帰属意識とは?意味や低下する要因、高める方法をわかりやすく解説

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働き方改革
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帰属意識とは?意味や低下する要因、高める方法をわかりやすく解説

目次

組織のパフォーマンスを向上させる方法は、業務の効率化による生産性向上だけではありません。

たとえば、組織に所属しているメンバーがもつ意識を改善することも有効な手段です。

今回は、組織の業務効率化・生産性向上にも影響する「帰属意識」について、低下する要因や高める方法、高めるメリットをわかりやすく解説します。

従業員の帰属意識やモチベーションに課題をもつ企業の方は、ぜひご参照ください。

帰属意識とは

帰属意識とは、組織に所属しているメンバーがもつ「組織の一員である」「組織に所属する仲間である」という意識のことです。

帰属意識は、企業だけでなく、学校や自治体、また、そのなかの部署やチームに対しても使われる言葉です。

もともとは、社会心理学などの分野で使われていた用語ですが、近年は、「企業や組織に所属しているという意識や自覚」という意味で、ビジネスシーンで使われる機会も増えています。

従業員が帰属意識をもつことで、企業にはどのようなメリットがあるのか、また、低下することでどのようなデメリットが発生するのかを解説します。

帰属意識を高める方法も後述するので、ぜひご参照ください。

帰属意識と従業員エンゲージメントの違い

帰属意識と混同しやすい言葉に「エンゲージメント」という言葉があげられます。

なかでも、「従業員エンゲージメント」とは、従業員の企業に対する愛着や自発的に企業の成長に貢献したいと考える意欲のことです。

「帰属意識」が従業員から企業に対する一方的な所属意識や忠誠心を指すことに対し、「従業員エンゲージメント」は、企業と従業員のより双方向の意識を指しています。

似ている言葉ですが、ベクトルの向きに違いがあるため、使用する際は混同しないように注意しましょう。

従業員エンゲージメントを高める方法や高めるメリットについて、より詳しく知りたい方は、下記の記事をご参照ください。

>従業員エンゲージメントとは?に関する記事はこちら

帰属意識が低下することによる弊害・デメリット

帰属意識が低下すると、具体的にどのような弊害やデメリットが生じるのでしょうか。

  • 業務効率・生産性の低下
  • 従業員同士のコミュニケーションの減少
  • 離職率の増加

帰属意識が低下する弊害・デメリットを確認していきましょう。

業務効率・生産性の低下

帰属意識が低下すると、業務や社内で発生したトラブルなどに対する関心が薄くなり、業務効率が低下する恐れがあります。

帰属意識が下がり、従業員のモチベーションが低下すると、主体的に業務に向き合う従業員が減り、組織全体の生産性も低下してしまうでしょう。

従業員同士のコミュニケーションの減少

帰属意識が低下すると、業務だけでなく、社内の人に対する関心も低下し、従業員同士のコミュニケーション量も減ってしまいます。

必要最低限の報連相などもされなくなってしまうと、業務が滞り、他の従業員にも負荷がかかり、組織全体の生産性や士気の低下も招いてしまうでしょう。

離職率の増加

帰属意識が低い状態が続くと、所属している企業や組織における自分の必要性や、働く意味や価値が見出せなくなる従業員が増え、離職率が高まる恐れがあります。

また、モチベーションが低い従業員が組織内にいることで、周囲の従業員のモチベーションも下がり、組織全体のモチベーションが低下してしまう可能性もあるでしょう。

モチベーションが低下し、業務や発生したトラブルに主体的に取り組めない従業員が増えると、従業員同士で争いが発生する恐れもあり、組織全体の風通しが悪化することも考えられます。

>離職率が高い企業の特徴とは?に関する記事はこちら

帰属意識が低下する要因

帰属意識が低下すると、組織全体の生産性の低下や従業員の離職率が増加する恐れもあります。

では、なぜ帰属意識は低下してしまうのでしょうか。

帰属意識が低下する要因の例を3つ紹介します。

成果主義の拡大

近年、終身雇用制度は崩壊しつつあり、年功序列による雇用や評価方法を見直す企業が増えています。

その結果、企業への所属年数や年齢に関わらず、成果で評価する成果主義が浸透しはじめています。

旧来は、企業に長く所属していれば、それだけで評価が高まる傾向にありました。

しかし、成果主義が採用されると、所属期間が長くても、成果が残せない従業員は評価されなくなってしまいます。

結果として、評価されない従業員は、会社に所属をしていること自体に意味や価値を感じることができなくなり、帰属意識が低下してしまいます。

また、終身雇用制度が崩壊し、ひとつの企業にこだわる働き方が減ってきている現在、成果を出せる人は、キャリアアップを図り、転職するケースが増えています。

そのため、成果を出せる人は成果を出せる人で、特定の会社への帰属意識をもたない傾向があるのです。

>終身雇用とは?に関する記事はこちら

働き方の変化・多様化

働き方の変化や多様化も、帰属意識に変化をもたらす要因のひとつです。

新型コロナウイルス感染症の拡大も影響し、テレワークやリモートワークなどの働き方を導入する企業が増加傾向にあります。

また、仕事とプライベートの両方をバランスよく両立するワークライフバランスを重視する働き方もますます一般的になっています。

このように働き方や仕事に対する価値観が変化した結果、ひとりで業務をする時間や機会が増え、従業員同士が接点をもつ機会が減りました。

コミュニケーションの機会が減ったことで、同じ組織やチームに所属しているという意識が薄れ、帰属意識が低下しやすくなっています。

ビジョンや企業理念の浸透不足

企業のビジョンや企業理念が明確になっていない、不明瞭な状態だと、従業員は自分の業務に意味や価値を感じられなくなってしまい、帰属意識が薄れる可能性があります。

企業と従業員が同じ方向を向き、同じ目的で働くためには、ビジョンや企業理念の明確化、そして浸透が必要不可欠です。

従業員が企業に対して、信頼感を抱くためにも、企業として目指す方向や目的を明確にする必要があるでしょう。

>ミッション・ビジョン・バリューを浸透させる方法とは?に関する記事はこちら

帰属意識を高めるメリット

一方で、帰属意識を高めると、どのようなメリットや効果を期待できるのでしょうか。

帰属意識を高めるメリットを3つ紹介します。

  • 従業員のモチベーション向上につながる
  • 定着率の改善につながる
  • 採用・育成コストの削減につながる

3つのメリットを詳しくみていきましょう。

従業員のモチベーション向上につながる

帰属意識が高い職場では、従業員一人ひとりが自分の業務にやりがいや価値を感じることができ、モチベーションを高く維持することができます。

企業や組織に自分が必要とされているという認識がもてると、主体的に企業に貢献するようになり、組織全体の生産性向上も期待することができるでしょう。

帰属意識の高まりは、企業の持続的な成長や業績にも大きく影響を与える可能性があります。

定着率の改善につながる

帰属意識が高まると、自然と企業に長く勤めたいという意識が芽生え、定着率が改善します。

従業員がその企業で働くことそのものに価値を感じられるようになるためです。

定着率が改善すると、人材不足や人材採用のコスト増加にも悩まされることがなくなり、企業の持続的な成長を目指すこともできるでしょう。

採用・育成コストの削減につながる

帰属意識が高まり、定着率が改善すると、新たな人材を雇用したり、育成したりする必要がなくなるため、コスト削減にもつながります。

また、新しい人材を採用する際も、緊急性が低いと、人材をしっかりと見極めることができ、ミスマッチを減らすこともできるでしょう。

帰属意識を高める4つの方法

最後に、帰属意識を高める方法を4つ紹介します。

  • 方法(1):ワークライフバランスの整備
  • 方法(2):目標や役割の共有
  • 方法(3):インナーブランディングの強化
  • 方法(4):社内コミュニケーションの活性化

自社の風土や従業員のタイプにあわせて、適切な方法で帰属意識の向上を目指しましょう。

方法(1):ワークライフバランスの整備

リモートワークやテレワークなどの新しい働き方が浸透し、近年は仕事を一番に考える働き方よりも、仕事とプライベートのバランスがとれた職場で働きたいと考える人が増えています。

前述した通り、ひとりで働く時間が増えると、組織やチームに所属している意識が薄れてしまい、帰属意識が低下する可能性もありますが、働き方の変化に対応せず、仕事一番の価値観をもち続けていると、従業員は企業への信頼を失い、離れていく恐れもあります。

そのため、企業側は、離れた場所にいてもコミュニケーションがとれる機会を設けつつ、従業員がワークライフバランスを実現できる働き方を整備する必要があります。

社内報を作成したり、定期的に従業員同士が交流できるイベントを開催したりなど、従業員一人ひとりが組織に所属しているという意識を醸成できるように工夫しましょう。

>ワークライフバランス実現に企業ができる取り組みに関する記事はこちら

方法(2):目標や役割の共有

働く環境を整えることにくわえ、企業側が各従業員の役割や仕事の意義を明確に示し、それを従業員間で共有することも重要です。

これまでは、企業側が従業員に仕事の意味を説明せずとも、その組織に所属しているからという帰属意識だけで働いてもらうこともできました。

しかしこれからは、従業員と働く意味を共有し、双方向の関係性を築いていく必要があります。

方法(3):インナーブランディングの強化

インナーブランディングとは、社内に向けて実施するブランディングのことで、ビジョンや企業理念を啓蒙し、従業員と企業が同じ方向を目指せるようにする取り組みのことです。

企業が向かっている方向や大切にしている価値観を社内に浸透させることで、従業員の主体性や意欲が芽生え、帰属意識の向上を目指すことができるでしょう。

社内報や社内SNSを活用したり、定期的に経営陣の声を従業員に届けたりなど、様々な方法でインナーブランディングに取り組むことができます。

インナーブランディングについて、より詳しく知りたい方は、下記の記事をご参照ください。

>インナーブランディングとは?に関する記事はこちら

方法(4):社内コミュニケーションの活性化

目標や役割を明確化し、それらを浸透させるためには、社内コミュニケーションを活性化する必要があります。

従来、社内コミュニケーションを活性化する方法といえば、社内イベントやサークル活動がその代表でした。

しかし、前述したような新しい働き方を採用するうえでは、直接顔を合わせずとも、従業員間が接点をもてるようにしなければなりません。

1on1ミーティングや朝会などの仕事上でのコミュニケーションにくわえ、オンラインでの社内イベントや部署やチームなどの垣根を超えたランチ会などを導入し、社内コミュニケーションの活性化を目指しましょう。

離れた場所にいても、定期的にコミュニケーションをとることで、組織に所属している意識が芽生え、帰属意識を高めることができるでしょう。

>シャッフルランチとは?に関する記事はこちら

帰属意識の向上にも「Chatwork」を活用しよう

帰属意識とは、企業や組織に所属しているメンバーがもつ「組織の一員である」「組織に所属する仲間である」という意識のことです。

帰属意識を高めることで、企業は、生産性の向上や定着率の改善を期待することができるため、企業の持続的な成長を目指すうえで、非常に重要な要素となるでしょう。

働き方や仕事に対する価値観が変化しつつある昨今、離れた場所にいても帰属意識を低下させないためには、円滑なコミュニケーションや、従業員同士の気軽なコミュニケーションをオンライン上で実現する必要があります。

そこで、離れた場所にいても、円滑に気軽なコミュニケーションを実現できるビジネスチャットを導入する企業が増えています。

ビジネスチャット「Chatwork」は、チャットやビデオ/音声通話ができるコミュニケーションツールで、電話やメール、FAXなどの従来のビジネスコミュニケーションの手段と比べて、気軽にやり取りを実現することができます。

たとえば、絵文字でリアクションができる機能を活用すれば、テキストだけのやり取りよりも、温度感や感情を共有することができるでしょう。

ぜひ「Chatwork」を活用して、社内コミュニケーションの活性化、帰属意識の向上を目指してみてください。

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