タイパ(タイムパフォーマンス)とは?Z世代の使い方やビジネスでの活用事例を紹介
目次
「タイパが良い」「タイパが高い」など、「タイムパフォーマンス(通称:タイパ)」がビジネスシーンにおいても注目を集めています。
タイパはZ世代を中心に広がった言葉ですが、なぜここまで注目されるようになったのでしょうか。
本記事では、タイパの意味やメリット・デメリット、注目を集める背景や、タイパを高める方法などを解説します。
タイパ(タイムパフォーマンス)とは
「タイパ」とは「タイムパフォーマンス」の略語で、「時間対効果」を意味し、物事に費やす時間とそれにより得られるものや満足度を対比させた度合いを表す言葉です。
短い時間でも高い効果が得られている状態を、「タイムパフォーマンスが高い」といい、限られた時間のなかで、より多くの情報を効率よく手にしたいZ世代を中心に注目を集めている概念です。
2010年代後半から広く認識されるようになった「タイパ」は、とくに時間対効果を意識するビジネスパーソンや学生、主婦などの間で注目されるようになりました。
その後、2022年の12月には「新語・流行語大賞」の大賞にも選ばれました。
効率的な時間管理や生産性向上に関する書籍、セミナー、ビジネス系メディアなどで取り上げられ始めた状況も普及したきっかけのひとつと考えられます。
コスパ(コストパフォーマンス)との違い
「タイパ(タイムパフォーマンス)」と対比的に使われる言葉に、「コスパ(コストパフォーマンス)」があります。
コスパは、物事に金額を費やし、それにより得られるものや満足度を対比させた度合いを指す言葉で、「費用対効果」と呼ばれる場合もあります。
タイパと同様に、少ない金額で高い成果を得られている状態を「コストパフォーマンスが高い」といいます。
タイパ(タイムパフォーマンス)が注目される背景
「タイパ(タイムパフォーマンス)」は、「コスパ(コストパフォーマンス)」から派生した和製英語ですが、最近ではさまざまな場面で使われるようになっています。
タイパが、注目を集める背景をみていきましょう。
デジタル技術やIT技術の進化
タイパが注目される背景には、「デジタル技術の進化」が挙げられます。
デジタル技術の発展が目覚ましい昨今では、コンテンツがほぼ無制限に提供され、身の回りには常に情報が溢れています。
また、スマートフォンやPCなどのデジタル機器の発展により、さまざまな情報を、効率的に収集できるようになりました。
それにより、「時間をうまく使って、効率的に情報を得たい」と思う人が増え、情報処理のスピードを高めて余剰時間をつくり出すことをメリットと考える人も出てきたといえます。
デジタル技術の進化によりもたらされた、意識の変革は、タイパが重視されるようになった要因といえるでしょう。
Z世代を始めとしたデジタルネイティブの行動変容
タイパが注目される背景には、「時間を無駄にしたくない」という意識も影響していると考えられます。
とくに、「デジタルネイティブ」と呼ばれるZ世代は、自分で主体的に時間を選択できない状況への不快感を抱きやすい傾向にあります。
Z世代などの若者を中心に「自分が価値を感じる物事に、なるべく多くの時間を使いたい」という価値観をもつ人が増えている背景から、消費行動や働き方にもタイパが重要視されるようになりました。
環境・働き方・価値観の変化
デジタル技術やITが発達し、時間に対する考え方や価値観が変化していることも、タイパが注目を集める要因のひとつと考えられます。
仕事においても「残業する=頑張っている」と考えられる評価制度は古い考えとなり、短い時間で効率的に成果を出し、プライベートも重要視する働き方が注目されるようになりました。
終身雇用の崩壊や、リモートワークなどの新しい働き方、副業やパラレルキャリアなどのキャリアの選択肢の多様化など、働き方にもこの価値観は影響しています。
タイパ(タイムパフォーマンス)に取り組むメリット
タイパ向上に取り組むメリットとして、以下の3つが挙げられます。
- 業務効率化・生産性向上
- 多様な働き方によるワークライフバランスの向上
- Z世代を中心とした若手への訴求
それぞれについて、詳しく解説します。
業務効率化・生産性向上
タイパへの取り組みにより、業務効率化が実現するとともに生産性も向上します。
時間を意識することで、タスクやプロジェクトの優先順位を明確にして、短時間の打ちに最大限の効果を得られるように意識した行動を取るようになるためです。
最大限の効果を得られるように意識した行動とは、たとえば、定型化している作業の自動化や、必要性の見直しが挙げられます。
これまで慣習的に対応していた作業の振り返りにより、無駄な作業はないか洗い出せるでしょう。
これまでより短い時間で同等以上の成果が得られるようになれば、自然と業務効率・生産性が向上します。
作業全体におけるプロセスの見直しによって、企業の成果を最大化して、リソースの最適化につながるでしょう。
多様な働き方によるワークライフバランスの向上
タイパへの取り組みは、ワークライフバランスの向上にもつながります。
タイパを高めることによって業務効率化と生産性の向上が実現すれば、仕事量は変わらなくても、時間に余白を生むことができるようになります。
新たに生まれた時間を、資格取得のための勉強や趣味、また、プライベートの時間にあてることができれば、ワークライフバランスの向上が期待できるでしょう。
近年では、フレックス勤務やリモートワークの導入により、仕事と生活の調和が取りやすくなりました。
これにタイパを意識した行動が加われば、さらにワークライフバランスが実現しやすくなります。
従業員のワークライフバランスが向上すれば、従業員の満足度アップにもつながり、仕事へのモチベーションも高くなることが期待できます。
企業全体としての士気も高まる、大きなメリットとなるでしょう。
Z世代を中心とした若手への訴求
タイパへの取り組みは、Z世代を中心とした若手への訴求にもなります。
そもそも「タイパ(タイムパフォーマンス)」はZ世代を中心に広がっていった言葉です。
Z世代にとってタイムパフォーマンスを意識した行動はもはや常識になりつつあります。
効率的でスマートな働き方を重視し、時間を有効に使うことに重きを置いているZ世代にとって、タイパを意識していない製品・サービスやコンテンツは、使いにくいものです。
さらに、そもそも手に取ってもらえない可能性もあります。
マーケティングのために導入しているツールも、古くて使いにくければZ世代からは敬遠されてしまうでしょう。
タイパを意識する企業は、最新のテクノロジーや業務改善策を積極的に導入し、働きやすい環境を提供する取り組みが必須になりつつあります。
これにより若手社員の関心を引き、優秀な人材の獲得や定着を促進しましょう。
ちなみに、Z世代は仕事を通じてどのように成長できるかを重視している傾向があります。
忙しさのあまり、自分のプライベートを犠牲にしたり、趣味や勉強などで必要な勉強時間を確保できなかったりする企業では、Z世代の離職率が高くなる可能性があります。
Z世代に支持されるためには、企業としてタイパを勘案している点を見せる姿勢も大切です。
タイパ(タイムパフォーマンス)に取り組むデメリット
タイパへの取り組みは、メリットが多い一方でデメリットもあります。
タイパへの取り組みで想定されるデメリットを2つ紹介します。
- 過程が疎かになり再現性がなくなる
- 目的が曖昧になる
詳しく確認していきましょう。
過程が疎かになり再現性がなくなる
タイパに取り組む際は、過程が疎かにならないように注意する必要があります。
タイパを意識しすぎてしまうと、短時間で結果を出すことばかりを重視してしまい、結果に至る過程が疎かになってしまうケースがあります。
その結果、どのようなプロセスで結果を出したのかが曖昧になり、再現性がなくなってしまう場合があるため注意しましょう。
たとえば、タイパ向上のためにマーケティングに関する動画を視聴したとします。
結果までの解説部分を倍速もしくはスキップして結果にたどり着くと、結果は分かったものの、それまでの導き方への理解は不十分のままになってしまい、実際の業務で活用したり、応用的に実践することが難しくなってしまうでしょう。
「急がば回れ」ということわざがあるように、結果だけでなく物事全体を把握するためには、ときには時間をかけて取り組む姿勢も大切です。
目的が曖昧になる
タイパのもうひとつのデメリットは、目的が曖昧になる点です。
そもそもタイパは「短い時間でも高い効果が得られている状態」を指しています。
そのため、単に時間の削減だけに意識が向いて、ミスが多くなってしまっている状態は、コスパが高い状態とはいえないでしょう。
また、時間効率ばかりを意識するあまり、無理なスケジュールをたててしまい、負荷が高まるのも、タイパを意識しすぎると陥りやすい注意点のひとつです。
たとえば、本来1か月かけて取り組む業務を半月で実施しようとすると、1日に対応しなくてはいけない業務量が増え、1日あたりの業務時間が増えてしまったり、クオリティが下がってしまったりなどの懸念が予想されます。
すべての業務でタイパを意識する必要はありません。
熟考したほうがより高い成果を得られるケースもあるため、業務の目的をはっきりさせておくことが大切です。
タイパ(タイムパフォーマンス)を高める方法
タイパを高めると、少ない時間でより多くの成果を生み出せるため、仕事に限らず、タイパの向上は求められています。
では、どのような取り組みで、タイパを向上できるのでしょうか。
タイパを高める方法を3つ紹介します。
- 完璧を求めすぎない
- 優先度を決める
- 適切な報連相をおこなう
自分に合った方法で、ぜひタイパ向上を目指してみてください。
完璧を求めすぎない
タイパを高めるためには、完璧を求めすぎない姿勢が大切です。
イタリアの経済学者ビルフレッド・パレートが提唱した「パレートの法則」は、全体の80%の結果が20%の原因から生じるという経験則で、ビジネスや経済学だけでなく、時間管理や効率化の分野でも広く応用されています。
パレートの法則に当てはめると、全体の20%を占める重要な活動が、最終成果の80%を生みだすため、最も効果的な時間の使い方は、20%の重要な活動に集中するべきといえるでしょう。
一方で、残りの80%の活動は成果の20%しか生み出さないといえるため、これらの活動を削減または効率化すれば、時間をより有効に活用できます。
時間対効果よく成果を出すためには、最初から完璧を目指すのではなく、なすべきことにフォーカスし、タイパを意識しましょう。
優先度を決める
タイパを高めるためには、業務や作業内容に優先度を決める必要があります。
業務のなかには、大きく分けて「やるべきこと」「やったほうが良いこと」「やらなくても良いこと」の3つが混在しています。
それぞれの取り組みで得られる成果の大きさを考えながら、上記3つのいずれかに振り分けて優先度を決めていきましょう。
3つの優先度が決まったら、各作業内容に具体的な優先順位をつけて業務に取り組むことで、時間を無駄にせずに、成果をあげられるでしょう。
適切な報連相をおこなう
適切な報連相(報告・連絡・相談)の実施も、タイパを高めるためには重要です。
細かすぎると思うような事柄でも、まめに報連相しておくことで、トラブルやタイムラグなどの無駄な時間の発生回避につながります。
報連相の実施自体に時間がかかってしまうと、せっかくタイパを高めようとしても、マイナスに働いてしまうため、報連相をおこなう際は、ビジネスチャットや社内SNSなどのコミュニケーションツールを有効に活用し、手間をかけずにスピーディなやりとりを実現しましょう。
たとえば、「お疲れ様です」などの定型的な挨拶や過剰な敬語などを省略すれば、効率性を重視したタイパの高いコミュニケーションが実現できます。
>ビジネスチャットのメリット・デメリットに関する記事はこちら
業務効率化にはビジネスチャット「Chatwork」
今後、ますますタイパの向上を目指した働き方が求められると考えられます。
より高いタイムパフォーマンスで業務をこなすためにも、業務内容の見直しやコミュニケーション方法の最適化をはかる取り組みが大切です。
本記事で紹介したタイパを高める方法のうち、とくに優先度を決めたり、報連相をおこなう際には、業務効率化やコミュニケーションの円滑化に効果のある、ビジネスチャットの導入がおすすめです。
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チャット機能のほかにも、ビデオ通話機能やタスク管理機能、ファイル管理機能など、ビジネスのさまざまなシーンで効率化に役立つ機能が搭載されています。
1対1のコミュニケーションはもちろん、複数人のメンバーとも同時に連携ができるため、コミュニケーションコストが軽減されて、タイパの向上にも効果的に働きます。
また、タスク管理機能で、やるべきことの期限を設けてToDoリスト化しておくと、優先度を決めるときに役立ちます。
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