社内ニートの特徴とは?仕事がない原因や今後の将来性について解説
目次
社内ニートとは、職場にいながらも、仕事がないため、社内でニート化している社員を指す言葉です。
社内ニートの多くが、簡単な雑用以外は暇つぶしをして業務時間を過ごします。
そのため、社内ニート本人がキャリアや将来性に不安を抱いたり、組織が改善に悩んだりするケースが少なくありません。
状況を改善するためには、社内ニートの特徴や原因を知る必要があります。
社内ニートの特徴や原因、今後の将来性について見ていきましょう。
社内ニートとは
社内ニートとは、職場で仕事がなく、社内でニート状態になっている社員のことを指します。
仕事がある場合でも、そのほとんどがスキルや能力の必要ない簡単な雑務など、短時間で終わってしまうものばかりのため、就業時間の大半を暇つぶしで過ごすことになります。
社内ニートになる理由は、社員に原因がある場合と、上司や企業にある場合などさまざまです。
また、社内ニートが発生する原因がはっきりしないケースも多いため、社内ニートの扱いに悩みながら改善できない企業や、今後のキャリアや将来性に悩みながら、現状を脱却できない社員は少なくありません。
改善や脱却の一歩として、まずは特徴や原因を知る必要があります。
社内ニートの社員の特徴とは
社内ニートと化している社員は、仕事を任せてもらえないなどの特徴があります。
それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
特徴(1):仕事を任せてもらえていない
社内ニートのいちばんわかりやすい特徴は、仕事を任せてもらえず、仕事をしていない状態になってしまっていることです。
仕事を任せてもらえない原因は、企業側と社員側にある場合など状況によって異なります。
原因については、「上司が原因で社内ニートを生む理由」の章で解説します。
特徴(2):就業時間内を暇つぶしで過ごしている
業務時間内に担当する仕事がなく、暇つぶしで過ごしているのも特徴のひとつです。
社内ニートの社員のなかには、社内ニートである状況を開き直って、漫画を読んだりゲームをしたりして、遊んで過ごす社員もいるようです。
業務時間を遊んで過ごすことは、キャリア形成や将来性を考えると本人のためにはなりません。
また、社内ニートの社員の勤務態度に対して、まじめに仕事をしている社員が不満を抱くことも考えられます。
場合によっては、まじめに働いている社員のモチベーションが低下し、組織全体の生産性を下げる恐れもあります。
特徴(3):トイレや休憩の頻度が高い
仕事がないため、頻繁に休憩のために席を外したり、何度もトイレに行ったりする社員もいます。
また、仕事がないことを誤魔化すために、本当は用事がないのにわざと席を外す場合もあるようです。
特徴(4):雑用・雑務しかしていない
雑用や雑務しかしていない社員も、社内ニートに該当します。
たとえば、ゴミ捨てやトイレ清掃などの雑務や、資料のコピーや短時間で終わる資料作りなどの雑務などしかしていない場合です。
雑用や雑務しかしていない理由は、社内に仕事がない場合もありますが、社員にスキルが足らず、仕事を任せられないなどの理由もあります。
特徴(5):入社して間もない
入社してから日が浅い社員が、何をすればよいのかわからず仕事をしていないというケースもあります。
この場合は本格的に社内ニートになっているわけではないため、上司が仕事を割り振るなどすることで改善が可能です。
本格的に社内ニートになる前に防止するようにしましょう。
社内ニートになる原因とは
社内ニートになる原因を解説していきます。
原因(1):仕事のミスが多い
ミスは誰もがするものですが、多すぎる状況や、改善しようとする姿勢がない状態が続くと、ほかの社員と円滑に仕事ができなくなります。
また、ミスが続くと、仕事を任せにくくなります。
原因(2):誠実さが欠けている
誠実さは、信頼関係などにも関係することから、仕事をするうえで重要な要素です。
そのため、誠実さが欠けている社員は、「仕事を任せよう」「一緒に仕事をしたい」と思ってもらえなくなります。
不誠実な社員の例としては、以下のような特徴があげられます。
- ミスを他人のせいにする
- 責任を他者に押し付ける
- 納期などの期限を守らない
- 成果を独占する
原因(3):仕事を覚える気がない
何度指導しても仕事を覚えなかったり、やる気が感じられなかったりする場合、指導する側は意欲がなくなってしまう可能性が高いでしょう。
仕事を覚えられない社員のなかには、要領や覚える早さに困難を抱える人もいるかもしれません。
本人が諦めず、メモをとったり、復習したりするなど、カバーしようとする姿勢があれば改善の見込みがあり、指導する側も親身になってくれるでしょう。
しかし原因が明確になっても本人にやる気がない場合は、改善の見込みは低いです。
原因(4):仕事を任せられるスキルが不足している
仕事を任せてもらえていない場合、原因はスキル不足にあるかもしれません。
上司の立場で考えると、仕事はスキルがある社員に任せたいと思うものでしょう。
この場合、スキルを補うことで、仕事を任せてもらえるようになる可能性があります。
原因(5):受け身でいる
仕事がない場合でも、自分で探したり上司に指示をあおいだり、積極性があれば仕事を割り振ってもらえるようになるでしょう。
しかし、ただ待つだけで、自分からは動かないなどの受け身の姿勢でいると、社内ニートになってしまう可能性があります。
この場合、言動や行動を受動的から能動的に変えることで、状況を変えられるでしょう。
上司が原因で社内ニートを生む理由
社内ニートが生まれる原因は、上司や組織にある場合もあります。
原因(1):人員過多になっている
仕事量に対して、社員が多すぎる状況は、社内ニートを生む原因になります。
人員過多な状況では、仕事を担当しない社員が出てしまうため、適切な人員数にする必要があります。
原因(2):指導・教育環境が整っていない
指導や教育が適切におこなわれていない場合、社内ニートを生んでしまう可能性があります。
指導・教育環境が整っていない状況は、以下のようなケースです。
- 人員不足で指導する人材が確保できない
- 指導できるスキルや能力をもつ人材が社内にいない
原因(3):部署の人員数に偏りがある
部署の仕事量と、人員のバランスがとれていない場合も、社内ニートを生む原因になります。
たとえば、Aの部署は業務量が多いにも関わらず人員不足で、Bの部署は業務量が少ないにも関わらず人員過多な状態など、業務量と人員のバランスが適切ではないケースです。
この場合、人員配置の偏りをなくすことで改善できるでしょう。
原因(4):信頼関係が築けていない
円滑に仕事をおこなううえで、信頼関係は欠かせません。
そのため、信頼関係が築けていない場合、不信感から仕事を任せられないと感じることもあります。
この場合、情報共有やコミュニケーションの機会を増やすなどで、改善がはかれるでしょう。
原因(5):上司が指導・育成しない
上司に指導・育成するスキルがあるのに、故意に教えていない場合もあります。
上司に、仕事や組織への誠実さ(インテグリティ)が欠如しているケースでは、原因は上司自身にあります。
この場合、誠実さを身につけさせるなど、上司への教育が必要になります。
社内ニートが抱える辛さの理由
社内ニートをしている人は、やりがいの欠如や孤独を感じるなど、辛さを抱えていることがあります。
辛さの理由(1):仕事にやりがいを感じられない
仕事にやりがいを感じられなく、虚無感に苛まれることがあります。
仕事をしていると、自身の成長や仕事への達成感を味わう場面がありますが、社内ニートには成長や達成感を味わう場面がないため、仕事のやりがいを失ってしまう場合があります。
辛さの理由(2):暇を持て余してしまう
業務時間内におこなう仕事量が少なく、残った時間を暇つぶしで過ごすことが多い社内ニートは、暇つぶしの時間が多すぎて暇を持て余してしまうことがあるようです。
この状態は、組織の利益面だけではなく、本人の精神衛生面でもよくありません。
辛さの理由(3):組織内で孤独を感じる
社内ニートは、組織内で孤立してしまうことが少なくありません。
仕事をしていれば、業務を通して、立場や部署に関わらず人間関係を構築する機会があります。
しかし、社内ニートの場合はそういった機会がないため、相談できる相手がいなかったり、聞きたいことを聞く相手がわからなかったり、組織内で孤立してしまい、孤独を感じやすいようです。
辛さの理由(4):将来への不安
仕事をしない状況が続くと、スキルアップができず、経験を積む機会もありません。
つまり成長ができないため、将来性やキャリアに不安を抱く人もいます。
また、社内ニートは、人員削減などの機会に優先的に声がかかる可能性が高いため、雇用の継続や退職後のことを考えて不安になる人もいます。
社内ニートの今後の将来性
社内ニートを改善しない場合、スキル向上やキャリアアップが見込めないなど、考えられる将来性は主に4つあります。
将来性(1):スキルやキャリアアップが見込めない
仕事をしない場合、スキルが身につかず、キャリアも積めません。
そのため、キャリアプランを変えたいと思っても、身動きがとれない状況になっているため、転職活動をおこなう際にも不利になってしまう可能性があります。
将来性(2):昇給の可能性が低い
昇給の額は、勤続年数などでも判断されますが、スキルや経験も重要な判断材料になります。
そのため、判断材料が乏しい社内ニートは、昇給が見込めない可能性が高いです。
将来性(3):人員削減の候補になる可能性がある
社内ニートは、組織が経営難になった際など、人員削減でリストラをおこなうときに候補に上がる可能性が高いです。
終身雇用が危ぶまれる現代では、社内ニートは非常に危うい立場だといえます。
今後のキャリアを再構築する方法
社内ニートが今後のキャリアを再構築するためには、原因の明確化などが必要になります。
社内ニートがキャリアを再構築する方法について詳しく見ていきましょう。
方法(1):原因を明確にする
まずは、社内ニートになった原因を明確にしましょう。
原因が自身にある場合は改善し、現在の企業で経験を積むなど、キャリアの再構築をはかります。
一方で原因が組織にある場合は、組織に働きかけたり、部署の異動を検討するといいでしょう。
方法(2):キャリアプランを立てる
自分のキャリアプランを立てましょう。
今後どのようになりたいのか目標を決め、目標に対して必要な資格や経験を明確にしましょう。
目標を明確にすることで、身につけるべきスキルや経験も明確にすることができます。
方法(3):スキルや経験を積む
スキルアップや経験を積める場所は、職場だけではありません。
- 独学で勉強する
- セミナーやスクールを活用する
- 副業をする
スキルや経験が身につけば、転職など選択肢も広がるでしょう。
社内ニートを脱出する時間の有効活用法
時間を有効活用する方法について詳しく見ていきましょう。
方法(1):資格取得の勉強をする
資格取得の勉強には、比較的時間を要するため、時間を有効に使うことをおすすめします。
現在の職場で活かせる資格や、スキルアップの手段として、仕事をしていない時間を勉強時間として活用し、資格取得を目指すのもひとつの方法です。
方法(2):オンラインセミナーを受講する
近年では、オンラインで講義を受けられるオンラインセミナー(WEBセミナー)の数が増えています。
PCとインターネット環境が整っていれば、会場に足を運ぶ必要がないため、就業中の受講が可能です。
なお社内で役立つ講義は、企業から補助金が出る場合もあるため、興味がある分野や、今後に活かせそうな分野の講義を受講してみましょう。
社内ニートを生み出さないためには
社内ニートは、入社と同時に社内ニートだったわけではなく、何らかの原因によって社内ニートになっていきます。
つまり、社内ニートがいる環境には、社内ニートを生みだす原因があるはずです。
あらかじめ、社内ニートを生み出さない方法を考えておくことで、発生を防ぐことができるでしょう。
- 指導環境を整える
- 教育制度をつくる
- 人材の育成をおこなう
- 適切な人材マネジメントをおこなう
- インテグリティのある社員・組織を目指す
- コミュニケーションを充実させる
有効な予防策は、組織によって異なるため、自社に最適な予防策を見極めましょう。
社内ニートの特徴や原因を知って改善に活かそう
組織内に社内ニートがいる状況は、本人と組織に悪影響を及ぼします。
状況を変えるためには、まず特徴と原因を知ることが改善の一歩になります。
教育環境を整備したり、コミュニケーションを充実させたりするなど、必要な対処方法を実践していくことで改善につなげることができます。
社内ニートを生み出している原因が、コミュニケーション不足にある場合、チャットツールの活用で改善が期待できます。
ビジネスチャット「Chatwork」は、チャット形式で気軽にメッセージのやりとりができ、コミュニケーションの活性化に役立つツールです。
また、リアクション機能を活用すれば、顔文字で感情を伝えることも可能なため、文字のみのやりとりよりも相手を身近に感じられるでしょう。
コミュニケーションを充実させるツールとして、また社内ニートを生み出す予防策として、「Chatwork」の活用をご検討ください。
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