FAXを廃止できない理由とは?問題点や悪影響、解決方法を解説
目次
請求書の送信や商品の受注・発注など、日々の業務の中でFAXを使っている企業は多いことでしょう。
しかし、2021年4月、政府は、「脱ハンコ」に引き続き「FAX廃止」を段階的に進めていく方針を発表しました。
企業のデジタル化が急務とされる現代において、FAXの廃止については検討すべき事項のひとつです。
FAXを廃止できない理由や、FAXを廃止できない理由の問題点や企業に与える影響について解説していきます。
FAXを廃止できない理由
FAXを廃止できない理由には、どのようなものがあげられるでしょうか。
一例として、以下の理由があげられます。
- 大がかりな業務見直しが必要なため
- 顧客や取引先が利用しているため
- 電話やメールにないメリットがあるため
- IT機器がなくても利用できるため
企業がFAXを廃止できない理由について具体的に見ていきましょう。
大がかりな業務の見直しが必要
FAXを使った連絡が日常的におこなわれている企業においては、FAXを廃止するためには大がかりな業務の見直しが必要になります。
例えば、FAXに代わる代替策の導入や新たなシステムの検討、社員への教育など、それなりの費用と時間を要します。
一方、FAXは原稿をセットし、番号を入力して送信するだけなので、ITに詳しくない人でも簡単に操作することができます。
FAXの操作の手軽さもFAXを廃止できない理由になっているでしょう。
顧客や取引先がFAXを利用している
FAXを廃止できない理由として、顧客や取引先がFAXを利用しているというのも非常に大きいでしょう。
顧客や取引先とFAXを使ったやりとりが成立している場合、自社にオンラインシステムなどを導入したとしても、引き続き顧客や取引先がFAXを希望していれば、それを無視して自社のみがFAXを廃止することはできません。
取引先との兼ね合いなどから、FAXを使うことが当たり前となってしまっているとも考えられます。
電話やメールにはないメリットがある
FAXは紙面でのやりとりであるため、電話に比べて、多くの情報を正確に伝えることができます。
紙が相手に届くので、相手に気づいてもらいやすく、メールに比べると開封率が高いというメリットがあります。
このような電話やメールにはないメリットのために、FAX廃止に踏み切れない企業も多いでしょう。
IT機器がなくても利用できる
建設業や飲食業など、常にPCやプリンターなどのIT機器が手元にあるわけではない業界では、いちいちPCやプリンターを起動させることなく簡単に送信できるFAXは重宝されています。
通達や注意などを壁に貼って共有するやり方が浸透している場合は、印刷する手間のないFAXは便利です。
FAXを廃止しないことによる問題
FAXを廃止できない理由は、主にFAX廃止に関する業務の見直しが大変といったことや、FAXのメリットに由来するものです。
しかし、FAXを廃止できない理由として挙げられているものに問題点はないのでしょうか。
FAXを廃止できない理由のうち、問題視すべき考え方について解説していきます。
手軽さや慣れの観点で利用している
FAXは操作が簡単で、慣れてしまえば誰でも手軽に送信することができます。
その一方、誤送信が発生する可能性があり、情報漏えいなどのセキュリティ上のリスクがありますし、FAXの送受信のたびに席を立って業務を中断しないといけない手間もかかります。
探してみれば、FAXよりも手間やコストがかからず、セキュリティ強度も高く、自社に合ったデジタルツールが存在するかもしれません。
手軽さや慣れの観点だけでFAXを使い続け、ほかのツールを検討しない姿勢は問題です。
また、業務効率化のチャンスを逃しており、変化を嫌っているだけの状態といえるでしょう。
IT知識やIT化を必要ないと考えている
FAXは、ITに詳しくない人でも簡単に使うことができるという点はメリットです。
しかし、デジタル化が急速に進む現代においては、社員のITリテラシーの向上は必要不可欠であり、デジタル時代の企業の生き残りにとって喫緊の課題です。
もし、FAXを廃止できない理由が、「必要なやりとりはFAXで十分できているため、デジタル化は必要ないから」と考えているのであれば、社会のデジタル化の流れに背く問題となる考え方です。
そのような考えでは、企業のデジタル化が進まず、将来的にデジタル化した社会から取り残される可能性があります。
>ITリテラシーが低いことのリスクとは?に関する記事はこちら
新たな設備投資をする気がない
FAX廃止のためには、代替策や新たなシステムの導入が必要であり、その分のコストがかかります。
一方で、FAXを使い続けることで発生するコストも当然存在します。
例えば、用紙やインクなどの消耗品代、FAX機のメンテナンス代などがあり、また、それらの消耗品を保管する場所も必要となります。
ときには、FAX機の買い替えも必要になるかもしれません。
代替策や新たなシステム導入にはコストがかかるという理由でFAXの廃止を検討せず、FAXを使い続けている姿勢は問題であり、場合によっては、FAXを使い続けることで、かえってコストがかかっている可能性もあります。
FAXを廃止しないことによる悪影響
政府が推進する「働き方改革」のひとつとして「ペーパーレス化」が挙げられており、今後、世の中全体としてFAX廃止の方向に向かっていくことは間違いないでしょう。
そのような中でFAXを使い続けることは、少なからず企業に悪影響を与えます。
- ペーパーレスが実現できない
- デジタル社会に取り残されてしまう
- 多様な働き方を採用できない
FAXを廃止できない理由として挙げられているものが企業に与える将来的な影響やデメリットについて見ていきましょう。
政府が推進する「FAX廃止」を実現できない
政府は「脱ハンコ」や「FAX廃止」など社会全体のペーパーレス化を推進しており、中央省庁でもその取り組みが始まっています。
これを受けて、FAX廃止をおこなう企業も増えてきており、世の中全体として「FAX廃止」の方向に向かっています。
政府がFAX廃止を推進している以上、今後の公的な手続きにおいて、FAXの使用ができなくなる可能性は十分にあり、FAXによる手続きに依存している場合、公的な手続きに支障が出る可能性があります。
デジタル社会に取り残される
デジタル化が急速に進む今、企業のデジタル化やDX(デジタルトランスフォーメーション)が強く要求されています。
デジタル化が進まない企業は、今後、デジタル社会の敗者となり、企業競争に勝ち残れないとも言われています。
FAX廃止を検討せず、FAXの使用を続ける企業はデジタル化の波に乗り遅れてしまいますし、デジタル化の推進が遅れれば遅れるほど、デジタル化にかかる時間やコストは増していくでしょう。
テレワークなどの多様な働き方に対応できない
FAXを使い続ける場合、テレワークなどの多様な働き方に対応できないという点も問題です。
FAXは物理的に紙が届くため、FAXの送信や受信確認のためにはどうしても出社する必要があり、テレワークやリモートワークの促進を阻んでしまいます。
多様な働き方の実現が推進され、時間や場所を選ばずに働けるようになってきている今、FAXのみに頼った連絡手段はなじみにくいでしょう。
FAXの代替案や廃止に向けた取り組み
FAX廃止に向けて具体的にどのような取り組みをおこなえばよいのでしょうか。
今回は、FAX廃止に向けた取り組みの一例を紹介します。
- FAXの代替策を検討する
- 顧客や取引先に代替策を提案する
- 段階的にペーパーレス化をおこなう
自社に合った方法でFAX廃止を目指し、ビジネスコミュニケーションの最適化を目指していきましょう。
FAXの代替策を検討する
FAXを廃止するためには、FAXに代わる代替策が必要です。
FAXに代わる代替策として、以下のものが挙げられます。
- ビジネスチャット
- データ共有サービス
- インターネットFAX
ビジネスチャットは、PCやスマートフォンで気軽に連絡をできる方法であり、画像やデータを送信したり、ビデオ通話ができるものもあるので、今までFAXで送っていたものをデータとして送信するという使い方ができます。
データ共有サービスは、インターネット上でファイルの共有がおこなえるので、FAXの代替策として使えます。
インターネットFAXは、電話回線ではなく、インターネット回線を通じてFAXの送受信をおこなうもので、FAX機が必要ありません。
いずれの手段も用紙やインクが必要ないので、ペーパーレス化につながりますし、印刷が必要なものだけ印刷すればよいので、データや書類の管理が容易になります。
顧客や取引先に代替策を提案する
顧客や取引先とのやりとりにFAXを使っている場合、顧客や取引先への説明は欠かせません。
ただFAXを廃止にするのではなく、ビジネスチャットをもちいた連絡に変更するなど、代替策を提案し、顧客や取引先の了承を得ることが必要です。
FAXの代替策を導入することで、顧客や取引先とのやりとりがスピーディーになり、結果的に業務効率化につながる可能性もあります。
段階的にペーパーレス化をおこなう
いきなりFAXを廃止するのが難しい場合は、段階的なペーパーレス化から取り組むのがおすすめです。
まずは、社内の書類のやりとりのみをビジネスチャットなどでおこない、ペーパーレス化に取り組んでみるというのもいいでしょう。
社員が書類のデータ化やデジタルツールの使用に慣れてきたら、顧客や取引先に代替策を提案し、徐々にFAX廃止に向けて動き出せます。
ビジネスコミュニケーションの手段を見直しましょう
政府が「ペーパーレス化」を推進し、「脱ハンコ」や「FAX廃止」の流れが社会全体に広がっており、FAX廃止については検討すべき事項です。
まずは、本当にFAXを廃止できない状況なのか、廃止できない理由に問題はないのか検討する必要があります。
FAXを廃止できない理由として挙げられるものも、デジタル化の必要性や多様な働き方の実現の観点から考えると、問題が見えてくる場合があります。
いきなりFAXを廃止することが難しい場合は、段階的なペーパーレス化から始めてみましょう。
段階的なペーパーレス化の手段として、ビジネスチャットの「Chatwork」の導入が効果的です。
Chatworkでは、社内外との連絡をチャットをもちいて簡単におこなえるほか、ファイルの送受信の機能もあり、ペーパーレス化に役立ちます。
FAX廃止の第一歩として、Chatworkの導入をご検討ください。
Chatwork(チャットワーク)は多くの企業に導入いただいているビジネスチャットです。あらゆる業種・職種で働く方のコミュニケーション円滑化・業務の効率化をご支援しています。