EQ(心の知能指数)とは?高い人の特徴や高める方法とわかりやすく解説

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EQ(心の知能指数)とは?高い人の特徴や高める方法とわかりやすく解説

目次

EQは、「感情をコントロールし利用する能力」のことで、心の知能指数ともいわれます。

対人コミュニケーションに効果的な能力とされており、早期離職やハラスメントの防止、リーダーシップの育成などに効果的です。

EQの概要やIQとの違い、ビジネスに必要な理由や、EQを高める方法について解説します。

EQとは

EQとは、「感情をコントロールし利用する能力」のことを指す用語で、「心の知能指数」ともいわれます。

EQは、「Emotional Intelligence Quotient」の略称であり、1990年にアメリカの心理学者ダニエル・ゴールマンによって提唱された概念です。

EQが高い人は、良好な人間関係を築くスキルが優れており、社会的に活躍しやすいといわれています。

ビジネスを円滑に進めるために、EQが高い人の特徴や、高める方法についてみていきましょう。

EQは心の知能指数?

EQは、「感情を推察する能力」であるという背景から、「心の知能指数」と呼ばれています。

EQとは、自分の感情をコントロールし活用する能力と、人の感情を推察する能力のため、EQが高い人は、無闇な対立や衝突をうむことなく、良好な人間関係を構築することが得意とされています。

IQとの違い

IQとは「知能の高さ」を表す指標のことで、IQが高い人は、一般的に情報処理能力や記憶力、理解力などに優れているとされています。

IQの高さは、先天的な要素が強いですが、EQは心の発達度を指すものであるため、後天的に実践や経験の中で鍛えられる能力です。

IQとEQは、能力の内容や構成要素が異なるため、混同しないように注意しましょう。

EQがビジネスに必要な理由

EQは、自分の感情のコントロールや、人の感情を推察することができる能力ですが、なぜビジネスに必要なのでしょうか。

EQがもたらすメリットや、ビジネスに必要な理由についてみていきましょう。

早期離職やハラスメント防止のため

EQは、早期離職やハラスメントの防止に効果を発揮します。

EQが高い人は、従業員の心の変化をくみとったり、どんな悩みを抱えているかを推察したりできるようになるため、離職を考えている部下や、ハラスメントに困っている人に、迅速な対応をすることができます。

そのため、人事系の業務を担当するメンバーや、チームをまとめるリーダーやマネージャー、管理職などは、EQを高める必要があるでしょう。

また、リーダーやマネージャーがEQを高めることができれば、部下のパフォーマンスの最大化もサポートできるようになります。

EQを高めることができれば、適切な心のケアや部下の気持ちに寄り添ったマネジメントが可能になり、良好な職場環境づくりが実現できるでしょう。

>離職率の改善方法に関する記事はこちら

組織の自律性を高めるため

組織やチームに、「人の感情を推察し、自分の感情をコントロールできる」EQが高い人がいると、組織内の自律性を高めることができるでしょう。

EQの高い人がいると、従業員が悩みや相談を打ち明けやすい環境になるため、心理的安全性が確保できるようになります。

心理的安全性が高い職場では、コミュニケーションや情報共有が活発になるため、主体的な業務提案や効率化のための行動などを、自発的におこなう従業員を増やすことができるでしょう。

とくに、組織やチームを管理する立場の人が、高いEQをもっていると、円滑な組織運営が実現しやすくなります。

>職場の心理的安全性を高めるメリットに関する記事はこちら

 

リーダーシップの育成のため

リーダーシップには、経営能力のみでなく、部下のモチベーションをあげたり、心のケアをしたりするなどの「EQ面での能力の高さ」が必要です。

EQが高い人は、人の気持ちを推測したり、自分の感情をコントロールすることができるため、部下の相談や悩みを、共感性をもって傾聴できたり、組織内の人間関係を良好に保つことができるでしょう。

そのため企業は、従業員の士気の維持や、心理的安全性の高い部署運営を目指すために、EQが高いリーダーを育成することが大切です。

>リーダーシップとは?に関する記事はこちら

EQ(心の知能指数)を構成する4つの要素

EQ(心の知能指数)は、以下の4つの要素から成り立つ能力です。

  • 感情の識別(Identify)
  • 感情の利用(Use)
  • 感情の理解(Understand)
  • 感情の調整(Manage)

それぞれの要素の内容を知ることで、EQを高めやすくなるでしょう。

EQを構成する4つの構成要素についてみていきましょう。

感情の識別(Identify)

「感情の識別」とは、自分が今どのような感情になっているかについて、心境の変化などを感じとることです。

自分の感情状態を客観的にみつめ、識別できるようになることで、他者の感情も読みとれるようになります。

EQを高めるためには、まず、自分がいま「悲しいのか」「嬉しいのか」などの、感情を識別できるようになることが必要です。

感情の利用(Use)

「感情の利用」とは、起こった出来事に対して、自分の本能的な感情でなく、その場に適切な感情をだせるようにコントロ―ルすることです。

たとえば以下のような状態は感情の利用にあたります。

  • 大事なプレゼンの場で、緊張からくる「恐れ」でなく、「楽しみ」の感情を生みだす
  • 失敗をしたことに対して「落ち込む」のでなく、同じ過ちを繰り返すことがなくなったと「ポジティブ」にうけとめる

自分の感情を識別できるようになったら、その感情をコントロールし、適切な感情を生みだせるようになることが、次のステップになります。

>物事の捉え方を変える「リフレーミング」に関する記事はこちら

感情の理解(Understand)

「感情の理解」とは、自分や相手の心情が、なにによって引き起こされているのかの原因を推察することです。

たとえば以下のような状態を、感情の理解といいます。

  • 退職を考えている社員の心情を、仕事のプレッシャーによる精神疲労と推察する
  • 過去に起こした業務の失敗がトラウマで、業務に対して自信を喪失しているのではないかと推察する

「感情の理解」は、EQを構成する4要素のなかで、最も経験を要する能力です。

なにが原因で、このような心情になっているかを推察できると、適切な対応をとることができるようになるため、重要な能力といえるでしょう。

感情の調整(Manage)

「感情の調整」とは、感情を「識別・理解」したうえで、適切な感情を「利用」し、行動を決める能力のことです。

自分の感情を、場に適応するように調整していく能力のことで、対人コミュニケーションなどで効果を発揮する能力です

「識別・理解・利用」のほかの3つの構成要素を満たしたうえで、とりくめると、より効果的におこなえるでしょう。

>セルフマネジメントに関する記事はこちら

EQ(心の知能指数)が高い人の特徴

EQのメリットや、構成要素を確認してきましたが、EQが高い人には、共通する特徴があるのでしょうか。

EQが高い人に共通する特徴を知ることで、自分に不足している点や、備わっている点に気づけ、EQを高めやすくなるでしょう。

今回は、EQが高い人の特徴として、以下の6つを例にあげて紹介します。

  • 共感性が高い
  • 柔軟性が高い
  • 傾聴力がある
  • ストレス耐性が高い
  • ポジティブ思考
  • 自分の強みと弱みを把握している

それぞれの特徴について、詳しくみていきましょう。

共感性が高い

EQが高い人は、相手の考えや価値観を推察し、寄り添った適切な対応をとろうとするため、共感性が高いのが特徴です。

共感性が高いと、相手の心境や情動を素早く察知したうえで、相手の気持ちにあわせた対応をするため、他者から信頼を得やすいというメリットがあります。

柔軟性が高い

EQが高い人は、人間関係や場の空気を察知し、状況に応じた行動をとることができるため、柔軟性が高いといえるでしょう。

客観的・俯瞰的に物事をとらえ、人の気持ちの揺れや、パフォーマンスの変動などを敏感に感じとれるため、違和感をもったら、すぐに行動に移すことができます。

人の感情以外にも、場の空気やチームの温度感も察知することができるため、ビジネスの場においても、臨機応変に立ち回ることができる人が多いでしょう。

傾聴力がある

タイミングのよい所で相槌をうつ、話をしやすいような空気をつくるなど、人の話を引き出す傾聴力が高い人が多いでしょう。

傾聴することで、話し相手は、自分の気持ちや悩みを素直に話してくれやすくなるため、深い相互理解や、解決への誘導が実現できるでしょう。

傾聴力は、トレーニングすることで強化できる能力です。

チームリーダーやマネージャーなど、部下の自己開示を促したいレイヤーは、積極的にトレーニングをおこない、信頼関係を構築できるようにしましょう。

ストレス耐性が高い

EQが高い人は、ストレス耐性が高いという特徴もあります。

EQが高いと、自分の心境や心の変化を、客観的にとらえ、コントロールすることができるため、理不尽にストレスを与えられ、負の感情を抱いたとしても、適切に処理することができます。

また、ストレス耐性が高いと、困難や挫折に屈することなく、目標に向かって努力できるため、物事に成功する確率が高くなるでしょう。

まずは、自分の負の感情が、なにが原因で起こっているのかを推察する能力が必要です。

無理にストレスを忘れる・我慢せずに、原因を突き止め、自分にあった対処方法を探していけるようになりましょう。

>ストレス対策の方法に関する記事はこちら

ポジティブ思考

EQが高い人は、トラブルが起こったとしても、周囲の人や物事のせいにせず、ありのままにうけとめ、解決方法を探すことができます。

起こってしまった事象を、ネガティブにとらえてしまうと、責任転嫁や信頼関係の崩壊など、行動自体もネガティブになってしまいます。

トラブルや失敗も、客観的にとらえられることで、感情的になることや、ネガティブになることが少なくなるため、解決に向けて、行動をおこしやすくなるでしょう。

感情的に物事をとらえて、落胆するのではなく、「なぜ起こってしまったのか」「なにが原因なのか」を冷静に考えられるように、自分の気持ちをコントロールしていきましょう。

自分の強みと弱みを把握している

EQが高い人は、他人のみならず、自分自身を客観的に分析する能力にもたけているため、自分の強みと弱みを理解しています。

自分の強みや弱みを理解できていると、苦手分野は適切に人に頼ることができたり、得意分野を活かして行動することができたりなど、特性にあった適切な行動をとることができます。

EQ(心の知能指数)を高める方法

ここまで、EQの構成要素や、EQが高い人の特徴をみてきましたが、実際にEQを高めるためには、どうすればいいのでしょうか。

EQ(心の知能指数)を高める方法についてみていきましょう。

傾聴力を高める

心理的安全性が高い職場環境づくりや、素直な気持ちや悩みを引き出すために、「傾聴力」を高めましょう。

たとえば、「話の途中に割ってはいらない」「話につまっているときは続きをうながすような適切な声掛けをする」「話しやすいような相槌をうつ」など、相手の気持ちや呼吸にあわせて対話することが大切です。

傾聴力を高めることができれば、EQが高まるだけではなく、部下や同僚からの信頼度の向上や、所属するチームや部署のエンゲージメントを向上させることもできるでしょう。

傾聴力はトレーニングすることで、スキルアップすることができる能力です。

積極的にとりくむようにしましょう。

>傾聴力のトレーニング方法に関する記事はこちら

研修をおこなう

EQは、数字や言語のように目視できる概念ではないため、体系的に学ぶことが難しく、独学にはあまり適していません。

そのため、研修をおこない、EQが高い人や専門家から、知識をインプットして、実践する方法が効果的です。

実践を重ねることで、徐々に推察やコントロールができるようになり、EQが身についていくでしょう。

負の感情と向きあう

自分の負の感情と向きあうことも、EQを高める方法のひとつです。

「怒り」「悲しみ」などの、目を背けたくなるような負の感情と向きあうことで、「どのようなときにその感情が生まれるのか」を客観的に理解できるようになります。

特定の感情を引き起こす原因を知ることができると、適切に対処する方法を考えることができるため、徐々にコントロールが可能になるでしょう。

まずは、負の感情を言語化してみましょう。

解消が難しい場合でも、原因を知ることができれば回避することも可能になります。

適切に自分の感情と向きあい、コントロールしていきましょう。

>物事の捉え方を変えるリフレーミングに関する記事はこちら

「ノー」と言ってみる

相手からの要求や、本当はやりたくないことに対して、勇気をもって「ノー」と意思表示をしてみましょう。

どのような要求にも「イエス」と答えてしまうと、自分の感情を見失ってしまいます。

素直な意思表示をして、相手との気持ちと、自分の感情を擦りあわせていくことで、対等な関係を構築しましょう。

また、「ノー」と答えた自分の気持ちや、「ノー」と答えられた相手の気持ちを推察し、どのような対応が適切か考えることも、EQを高めることにつながります。

相手の良いところを探す

普段接している人の「良いところ」を探す努力をしてみることも、EQ向上させる方法のひとつです。

相手の長所を探すことによって、その人のポジティブな特性やパーソナリティーが明らかになり、気持ちや感情を推察しやすくなるでしょう。

また、特性を知ることで、相手の優れた点やポジティブな点を伸ばすような接し方もできるようになります。

EQを身につけて業務円滑化をはかりましょう

EQは、感情をコントロールし、利用する能力のことで、円滑なコミュニケーションに効果的な能力です。

チーム全体でモチベーションを向上し、コミュニケーションを活性化させるために、ぜひ身につけたい能力といえるでしょう。

とくに、リーダーやマネージャーなどのマネジメント層が、EQを身につけることで、悩みや相談をしやすい環境が作れるとともに、コミュニケーションの活性化が実現できるため、業務の円滑化が期待できるでしょう。

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