュニケーションがとれます。

>Chatworkのカテゴリーに関する記事はこちら

社内のコミュニケーションツールとして、ぜひ「Chatwork」をご活用ください。

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Chatworkのお役立ちコラム編集部です。 ワークスタイルの変化にともなう、働き方の変化や組織のあり方をはじめ、ビジネスコミュニケーションの方法や業務効率化の手段について発信していきます。


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記事監修者:山崎ゆうき(やまざきゆうき)

臨床心理士・公認心理師の資格を所持。司法・障害福祉領域などでの勤務を経て、独立開業。メンタルヘルス系の記事を中心に、心理学の知識をいかした記事執筆・監修を担当。心理学の知識をわかりやすく、日常でも実践しやすい形で発信しています。

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