企業がとりくむSDGsとは?目的や必要性をとりくみ事例とあわせて解説

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働き方改革
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企業がとりくむSDGsとは?目的や必要性をとりくみ事例とあわせて解説

目次

企業がSDGsの活動に積極的にとりくむと、持続可能な社会の実現が可能になるとともに、企業イメージ向上や、新たなビジネスチャンスの創出につながるなどのメリットを享受することができます。

SDGsを実践するためには、SDGsの目的の正しい理解や目標設定が必要になってきます。

企業がSDGsにとりくむ目的やメリット、実践のための6つのステップを解説します。

SDGsとは

SDGsとは、持続可能な社会を実現するために、国連が掲げた「2016年から2030年までに達成すべき17の目標」のことを指す言葉です。

目標には、環境・エネルギー問題や、働きがいと経済成長の両立やジェンダー平等の実現など、さまざまな事項が含まれています。

>SDGsとは?17の目標を簡単にわかりやすく解説に関する記事はこちら

企業がSDGsにとりくむ目的・メリットとは

人間にとって理想的な社会を目指す目標であるSDGsですが、近年とりくむ企業が増えています。

企業がSDGsを実践することにはどのようなメリットや目的があるのでしょうか。

企業がSDGsにとりくむ目的やメリットについてみていきましょう。

企業を持続的に成長させるため

SDGsの実践で、持続的な未来の構築を目指すことで、企業を持続的に成長させられるメリットがあります。

各社が自社の利益や、顧客のことのみを考え続ければ、環境や社会問題はさらに悪化し、資源が枯渇したり社会自体の持続が不可能となったりするでしょう。

しかしSDGsを実践しようとすると、主語が「地球」や「未来」「社会」になります。

自社の利益だけでなく、持続可能な社会を目指すようになると、結果として、企業が持続的に事業をおこないながら、成長していくことに繋がるでしょう。

>SDGsの簡単なとりくみで企業や個人ができることに関する記事はこちら

企業イメージを向上させるため

SDGsにとりくむことは、企業イメージの向上にもつながります。

SDGsに積極的にとりくんでいる企業は、未来のことを真摯に考え、課題を解消していこうという姿勢が伺えるため、企業イメージが向上します。

また、自社の利益のみでなく、社会全体にとってよい未来を作るために、SDGsにとりくむ姿勢は、取引先や、消費者からの信頼感の引きあげにもつながるでしょう。

>ブランディングのメリットや効果に関する記事はこちら

新たなビジネスチャンス創出のため

企業がSDGsにとりくむことは、新たなビジネスチャンスの創出にも効果的です。

持続可能な社会であり続けるために、世の中のさまざまな問題の解決を目指すビジネスは、今後も増え続けると想定されます。

そのため、SDGsに関連する事業をおこなっていることが世間に知られれば、ほかの企業と提携してさらに大きな事業に着手できたり、消費者の声をとりいれやすくなったり、新たな需要の発見につながるでしょう。

社員のモチベーション向上のため

社会問題の解決にとりくむことは、自分の業務が世の中の役に立っていることを実感できるきっかけになるため、従業員のモチベーション向上にも効果的です。

従業員のモチベーションが向上すれば、生産性もあがり、社内のコミュニケーションが活発化するなどの付随的なメリットも享受できるでしょう。

>モチベーション管理のコツとポイントに関する記事はこちら

企業のSDGsとりくみ状況

近年SDGsのとりくみを開始する企業が増加しつつありますが、企業規模によって、SDGsのとりくみ状況に差はあるのでしょうか。

帝国データバンクがおこなった、SDGsに関する企業の見解についての調査から、企業のSDGsとりくみ状況について確認していきましょう。[※1]

大手企業のとりくみ状況

大企業のなかでSDGsに積極的であると答えた企業は55.1%、とりくんでいないと回答した企業は37.3%の結果となっています。

大企業の半数以上が、SDGsに積極的にとりくんでいることからも、SDGsの注目度や重要性を伺うことができます。

中小企業のとりくみ状況

中小企業のなかでSDGsに積極的な企業であると答えた企業は36.6%、とりくんでいないと回答した企業は53.2%でした。

中小企業と大企業と比較すると、「SDGsに積極的である」と答えた割合が、中小企業の方が約20%少なく、SDGsに対する関心や意識に差があることがわかります。

中小企業からは、目標が大きすぎるという意見や、コストの観点からとりくみが難しいなどの意見があがっています。

この調査の結果からもわかるように、SDGsに対して一律に同じとりくみをすることは難しく、企業規模や種別によって、SDGsの実践方法を変えていく必要があるでしょう。

>SDGsの必要性と企業にもたらすメリットに関する記事はこちら

企業がSDGsにとりくむ6つのステップ

ここまで企業がSDGsにとりくむ目的やとりくみ状況について確認してきました。

しかし、目的やメリットを理解できても、実際にSDGsにとりくもうと思った時に、どのようなことからはじめればいいのかわからない方も多いのではないでしょうか。

ここからは、SDGsにとりくむ際おさえるべき「6つのステップ」を解説します。

SDGsのとりくみをスムーズにはじめられるように、それぞれのステップを確認していきましょう。

ステップ1:SDGsを正しく理解する

SDGsにとりくむことを決めたら、まずは、SDGsの概要について、17の目標と内容を詳細に正しく把握することからはじめましょう。

SDGsを効果的に実践するためには、経営層が、SDGsの知識を実践できるレベルまでしっかりと落とし込んだうえで、従業員に研修をおこなう必要があります。

また、より効果的におこなうためには、従業員に、現状の社会問題や未来に起こりえる事項を認識してもらいながら、自社が所属する業界や経営でどのようなとりくみがおこなわれているかまで知ってもらうことがポイントです。

正しい知識や理解がないままにとりくみを開始してしまうと、SDGsウォッシュやとりくみの形骸化につながりかねません。

知識の周知や浸透をはかる難易度は高いですが、丁寧におこなうことを心がけましょう。

>SDGsウォッシュの意味とリスクに関する記事はこちら

ステップ2:自社がとりくむべき課題を選択する

SDGsの目的を正しく認識することができたら、次に、自社の事業内容や自社の業界が、社会問題にどのように寄与していくのかを見直しましょう。

SDGsを効果的に実践するためには、自社がとりくむべき課題を、正しく選択することも大切です。

業界全体や自社の事業が、未来の社会に、どのような恩恵や問題点を引き起こすのかを考えたうえで、自社がとりくむべき課題を17の目標の中から選択することで、正しい課題を選択することができます。

17の目標のなかから、闇雲に課題を設定してしまうと、自社と全く関連性のない課題になってしまい、結果として、企業の持続的な成長を阻んでしまう恐れもあります。

設定する課題を間違えないように、慎重な選択をおこないましょう。

ステップ3:目標を設定する

自社がとりくむべき課題を設定したら、KPIを考慮した具体的な目標設定をおこないましょう。

目標を設定する際は、最終的な目標を達成するためのマイルストーンを設定しておくことで、具体的なアクションの策定を容易にすることができます。

また、自社ならではの強みが活きる目標を設定しておくと、業界内の差別化や、企業認知度の向上も期待することができます。

目標設定が完了したら、社内外に通知し、とりくみへの認知浸透を促しましょう。

>マイルストーンを設定するメリットとは?に関する記事はこちら

ステップ4:具体的なアクションを策定する

目標設定を終えたら、次に、具体的にどのようなとりくみをおこなうのかのアクション策定をおこないましょう。

市場の動向や、自社が業務をおこなううえで得意とする強み・課題などを考慮しながら、固定観念にとらわれず、自由な発想で考えることが大切です。

自社の利益を優先しようとするのではなく、持続的な社会を実現するために、なにができるのかを考えることが大切です。

SDGsの目的を忘れることがないように注意しましょう。

ステップ5:自社のビジネスに組み込む

アクションを策定したら、実際に自社のビジネスへの落とし込みをはじめましょう。

SDGsのとりくみは、一部の社員が力をあげてとりくむのではなく、全社が一丸となっておこなうことが、推し進めるポイントです。

研修をうまく活用して、SDGsの正しい目的の周知や、自社のとりくみが社会全体にどのような影響をもたらすのかの認知を、全社にはかることが大切です。

また、具体的なアクションについても、なぜこのアクションを選定したかの背景や理由をあわせて共有することで、より認知を高めることができるでしょう。

ステップ5:報告をおこなう

アクションを実行に移すことができたら、その結果や事業報告を社外に発信していきましょう。

とりくみ内容を社外に発信する際は、SNSや自社ホームページなど、どのような手段が最適かを検討したうえで、定期的に発信するようにしましょう。

また、SDGsのとりくみを報告書にまとめて発行すれば、社外や消費者に対して、効果的なアピールにもなります。

とりくみをはじめることだけで満足せず、定期的に社内外に進捗報告をおこない、持続的な成長を目指していきましょう。

企業がSDGsにとりくむ際のポイント

ここまでSDGsにとりくむステップについて確認してきましたが、ここからは、とりくみをより効果的にするためのポイントについて確認していきましょう。

SDGsの目的を正しく理解する

SDGsにとりくむ際は、SDGsの目的や目標を正しく理解することが大切です。

目的を正しく理解できていないと、形だけSDGsにとりくんでいる「SDGsウォッシュ」になってしまい、企業イメージや信頼の喪失につながりかねません。

また、とりくみの目標を掲げても、そもそもの目的を理解していなければ、社内でのとりくみは形骸化していき、実績や報告できる内容がなにもないという状況にも陥りかねません。

SDGsのとりくみを効果的におこなうためには、従業員全員がSDGsの目的をよく理解することが重要です。

>SDGsの課題や問題点に関する記事はこちら

高すぎる目標を設定しない

SDGsのとりくみに限りませんが、達成できないような高すぎる目標は、かえって社員のやる気をそぐことがあります。

実現可能な目標やマイルストーンをまず設定し、達成できたらより難易度の高い目標を掲げるなど、成功体験を積みながら、挑戦を続けられるような目標設定を意識しましょう。

>ストレッチ目標を設定するメリットや方法に関する記事はこちら

自社のビジネスと親和性があるものにとりくむ

SDGsにとりくむ際は、自社のビジネスと親和性がある目標にとりくむようにしましょう。

自社の強みを活かすことができるとりくみを展開すれば、ほかの企業が同じとりくみをする際の参入障壁とすることができ、また消費者や取引先からの注目も強くすることができます。

自社と親和性の薄い目標にとりくんでしまうと、いつの間にか形骸化してしまったり、スムーズに運用できなかったりする可能性もあります。

SDGsにとりくむ意義や目的を見直し、慎重に事業を展開するようにしましょう。

SDGsにとりくむ企業事例

SDGsにとりくむメリットや方法、成功のポイントを解説してきました。

ここからは、実際にSDGsにとりくむ企業の事例を紹介します。

SDGsに実際にとりくむ際のヒントとして、活用してください。

家具製造・販売企業

家具の製造・販売をおこなうある企業は、2030 年までに「ピープル・アンド・ プラネット・ポジティブになる」という目標を掲げ、人と地球がポジティブになる未来の実現を目指しています。

自社製品と親和性のあるエネルギー消費を抑えるLEDランプの開発や、プラントベース食品の提供をおこない、持続的な社会の実現を目指している企業の事例です。[※2]

コーヒーチェーン

あるコーヒーチェーンは、SDGsの実践として、倫理的(エシカル)な調達の遵守にとりくんでいます。

このコーヒーチェーンは、コーヒーをはじめ、紅茶やココアなど、消費者に提供する商品を調達する際に、環境・社会・経済・品質などのあらゆる面で責任をもって育てられ、エシカルに取引されたものかどうかを重視しています。

自社や顧客の利益だけでなく、地球の環境問題の解消につながるとりくみを実践し、持続可能な企業づくりに努めている事例です。[※3]

総合住生活関連企業

ある総合住生活関連企業では、2030年に向けて長期計画「Mission TREEING 2030」を構想しました。

この計画は、脱炭素社会の実現に向けて掲げられた計画で、SDGsの目標と事業内容を詳細に関連づけてアクションを策定し、社内理解や周知にも力を入れています。

二酸化炭素(CO2)の排出をおさえて、炭素を吸収しながら固定する木材の提供により、カーボンニュートラルの実現をおこなったり、DXやイノベーションを推し進め、市場を発展させるとりくみに着手したりしています。

事業内容とSDGsの目標を正しく理解し、全社でとりくみを推進している企業事例です。[※4]

食品製造企業

ある食品製造企業は、気候変動の問題解消と資源を守るためのとりくみをおこなっています。

たとえば、環境にやさしい容器である「バイオマスECOカップ」の開発・使用を実現し、プラスチックの使用削減や、製造時の二酸化炭素(CO2)排出量の削減に貢献しています。

自社の商品の強みを活かして、未来の地球環境を考えたとりくみを具体化している企業事例です。[※5]

正しい知識をもってSDGsにとりくみましょう

SDGsのとりくみを企業で効果的に実践するためには、SDGsの目的をよく理解したうえで、自社の強みを活かしたとりくみをおこなうことが大切です。

また、SDGsのとりくみは、一部の従業員だけじゃなく、全社でとりくむことに意味があります。

達成の難易度が高すぎる目標を設定してしまうと、従業員のモチベーション低下に繋がってしまうため、まずは実現可能な目標を掲げることからとりくみをはじめてみてください。

全社一丸となってSDGsにとりくむためには、従業員ひとりひとりが課題や目標・具体的な取り組みを理解できるようにコミュニケーションを深めることが大切です。

コミュニケーションを円滑にし情報格差をなくす方法としてビジネスチャットの活用が有効です。

ビジネスチャット「Chatwork」は、離れた場所にいても、円滑なコミュニケーションが実現できるコミュニケーションツールです。

グループチャット機能を活用すれば、SDGsの目標策定のアイデア出しや、社内へのとりくみ報告など、リモート勤務をおこなう従業員が多い企業でも、円滑な情報共有を実現することができるでしょう。

また、チャット機能以外にも、タスク管理機能やファイル管理機能など、ビジネスで役立つ機能が搭載されているため、さまざまなビジネスシーンで活用することができます。

>ビジネスチャット「Chatwork」を活用するメリットに関する記事はこちら

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[※1]参照:帝国データバンク「SDGsに関する企業の意識調査(2021年)」
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p210706.html

[※2]参考:IKEA「イケアの サステナビリティ レポートFY21」
https://www.ikea.com/jp/ja/files/pdf/61/25/61254b72/ikea-sustainability-report-fy21_jp.pdf

[※3]参考:スターバックス コーヒー ジャパン「Social Impact」
https://www.starbucks.co.jp/socialimpact/

[※4]参考:住友林業グループ中期経営計画サステナビリティ編2024「SDGsへの貢献と重要課題 」
https://sfc.jp/information/sustainability/management/sdgs.html

[※5]参考:日清食品グループ
「カップヌードル」は「バイオマスECOカップ」で業界初のバイオマス度80%以上を実現 ~2019年から順次切り替え、2021年全量切り替え完了~
https://www.nissin.com/jp/news/7874


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