コロナ禍のビジネスメールのポイントとは?文例付きで書き方を解説
目次
予測できない事態が起こるコロナ禍で、円滑にコミュニケーションをとるためには、安心感を与える情報の提示や相手への気遣いが欠かせません。
昨今のコロナ禍において、ビジネスメールのあいさつ文などで、新型コロナウイルス感染症に触れる機会が増えた方も多いのではないでしょうか。
今回は、コロナ禍におけるビジネスメールのポイントを、文例を交えて解説していきます。
コロナ禍のビジネスメールのポイント
昨今の新型コロナウイルス感染症の拡大は、ビジネスシーンにおいても、スケジュールの変更や対面営業の自粛など、大きな影響をもたらしました。
予測できない事態が連続するコロナ禍で、コミュニケーションをスムーズに進めるためには、相手への気遣いや正確な情報の提示が必要不可欠です。
このコロナ禍において、円滑なコミュニケーションが実現できれば、取引先や関係各所との今後の関係性にも好影響をもたらすことができるでしょう。
コロナ禍におけるビジネスメールのポイントを、3つ紹介します。
ポイント(1):コロナ禍ならではのあいさつ文を作成する
メールをうけとった相手が、件名の次に目にするのは、冒頭の「あいさつ文」です。
コロナ禍においては、相手に寄り添った、思いやりが感じられるメッセージを添えてあいさつ文を作成するとよいでしょう。
また、自社の感染などで取引先に影響がでている場合は、相手へのお詫びを一文盛り込むようにしましょう。
具体的なあいさつ文の例については後述します。
ポイント(2):コロナ禍の影響を伝える
自社がコロナ禍の影響をうけている場合は、どのような影響をうけているかを簡潔にまとめて、伝えるようにしましょう。
新型コロナウイルス感染症の影響例としては、以下のようなものがあげられます。
- 原材料や資材の入荷遅れによる納期遅れ
- 展示会の中止
- 担当者の不在
また、感染状況などの情報を詳細に伝えすぎると、相手の不安を煽ってしまう恐れがあるため、伝える情報は、ビジネスコミュニケーションを円滑に進めるための情報に留めるようにしましょう。
ポイント(3):自社の対応方法を伝える
コロナ禍で、従来の対応方法から変更が生じる場合は、すみやかに情報を共有するようにしましょう。
変更の可能性がある対応の例としては、以下のようなものが考えられるでしょう。
- 対面営業の自粛によるオンラインの活用
- 原材料の高騰による価格改定
- 濃厚接触者認定による担当者の変更
たとえば、担当者が自宅待機となった場合の代理の担当者をあらかじめ決め、紹介しておくと、滞りなく対応できるでしょう。
コロナ禍では、予測のできない事態が連続して起こります。
さまざまな観点からリスク対応をしておくことで、取引先や顧客からの信頼を失うことなく、業務を遂行できるでしょう。
コロナ禍のビジネスメールの基本構成
コロナ禍におけるビジネスメールのポイントをおさえた上で、メールの作り方について確認していきましょう。
コロナ禍におけるビジネスメールの基本構成は、通常のビジネスメールと大きく変わりません。
- 件名
- 宛名
- 冒頭のあいさつ
- 自己紹介
- 本文
- 結びのあいさつ
- 署名
ただし、冒頭や結びのあいさつに、相手の気持ちに寄り添った、気遣いの言葉を添える点が、通常のビジネスメールと異なります。
どのような言葉が適切なのかを確認していきましょう。
コロナ禍で使える文頭のあいさつ文
まずは、コロナ禍で使える冒頭のあいさつ文をみていきましょう。
- 新型コロナウイルス感染症により、貴社に影響がおよんでいるのではないかと大変心配しておりました。
- コロナ禍の影響により大変な状況ではございますが、皆様はお変わりなくお過ごしでしょうか。
- 早春の候、貴社におかれましても未曾有の災禍のなかでご苦労も多いかと拝察いたします。
- いまだ新型コロナウイルス感染症の影響が懸念されますが、貴社におかれましても、一致団結して難局に立ち向かわれていることと存じます。
- 少しずつ賑やかさや活気が戻りつつあり、貴社におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
冒頭のあいさつ文では、コロナ禍の影響については簡潔に触れる程度にとどめておくようにしましょう。
取引先との関係性にあわせた、適切なあいさつ文を使用するとよいでしょう。
コロナ禍で使える文末のあいさつ文
続いて、コロナ禍で使えるビジネスメールの文末のあいさつ文をみていきましょう。
- 先の見通しが立たない状況ではありますが、貴社の皆さまのご健康と益々のご発展を心よりお祈りいたします。
- 困難な状況が続くなか、なにかお手伝いができることがあれば、お気軽にご相談ください。
- 今後も最大限のサポートをご提供できるよう、弊社一同で取り組んでまいりますので、ご遠慮なくお申し付けください。
- ○○様におかれましても、ご健康に留意され、くれぐれもご自愛ください。
文末の表現としては、「ご自愛ください」の一文を添えることが多いですが、「ご自愛ください」は、「体調を崩さないようにご自身のお身体を大事にお過ごしください」という意味が込められている言葉です。
そのため、すでに体調を崩している相手には、使用できないため注意しましょう。
コロナ禍のメールの文例:担当者レベルで影響をうけている場合
ここからは、シチュエーション別でメールの文例をみていきましょう。
まずは、コロナ禍で発生しやすい「担当者の変更対応」や「打ち合わせの日程変更」を例にあげて、メール文例を紹介します。
ぜひ参考にしてくみてください。
別の担当者が対応する場合の文例
自社の担当者が、新型コロナウイルス感染症に感染し、自宅待機となってしまう状況もあるでしょう。
このような際に、別の担当者が対応することを取引先に伝える際は、以下の文例を参考にしてください。
件名:担当者変更のお知らせ
株式会社○○ △△様
お世話になっております。株式会社××の●●と申します。
この度、担当者変更の件でご連絡いたしました。
弊社担当者の▲▲が、新型コロナウイルス感染症に感染し、×月×日まで自宅療養する予定です。
つきましては、▲▲の療養期間中は、わたくし●●が代理として、貴社を担当させていただきます。
急なご連絡となり、申し訳ございません。
ご不便をおかけいたしますが、何卒よろしくお願いいたします。
一時的に担当者が変更する場合は、担当者の状況を共有し、連絡窓口がわかるように代理の担当者があいさつするようにしましょう。
訪問や来社を断る場合の文例
社内の方針変更により、対面からオンラインへ、打ち合わせの方法を切り替えるケースもあるでしょう。
訪問や来社をキャンセルする際の文例は、以下のとおりです。
件名:弊社ご来社に関する対応変更のお願い
株式会社○○ △△様
いつも大変お世話になっております。
株式会社××の●●です。
弊社へのご来社に関するお願いがあり、ご連絡いたしました。
弊社では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響をうけ、当面の間オンラインでの打ち合わせに変更をお願いしたく存じます。
大変恐れ入りますが、定例会につきましても、オンラインに変更をお願いできれば幸いです。
緊急の用件などでご来社の際には、最少人数でのご協力、マスクの着用、入館時の検温と手指の消毒にご協力いただきますようお願いいたします。
お手数をお掛けいたしますが、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
来社に関する変更点などをメールで事前に伝えておくことで、相手も混乱することなく、対応できるでしょう。
コロナ禍のメールの文例:事業所レベルで影響をうけている場合
次に、担当者の範囲にとどまらず、部署や事業者全体が影響をうけている場合のメールの文例を紹介します。
納期遅れのお詫びメールなどを作成する際にお役立てください。
納期遅れのお詫びメール文例
納期が遅れてしまう際のお詫びメールの文例は、以下のとおりです。
件名:資材の入荷遅れによる納期遅延のお詫び
株式会社○○ △△様
いつも大変お世話になっております。株式会社××の●●です。
先日ご発注いただきました弊社商品「▲▲」の納期の件で、ご連絡いたしました。
現在、新型コロナウイルス感染症の拡大にともない、海外輸送の混乱が発生しており、その影響で、資材の国内入荷に遅れが発生しております。
そのため、当初の予定日よりも納品日が遅れる可能性がございます。
納品日はわかり次第、改めてご連絡いたします。
この度、多大なご迷惑をおかけしてしまいましたことを深くお詫び申し上げます。
早急に対応し、商品をお届けできるよう取り組んでまいります。
今後とも、ご愛顧賜りますようお願い申し上げます。
納期遅れなど、相手の業務に影響がある点については、詳しく影響や内容を伝えるようにしましょう。
曖昧な情報では混乱をきたす可能性がありますが、詳細な影響や内容を伝えると、相手にも安心してもらえます。。
コロナ禍のメールの文例:取引先が影響をうけている場合
ここからは、自社ではなく取引先が、新型コロナウイルス感染症の影響をうけているときの、メールの文例を紹介します。
件名:お打ち合わせのオンライン変更のご依頼
株式会社○○ △△様
いつも大変お世話になっております。株式会社××の●●です。
いまだ新型コロナウイルス感染症の影響が懸念されますが、貴社におかれましても一致団結して難局に立ち向かわれていることと存じます。
×月×日にお約束しております貴社でのお打ち合わせですが、大変恐れ入りますがオンラインでのお打ち合わせに変更をお願いできればと存じます。
オンラインでの打ち合わせに際して、事前にURLをお知らせいたしますので、ご確認いただきますようお願いいたします。
この度は急な変更のご案内となってしまい、大変申し訳ございません。
お手数をお掛けいたしますが、よろしくお願いいたします。
コロナ禍においては、取引先への来社を控える対応も、心遣いのひとつです。
取引先に手間が掛からないように内容を簡潔にまとめて伝えるように意識して、取引先の状況を気遣う一文を添えたメール作成を意識しましょう。
コロナ禍のビジネスメールへの返信方法
コロナ禍においては、取引先から、新型コロナウイルス感染症に感染したと連絡をうけるケースも少なくないでしょう。
ここからは、新型コロナウイルス感染症に感染してしまったと連絡がきた場合の適切な返信方法について、文例を交えて解説します。
取引先の担当者への返信方法
取引先から新型コロナウイルスに感染したと連絡をうけた場合は、以下のメール文例を参考に返信をしてください。
相手に気を遣わせないように配慮した文面の作成が大切です。
株式会社○○ △△様
いつもお世話になっております。株式会社××の●●です。
大変な状況のなか、ご連絡いただきありがとうございます。
新型コロナウイルスに感染されたとのこと、心よりお見舞い申し上げます。
業務等の調整をさせていただきますので、ご安心ください。
△△様の一日も早いご回復をお祈りしております。
なにかお力になれることがありましたら、いつでもご相談いただければと存じます。
△△様の健康を最優先に考え、お過ごしください。
取引先の担当者の上司・同僚への返信方法
取引先の担当者が新型コロナウイルス感染症に感染した場合、担当者の上司や同僚から連絡がくるケースもあるでしょう。
この場合、相手は濃厚接触者となり、自宅待機や在宅勤務になっている可能性もあります。
相手の状況に寄り添った言葉を添えた返信文の作成を心がけましょう。
株式会社○○ △△様
いつもお世話になっております。株式会社××の●●です。
▲▲様の件につきまして、心からお見舞い申し上げます。
いち早い回復を、心よりお祈りいたします。
社内対応などで、△△様も大変なご心労かと存じます。
△△様におかれましてもご健康に留意され、くれぐれもご自愛ください。
働き方の変化と今後の見通し
新型コロナウイルスの影響により、2020年以降テレワークやリモートワークなどの新しい働き方が急速に浸透しました。
内閣府の調査によると、2019年から2022年の東京23区のテレワーク実施率は、17.8%(2019年12月)から、50.6%(2022年6月)と大幅に増加しています。[※]
一方で、オンラインによる働き方の増加で、これまで社内でおこなわれていた従業員同士の雑談などのコミュニケーションをとる機会は減少傾向にあります。
このようなコミュニケーションの機会が減ると、意思疎通や共通認識の形成に難しさを感じる場面もあるでしょう。
今後、ICTの活用やアフターコロナの影響で、さらに働き方が多様化していく可能性が高いため、コミュニケーションを活性化させるための工夫が、企業には求められています。
働き方の多様化にあわせて、ビジネスシーンのコミュニケーションの手段も、ツールを積極的に活用し、変化させていく対応が、企業を持続的に成長させていくうえでも重要です。
ビジネスコミュニケーションに「Chatwork」
新型コロナウイルス感染症の拡大が後押しし、働き方の多様化が進んでいます。
このような状況のなかで、円滑なコミュニケーションや業務遂行を実現するためには、従来のビジネスコミュニケーションの手段を見直し、変えていく必要があるでしょう。
ビジネスチャット「Chatwork」は、社内外問わずに、オンラインでコミュニケーションがとれるツールです。
チャット形式でやりとりができると、電話のように相手と時間をあわせる必要や、メールのように定型的な文章を記載する必要がなくなり、業務効率化をはかることもできます。
オンラインのコミュニケーションの場合は、顔をあわせない状態のため、相手がなにを考えているかわからず、不安を感じる場面もあるでしょう。
「Chatwork」なら、テキストでのやりとりにくわえて、リアクション機能を活用したコミュニケーションや、必要に応じて音声・ビデオ通話機能を活用できるので、相手の感情を簡単に把握したり、顔や表情をみながらコミュニケーションを図れます。
ぜひ、コミュニケーションの目的にあわせて、手段を使い分けて活用してみてください。
ビジネスチャット「Chatwork」は、無料で使用を開始できます。
まずは、チームや部署などの単位で、コミュニケーションの変化を実感してみてください。
Chatwork(チャットワーク)は多くの企業に導入いただいているビジネスチャットです。あらゆる業種・職種で働く方のコミュニケーション円滑化・業務の効率化をご支援しています。
[※]内閣府「第5回 新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」
https://www5.cao.go.jp/keizai2/wellbeing/covid/pdf/result5_covid.pdf