デジタルシフトとは?具体例付きで、DXとの違いや成功のポイントを解説
目次
スマートフォンなどのIT機器の普及によって、消費行動はアナログからデジタルへと変化しています。
また、2020年以降は、新型コロナウイルス感染症対策やテレワークの増加もあり、非対面でのやりとりが好まれ、消費行動のデジタル化は勢いを増しています。
デジタル化が進む中で企業に求められているのが「デジタルシフト」です。
デジタルシフトとは何か、デジタルシフトの意味、デジタルシフトに取り組むべき企業の特徴、デジタルシフトに企業が取り組む際のプロセスやポイントについて解説していきます。
デジタルシフトとは
デジタルシフトとは、広義では、最新のデジタル技術やITを利用して、人々の生活をより便利にしていくことを指します。
ビジネスにおけるデジタルシフトでは、より狭義に解され、「企業と消費者が時間や場所にとらわれず、双方向にコミュニケーションを取れる環境をデジタル技術によって構築すること」を意味することが多いです。
従来は、消費者が実店舗に足を運ぶことで消費行動がおこなわれていたのに対し、スマートフォンの普及によって、時間や場所を選ばずに商品やサービスを購入することができるようになりました。
このような社会の動きに対して、企業がデジタル技術やITを利用して、消費者が自社の商品やサービスにアクセスできる機会を作っていくことをデジタルシフトと呼びます。
デジタルシフトの具体例
デジタルシフトの理解を深めるために、デジタルシフトの具体例をいくつか紹介します。
デジタルシフト前 | デジタルシフト後 | |
---|---|---|
チラシ | → | アプリ |
スーパー | → | ネットスーパー |
新聞広告 | → | Web広告 |
会場での研修 | → | ウェビナー |
電話 | → | チャット |
このほかにも、さまざまなデジタルシフトが、現代ではおこなわれています。
デジタルシフトとDXの違い
デジタルシフトと並んでよく聞く言葉に「DX(デジタルトランスフォーメーション)」があります。
DXとは、デジタル技術を活用して、人々の生活をよりよいものに変革することを意味する言葉です。
デジタルシフトとDXは、似た意味をもつ言葉で、同義で使用されることも多いですが、DXの方が、やや「変革」の意味合いが強い点に違いがあります。
デジタルシフト | デジタル技術の活用で、商品やサービスの利便性を追求する取り組み |
---|---|
DX | デジタル技術の活用で、ビジネスモデルを変革させる取り組み |
どちらの取り組みも、デジタル技術を活用して、人々の生活をよりよいものに変化させることを目指すという本質は同じです。
使い分ける際は、細かいニュアンスの違いで、ミスコミュニケーションが生まれないように注意しましょう。
>DX(デジタルトランスフォーメーション)に関する記事はこちら
デジタルシフトの必要性・メリット
企業がデジタルシフトを求められるのには、市場の変化やIT技術の進歩を背景とした理由があります。
企業がデジタルシフトを求められる理由について具体的に見ていきましょう。
市場やニーズの変化に対応するため
スマートフォンやPCの普及により、消費行動はアナログからデジタル上でおこなわれるものに大きく変わってきています。
また、新型コロナウイルス感染症対策やテレワークの増加で、さまざまなことがオンライン上でおこなわれるようになったことも消費行動のデジタル化に拍車をかけています。
このような消費行動のデジタル化に合わせて、企業活動もデジタル化し、消費者がデジタル上でアクセスしやすい環境を構築することが求められているのです。
IT技術の進歩を活用し企業価値を向上させるため
AIやIoT、VRなどの最新技術の実用化や、インターネット回線の高速化が進むなど、IT技術は日々進歩しており、人々の生活をより豊かなものにしてくれています。
そのようなIT技術の進歩を活用することで、企業は、新たなビジネスモデルやビジネスチャンスを生み出すことにつながります。
消費者の行動やニーズ、価値観が多様化する現代社会においては、消費者のニーズとIT技術をうまく結びつけられる企業や商品に価値を見出す傾向にあります。
また、ITに関する投資をおこなわず、デジタルシフトの取り組みが遅れれば遅れるほど、デジタルシフトに取り組む際のコストや労力が大きくなるといった悪影響もあります。
業務効率化を図るため
デジタルシフトが企業に求められる理由として、業務効率化を図るためという側面も挙げられます。
コンピューター上の定型業務をロボットにおこなわせるRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)やビジネスチャット、データ共有サービスなどのデジタルツールを導入し、アナログでおこなっていた業務をデジタル化することで業務効率化を図ることができます。
IT技術やデジタルツールで業務効率化を図れば、残業時間の削減、生産性の向上、コストの削減などのメリットが期待できます。
デジタルシフトに取り組むべき企業とは
社会のデジタル化が進む今、企業のデジタルシフトは必要不可欠なものになってきています。
デジタルシフトが必要だと考えられる企業の特徴について見ていきましょう。
アナログ体質である
デジタルシフトが必要な企業の特徴として、アナログ体質であることが挙げられます。
アナログ体質の企業では、日報や休暇申請、社内回覧が紙ベースだったり、会議や面談は対面のみといったことが見られ、デジタル化が進んでいない状況にあります。
アナログ体質の企業は、デジタルシフトの必要性が高い状態ですが、アナログでおこなうことが当たり前、これまでのやり方や企業独自のルールや価値観に縛られている傾向があり、効率が悪いやり方だと理解していても、デジタル化が進まないことがあります。
ITへの理解が足りない
アナログ体質の企業に通じる部分もありますが、そもそもIT化やデジタル化の必要性を感じていない場合もあります。
ITやデジタル化に対する理解や知識不足である企業は、ITやデジタル化のメリットを感じたり、得ようと考えません。
つまり、わざわざ現状を変えてまでデジタルシフトをしていこうという気持ちは起きにくいということです。
残業が多く業務効率が悪い
デジタルシフトが必要な企業の特徴として、残業が多く業務効率が悪いという点も挙げられます。
具体例としては、日報が手書きであったり、大量のデータのコピーアンドペースト作業やメールの一斉送信など自動化できる定型的な業務を手動でおこなっているなどです。
これまでのやり方へのこだわりがやデジタル化への抵抗があるのかもしれませんが、残業が多く業務効率が悪いのであれば、デジタルシフトや改善に取り組むべきでしょう。
デジタルシフトの取り組みのプロセス
企業がデジタルシフトに取り組むにはどうしたらよいのでしょうか。
実際にデジタルシフトを取り組む際のプロセスを大きく3つに分けて紹介します。
ステップ(1):長期的な目標を立てる
まずは、デジタルシフトをおこない、どのような目標を達成したいのかという長期的な目標を立てることが重要です。
たとえば、将来的にSNSやECサイトでの売り上げを伸ばしたいという目標を掲げた場合、受発注システムの導入やペーパーレス化の推進などの方法が考えられます。
デジタルシフトは目標を達成するための手段に過ぎないので、デジタルシフトに取り組むことやデジタル化を目標にしてはいけません。
デジタルシフトの取り組みによってどのような企業になりたいのかという将来的な未来を描くことが大切です。
ステップ(2):導入対象を絞る
デジタルシフトに取り組む際は、いきなり全社的に導入するのはなく、導入対象を絞って始めるとよいでしょう。
たとえば、営業部門にビジネスチャットツールを導入したり、事務部門にクラウドシステムを導入し、ペーパーレス化を促進するなど、部門や業務内容に合わせて限定的なデジタルシフトから始めることがオススメです。
部分的な導入によって、一部の社員がデジタルツールの使い方やメリットについて理解すれば、ほかの部門への導入もよりスムーズにできるでしょう。
ステップ(3):効果測定と改善を繰り返す
デジタルシフトは導入したら終わりというものではなく、デジタルシフトによって得られたデータや効果に基づいて次の行動を起こしていくことを繰り返していかなければいけません。
たとえば、実店舗の販売に加えてオンライン販売を始めたような場合、オンラインでの販売活動によって得られたデータを活用し、次の施策を打っていかなければ、デジタルシフトをうまく活用できているとは言えません。
デジタルシフトによって目指す目標が達成できるように、日々、効果測定と改善を繰り返す必要があります。
デジタルシフトを進める際のポイント
デジタルシフトを推進させるには、以下の3つのポイントをおさえておく必要があります。
- 経営層の理解
- デジタルシフト推進の体制作り
- IT人材の育成・確保
それぞれのポイントについて、詳しくみていきましょう。
デジタルシフトについて理解する
デジタルシフトを推進させるには、経営層がデジタルシフトの必要性について理解しておくことが必要不可欠です。
デジタルシフトに取り組むことでどのような企業を目指すのかという目標がなければ、デジタルシフト自体が目的になってしまい、デジタルシフトの恩恵を享受できません。
デジタルシフトについて理解し、長期的な目標を立て、それを社員に共有するというリーダーシップを取ることが、デジタルシフトを推進させる上で重要になります。
体制を整える
デジタルシフトを推進する体制を整えることも重要です。
デジタルシフトは長期的な経営戦略となるため、デジタルシフト推進の部門を作ったり、各部署に相談員を置くなど、デジタルシフト推進の体制作りをする必要があります。
人手不足で、デジタルシフトのための体制作りは難しいという場合もあるでしょうが、企業のデジタル化の必要性は高まっており、長期的な視点を持って、デジタル化に関する経営戦略を練っていくことが大切です。
IT人材の育成・確保
デジタルシフトを推進する上で欠かせないのがIT人材です。
IT人材とは、大きく2つに分けて、ITを利活用できる人材とITを開発できる人材のことを指します。
外部のIT人材と提携することもひとつの手ですが、これからのデジタル社会に備えて、社内の若手社員をIT人材として育成することも有効です。
社内研修や資格習得の支援をおこなうなど、ITに関する学習支援の環境を構築することがIT人材育成のために必要となります。
身近なところからデジタルシフトを始めよう
市場や消費行動の変化に対応するために、デジタルシフトは今後、企業が必ず取り組むべきものです。
デジタルシフトは長期的な経営戦略であり、トップの理解やデジタルシフト推進の体制作りが必要となります。
デジタルシフトによって叶えたい理想や目標が決まったら、身近なところからデジタルシフトに取り組んでみましょう。
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