昇進と昇格の違いとは?基準や要件を挨拶やお祝いの文例付きで解説

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昇進と昇格の違いとは?基準や要件を挨拶やお祝いの文例付きで解説

目次

ビジネスシーンで耳にする機会も多い「昇進」「昇格」という言葉ですが、意味の違いを知らない方も多いのではないでしょうか。

それぞれ役職が上がるタイミングで使われる言葉ですが、異なる意味をもつため、使用する際は注意が必要です。

「昇進」「昇格」の違いや、それぞれの基準と要件について確認していきましょう。

また、昇進・昇格しやすい人の特徴や、組織において公正な昇進・昇格をおこなうためのポイントについても解説します。

「昇進」と「昇格」の違いとは

「昇進」と「昇格」は、地位や役職が上がる際に使われる言葉ですが、それぞれ異なる意味をもつ言葉です。

正しく使い分けるためにも、まずは言葉の意味を確認していきましょう。

昇進とは

「昇進」とは、役職が上がることを示す言葉です。

地位が上がり、肩書が変わる場合などに適切な言葉で、役職が上がった際はすべて「昇進した」と言い表すことができます。

昇進の例は、以下のとおりです。

  • 課長から部長へ昇進する
  • 係長から課長へ昇進する

昇格とは

「昇格」とは、等級を意味する「格」が上がることを示す言葉です。

等級とは、従業員を、能力や職務、役割によって区分したもののことです。

等級自体は、地位や役職と直接結びつくものではありませんが、業務を遂行する際の権限や責任、処遇の根拠になることがあります。

  • 係長1級から2級へ昇格する
  • 課長3級から4級へ昇格する

昇進・昇格と類語との違い

ビジネスシーンで使う言葉には、「昇進」「昇格」以外にも混同しやすい言葉が多く存在します。

混同しやすい類語と、それぞれの言葉の違いについて、表にまとめて紹介します。

「昇任」は、今よりも上の官位に就くことを示す言葉で、公務員などの公的な仕事で使われる言葉です。

そのため、基本的には一般企業では使用されることがない言葉です。

意味
昇進 役職・職位・地位が上がること 課長から部長に昇進する
昇格 等級が上がること 等級が上がること
昇給 給与が上がること 年収600万から650万に昇給する
昇任 現職よりも上位の職に就くこと 警部補から警部に昇任する

昇進・昇格の基準・決め方

昇進・昇格の基準や決め方は、所属する組織により大きく異なります。

今回は、昇進・昇格を決める際のステップの一例を紹介します。

  • ステップ(1):対象者のリストアップ・選定
  • ステップ(2):試験や面接の実施
  • ステップ(3):昇進・昇格者の決定

それぞれのステップの内容を確認していきましょう。

ステップ(1):対象者をリストアップし、選定する

まずは、昇進や昇格の対象となる従業員のリストアップをおこないます。

リストアップの方法は、推薦や人事評価の高さ、勤続年数など、さまざまな方法があります。

ステップ(2):試験や面接を実施する

昇進・昇格者を決定するために、対象の従業員に対して、試験や面接を実施します。

試験内容や面接の内容は、企業や組織によって異なります。

ステップ(3):昇進・昇格者を決定する

試験・面接を通過した人の中から、昇進・昇格者を決定します。

役職に変更がある場合は、辞令により社内で公表されることが一般的です。

昇進・昇格の要件

昇進・昇格は、会社が定めた評価基準や要件に沿って判断されるもので、共通する基準や要件はありません。

そのため、企業やポストの空き状況によって、昇進や昇格が決定されることもあります。

では昇進や昇格の要件には、一般的にどのようなものがあるのでしょうか。

昇進や昇格の要件になりやすいものを、8つ紹介します。

  • 勤続年数
  • 目標管理制度
  • 人事考査
  • 社内試験
  • 上司の推薦
  • 行動力
  • コミュニケーション能力
  • 問題解決能力

それぞれの項目を詳しく確認していきましょう。

勤続年数

勤続年数が昇進・昇格の要件になることがあります。

「入社○年以上」「○等級に滞留1年以上」など、年功序列型の企業に多く見られる要件です。

社員の会社在籍時間を長くするモチベーションになる反面、成果に応じて昇進・昇格ができないことへの不満につながるケースもあります。

目標管理制度

社員ひとりひとりに目標を設定し、その目標を達成することを要件とすることがあります。

能力主義で、成果を昇進や昇格の判断材料とする企業に多く見られます。

自立した人材育成につながりますが、低い目標設定をする誘因にもなりうるでしょう。

上司としっかりとすり合わせをして、適切な目標設定をする必要があります。

人事考課

従業員の態度や業績に対して、一定期間評価をする「人事考課」を要件とすることがあります。

人事考課は、「能力考課」「態度考課」「成績考課」の3つの指標でおこなわれます。

上司などにより評価されますが、「なぜこのような評価になったのか分からない」と感じてしまわないように適切なフィードバックをすることが重要です。

また、一期だけの評価ではなく複数の期で安定的に評価をすることで、たまたま起きたアクシデントによる評価を排除することができます。

>フィードバックに関する記事はこちら

社内試験

要件に社内試験が実施されることがあります。

小論文や適性検査、面接などさまざまですが、その社員の視野や客観性を見抜くテーマが主となりやすいです。

「業務に適した性格であるか」「円滑に業務を進められるか」「キャリアに対する考えが定まっているか」などを把握するために実施される試験が多い傾向にあります。

上司の推薦

上司からの推薦が要件に関わるケースもあります。

業務の成果や取り組む姿勢を近くで見てきた上司の推薦は、説得力があり社内決定の判断材料になりやすいです。

面接では上司が推薦状を書いた内容について質問されることもあるため、事前に部下に開示する方が良いでしょう。

評価の可視化により、社員のモチベーションも高まります。

昇進・昇格しやすい人の特徴

昇進・昇格するタイミングや時期は人それぞれ異なりますが、中には早いタイミングで昇進・昇格をする人もいます。

昇進・昇格しやすい人の特徴として、以下があげられます。

  • 主体的に行動できる
  • コミュニケーション能力が高い
  • 強い責任感がある

それぞれの詳細を解説します。

主体的に行動できる

自分で考えて主体的に行動できる人は、昇進・昇格しやすい傾向にあります。

回ってきた仕事にしか対応しない、言われてから作業を進めるなど、受け身の姿勢で仕事をする人には仕事が回って来にくいです。

主体的に行動できる人にはたくさんの仕事が行き、上司の目につきやすいでしょう。

多くの仕事をこなすことでスキルアップでき、他の社員との差がつけられるので、昇進・昇格がしやすくなります。

コミュニケーション能力が高い

昇進・昇格しやすい人は、コミュニケーション能力が高い傾向にあります。

コミュニケーション能力が高いと周りとも良好な関係が築け、昇進・昇格に欠かせない周囲の協力や信頼を得やすくなります。

昇進・昇格をすると、上司や部下、その他あらゆる関係者と接点をもつことが不可欠になるため、スムーズなコミュニケーション能力があることが求められます。

全員で団結し、目標に向かい突き進む組織を牽引するためにも、コミュニケーションがとれる人材でなければ昇進・昇格するのは難しいでしょう。

>コミュニケーション能力に関する記事はこちら

強い責任感がある

責任感が強い人も、昇進・昇格しやすい傾向にあります。

プロジェクトや業務を任された際に積極的に責任をもって行動できる姿勢は、周囲からの信頼も得やすいです。

スケジュール管理や、柔軟な対応力、問題解決力など、責任感をもって目標の達成に突き進める人は昇進・昇格しやすい人の特徴といえます。

>責任感に関する記事はこちら

問題解決能力が高い

問題解決能力の高さも、昇進・昇格のしやすさに大きく関わります。

役職が上がれば上がるほど、問題の解決を任されたり、迅速に原因を解決したりする力が求められます。

冷静に状況を見て、適切な解決手段を考えることができる問題解決能力の高い人こそ、昇進・昇格しやすい傾向にあります。

>課題解決能力に関する記事はこちら

昇進挨拶のポイントと文例

昇進をした際には、職場内で挨拶の場がもうけられることがあります。

昇進の挨拶をする時のポイントや文例をご紹介します。

昇進の挨拶のポイント

昇進の挨拶には、「役職の拝命に対する感謝の想い」「ビジョンや目標」「メンバーに対するお願い」の要素を盛り込むことがポイントです。

まずは、昇進を受けて、周囲の理解のもとに昇進の機会が得られたことに対する感謝の気持ちを伝えましょう。

そして自身が昇進し、どんな展望を持ち、チームとしてどのような目標に向かいたいのかを伝えます。

個人的な目標でも良いでしょう。

最後に、今後はますますチームメンバーからの協力が必要になるため、チームメンバーに対して協力を仰ぐ言葉を添えます。

協力を仰ぐことで円滑に昇進後の職務をスタートさせられるでしょう。

昇進の挨拶文例

昇進の挨拶に使える文例をご紹介します。

自分の想いを盛り込み、チームメンバーに伝わりやすい挨拶文を考えましょう。

本日付けにて(役職名)を拝命しました(自分の氏名)です。

この度の人事につきまして、大変光栄に思います。(上司名)をはじめ、皆さま方からの日頃のご支援のおかげでございます。心から感謝の意を申し上げます。

まだまだ若輩者で前任の(前任者名)さんには、及ばない部分もあるかと思いますが、努力を重ね精進していく所存です。一日でも早く、この役にふさわしい存在となれるよう邁進してまいります。

若輩者のため、皆さまにはご迷惑をおかけすることもあるかと思います。大変恐縮ながら、皆さまのお力添えを頂戴し、(部署名)の発展のために尽力していきたいと思います。

これからも、ご指導ご鞭撻を賜りますよう、今後ともよろしくお願い申し上げます。

昇進した人へのお祝いの言葉・文例

身近な人が昇進した際には、お祝いの言葉を送りましょう。お祝いの言葉として使える例文をご紹介します。

○○様

お疲れ様です。営業△△課の(自分の氏名)です。

この度は、(役職名)にご昇進されるとのこと、誠におめでとうございます。
今後はより一層お忙しくなるかと思いますが、さらなるご活躍とご栄進をお祈り申し上げます。

私とも変わらぬお付き合いをいただき、これからもご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

公正な昇進・昇格のポイント

昇進・昇格をおこなう際には、公正性を担保することに注意を払う必要があります。

従業員から納得をしてもらえる、公正な昇進・昇格をおこなう際のポイントは以下のとおりです。

  • 役職や等級の適正化
  • 明確な基準の策定・公開
  • 評価者の教育
  • コミュニケーションの活性化

それぞれを詳しくご紹介します。

役職や等級の適正化

役職や等級は経営戦略と連動したものでなければならず、組織の状況に合わせてポストや等級の増減を検討する必要があります。

役職や等級の数によっては、意思決定までに時間を要すことや、責任の所在があいまいになることがあるので、定期的に整理をして適正化させることがポイントです。

>役職に関する記事はこちら

明確な基準の策定・公開

昇進・昇格の明確な基準を策定・公開しましょう。

この基準は、「どのような試験や人事考課が昇格に必要な要件になるのか」「役職・等級で任される仕事の基準は何なのか」に分けられます。

きちんと公開し透明性を高めることで、従業員から納得を得ることにつながります。

>評価制度に関する記事はこちら

評価者の教育

昇進・昇格を評価する評価者を教育することもポイントになります。

評価者には昇進・昇格の目的や要件を正しく理解してもらい、主観や関係性が影響しないように注意を払う必要があります。

評価者は少数に絞り、すり合わせ会議をもとに複数人で評価を進める方法をとります。

コミュニケーションの活性化

公正な昇進・昇格を判断するためには、コミュニケーションを活性化させることもポイントになります。

評価する上司は昇進・昇格の評価をするだけでなく、日頃からどのような行動や成果を上げる必要があるのか目標設定をサポートする必要があります。

毎日のコミュニケーションを通して、定期的にフィードバックをすることで、従業員のモチベーションの維持につながります。

円滑な業務遂行に「Chatwork」

昇進・昇格をするためには、自分ひとりの力ではなく周囲の理解や信頼が必要になります。

評価者も公正な判断をするために、コミュニケーションをより活性化することが求められてくるでしょう。

多くの社員とコミュニケーションをとるために活用できるツールに、ビジネスチャットツールの「Chatwork」があります。

個々人と密なコミュニケーションをとることで、社員のモチベーションの維持を向上させられます。

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