コンプライアンスの違反事例とコンプライアンスの身近な事例

働き方改革
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目次

コンプライアンス違反に該当する事例は、どういったものがあるのでしょうか。

身近で起きるかもしれないコンプライアンス違反の種類や違反例について確認していきましょう。

コンプライアンス違反事例:身近な事例

最近ではコンプライアンス=法令遵守のみでなく、社会規範など「社会通念上、企業が守るべきルール」をも含む幅広い概念が対象と捉えられています。

もはや、法律だけ守っているだけでは、コンプライアンスが万全とは言えない世の中となっているのです。

こういった時勢にあって、コンプライアンス違反として、耳にする事例も、以前と比較して幅広いものが見受けられるようになりました。

 

労働環境

法令の基準を逸脱した長時間労働や、サービス残業による未払い賃金など、労務管理の不備に起因したケースは、コンプライアンスというワードが一般化する以前から、典型的な違反事例として耳にする機会が多いでしょう。

各種の規制や、社会情勢など、企業を取り巻く環境が変化し、利益を確保することが困難になっていく中で、利潤を追求するあまり、従業員に長時間労働を強制する、人件費抑制の為、サービス残業を黙認するといった企業は、行政による規制が強化されている現在においても、決して少なくはありません。

働き方改革の影響もあり、露骨な違反事例自体は、以前よりも少なくはなったものの、時間外労働や割増賃金のルールは複雑であり、大なり小なりの違反は中小企業を中心に存在しているのが実情です。

もっとも、インターネットで手軽に情報を摂取できる現在においては、従業員個人が労務管理に関する詳しい知識を入手し、会社や行政に対して違反内容の是正を求めることで、違反が表面化する場面も見受けられます。

 

ハラスメント

以前は、ハラスメントといえば、もっぱらセクシャルハラスメント(セクハラ)ばかりが注目されていました。

しかし、現在ではパワーハラスメント、マタニティハラスメント、モラルハラスメントなど、非常に多種多様なハラスメントが定義づけされており、ひと昔前であれば、問題視されていなかった言動が、コンプライアンス違反に繋がりかねない時代となっています。

 

SNSで不適切な発言や発信

SNSは、気軽に複数に対して情報交流が可能であり、現代において欠かせない利便性のある立ち位置となっていますが、気軽に情報発信できるからこそ、軽率な言動を発信してしまう可能性も孕んでいます。

気軽に投稿した内容が、思いの外、拡散され世間からの非難の的になった事例も度々メディアで報道されています。

不特定多数の人間が見ており、どのような風評被害に発展するか予測もできない恐ろしさが、利便性の裏返しとしてSNSには存在しており、企業としても、従業員のSNSの利用には(それが企業のアカウントであれば尚更ですが)社会人としての自覚ある取扱いを徹底させる必要があります。

 

個人情報漏洩

業務上、個人情報を扱う企業は、非常に多く、顧客情報はもちろん、従業員のパーソナルな情報も多く保有している企業は、常に情報漏洩のリスクを抱えていると言えます。

ハッキングやコンピュータウイルスによる攻撃により、情報が漏れてしまうこともあれば、従業員が意図的に不正を働く形で外部に情報を漏らしてしまうこともあり得ます。

 

データの持ち出し

個人情報漏洩にも関連することですが、顧客リストや製品情報など、企業にとって重要な情報に対して、従業員が比較的、容易にアクセスできる環境になっています。

データを社外に持ち出した結果、データ端末の紛失や、企業秘密の漏洩のリスクが発生します。

 

著作権侵害

出版や、情報発信を伴うクリエイティブな活動を行う企業以外では、著作権侵害は無縁なのではと考えがちですが、多くの企業が自社のホームページを持っており、対外的に情報発信を行うことも珍しくはなくなっています。

インターネットから拝借した画像を使用したところ、著作権侵害として指摘を受けるといった、インターネット上の著作権侵害も増加しています。

コンプライアンス違反事例:情報漏洩

会社の機密情報が外部に漏洩する原因としては、外部からの攻撃や、内部の関係者が不正にデータを流出させるといった能動的なものは、当然、コンプライアンス違反となることが分かりますが、要注意な点として、図らずとも情報を流出させてしまう事例も多々あるということです。

例えば、居酒屋での上司・同僚との会話、出先における通話、社内のエレベーター等の公共の場所での会話等、社内の人間同士の何気ない会話の中に、重要な取引情報が紛れており、その場に社外の人物も居合わせている可能性もあるかもしれません。

会社として目を光らせることが、困難な場面でも情報漏洩のリスクはあります。

そして、情報漏洩の結果、被害が発生したとなれば、会社側の情報管理体制の甘さを指摘される結果となるため注意が必要となります。

コンプライアンス違反事例:不正受給

助成金や補助金の種類は非常に多く、地方自治体レベルも合わせると、年間で約7000の制度が公募されており、中には数千万規模の支給を行う制度もあり、活用を検討されている経営者も多いでしょう。

当然、助成金や補助金は、制度ごとに設けられた条件(売上や業種等)を満たしていないと対象にはなりませんが、条件を満たすために虚偽の内容を申告して、不正に助成金、補助金の受給を受ける企業が少なからずあります。

コロナ禍を受けて、2020年に実施された持続化給付金の不正が相次いだことも記憶に新しく、審査をする団体も目を光らせてはいるものの、ルールの網の目をかいくぐって不正受給する案件が後を絶たないのが実情です。

不正な申告で多いものとして、売上を過少(過大)申告する、補助金の対象となる経費を水増しして報告するといったものがありますが、程度の大小に関わらず、不正が発覚した際は、支給額の返還はもちろん、追徴金を課せられる場合もあります。

軽い気持ちで事実と異なる申告を行うのはコンプライアンス違反となります。

コンプライアンス違反事例:労働環境

労働環境に関する違反としては、違法な残業や賃金未払いは、労働問題に対する国民の意識の変化もあり、行政の対応も以前より厳しくなっており、特に注意が必要です。

具体的には、時間外労働のカウントが適切に行われているか、時間外労働に対する割増賃金が適正に支払われているか、時間外の労働時間数は、法定以内に収まっているか、この辺りが厳しくチェックされることになります。

これらの基準をクリアできていなければ、労働監督署などの労働行政の検査などで、是正勧告を受けることとなります。

また、36協定の締結の有無、その内容が遵守されているか否かも要確認です。

そもそも、36協定が締結されていないと、一部の例外を除いて、1日8時間、週40時間を超過する労働は、法違反となります。

まだ36協定を締結していない企業は、早めに締結を済ませる必要があるでしょう。

コンプライアンス違反事例:食品衛生

食品衛生で度々メディアに取り上げられるものとしては、集団食中毒を発生させた飲食店の、衛生管理のずさんな側面です。

扱う食材ごとに、衛生上実施すべき処理が定められているにも拘わらず、利益率や回転率を重視して、これらの処理を意図的に省いてしまった結果、食中毒事件へとつながります。

例えば、生食用の牛肉は、菌が付着・繁殖しやすい表面をトリミング(削り取る)ことが必須と定められており、これに違反すると罰則も用意されています。

ちなみに、現在では、生食提供が禁止されている牛レバーは、トリミングだけでは菌の付着した部位の削除が困難な部位であることからこのような扱いとされています。

扱う食品の消費期限のみならず、食材ごとの特性を踏まえて衛生管理体制を構築し、特に生食など食中毒のリスクが高い食材に対する衛生管理については、定期的にチェックの目を光らせる必要があります。

コンプライアンス違反事例:不正会計

景気の悪化に伴う、損失を隠して、意図的に黒字になるように操作する粉飾決算は、大手企業でも度々メディアで報道されており、企業価値を大きく失墜させることとなります。

粉飾決算に至る経緯は、様々ありますが、経営層の要求する営業成績を達成させるべく、各種の数字を水増しすることもあれば、経営層が意図的に関与しているケースもあります。

また、資金の流用を隠ぺいするために、会計の担当者が数字を操作するといった保身絡みの事例も見受けられます。

コンプライアンス違反事例:偽装事件

偽造に関しては、外国産の牛肉を国産と謳うなど、食品の産地などを偽る食品偽造や、商品の性能データを改ざんして基準を満たしているかのように見せかけるデータ偽造などが大きく報道されています。

このほかにも、作成する権限がないにも関わらず、あたかも正式な書類であるかのように業務書類を偽造する事例も数多く見受けられます。

特に業務書類の偽造は、書類の種類によっては、軽微な修正であっても権限の無い者が行うと書類の効力に関わる、公文書・私文書偽造の罪に問われかねないなどの危険性を孕んでいます。

コンプライアンス違反事例:顧客情報流出

先述の通り、顧客情報が流出するきっかけは、ハッキングやコンピュータウイルスなどの外部的な介入に起因するもの、従業員や派遣社員がデータを持ち出すなどの内部的なものに分かれます。

個人情報保護法の改正などで、個人情報の扱いに厳しい視線が注がれる中、内部の人間であれば誰でも情報にアクセスできる、持ち出せる体制は、好ましいものではありません。

例えば、業務権限に伴ったアクセス権を設定していない、データの扱いに関して画一的なルールを敷いていない、データのアクセス履歴などが追跡できないといった体制では、後に問題が起こった際、企業側の責任を問われることとなります。

コンプライアンス違反事例:景品表示法違反

景品表示法違反として、ニュースで見かけるものとしては、「不当表示」が多く、これは、サービス・商品の内容が広告宣伝で謳われている表示のものと異なっている、又は、誇張、紛らわしい表現で、消費者に対して誤った認識をさせるものを指します。

また、確たる根拠もないまま、「世界最速」「業界初」など、他の商品よりも著しく優れている印象を与える表現も、「不当表示」に該当する可能性が高い為、安易な使用は避けることが賢明です。

コンプライアンスを違反しないための対策

世間的にもコンプライアンス違反は、厳しい評価を下されることとなり、場合によっては会社の存続にすら影響を及ぼすこととなるため、自社が抱えるリスクに応じた対策が必要となります。

 

自社の抱えるリスクを把握する

まずは、コンプライアンス違反の事例から、自社の事業内容から該当しうるものを、ピックアップしましょう。

コンプライアンスの範囲は非常に広い為、網羅的にクリアするのは現実的とは言えません。

まずは優先度の高い項目から重点的に対策を行うことをお勧めします。

また、自社の事業内容から考えて、最低限押えておく法律が何なのか?これも弁護士等の専門家に確認しておくことが必要です。

 

コンプライアンス研修の実施

例えば、情報漏洩といったリスクは、社内の人間全員が意識して取り組まないと意味がありません。

従業員や関係者が守るべきルールを共通の認識として捉えることができるよう、適宜研修を実施してコンプライアンス意識を社内に根付かせるようにしましょう。

近年では外部から講師を招いて、よりクオリティを重視した研修を行う企業も増えています。社内で実施することが困難であれば、活用を検討してみましょう。

 

社内規定の作成と周知

可能な限り、書面で社内規定を作成して、社内全員に周知します。

当初から凝ったルールである必要はありません。

ある程度、内容が固まれば「お試し期間」としてルールを試行し、問題が浮き彫りになれば適宜修正して、実態に即した規定にリニューアルし、ルールの定着を図りましょう。

 

相談窓口の設置

コンプライアンス違反、又はそれが疑われる事実を発見した際に、これを上層部に吸い上げるための仕組みとして、相談窓口として、数名の担当を選任しておきましょう。

この窓口が定められていないとせっかく不正の種が発見できたとしても、そのまま埋もれてしまいかねません。

社内の人間が気軽に相談でき、かつある程度の職位にある人物を選任しましょう。

コンプライアンス違反事例を把握し遵守につとめよう

情報技術が発展し、個人が自由に情報発信をできる現代においては、思いもよらぬところからコンプライアンス違反が露呈する危険があります。

ひと昔前までの価値観や経営体制では、多種多様に変化するコンプライアンスに対応することは困難であり、優先度をつけたメリハリのある体制にシフトしていくことが企業の命題と言えるでしょう。

経営者必見!就業規則を見直そう
リスク回避のために! 小さな会社の就業規則の作り方

常時10人以上の労働者を雇用する職場は、就業規則を定めることが義務付けられています。

就業規則を作成することで、使用者の義務を果たすだけではなく、労使間のトラブルを解決する協力な武器を得ることにもなります。そのため就業規則は、たとえ労働者の数が少ない中小企業であっても定めておきましょう。

本資料では、就業規則の作成の進め方について、労務の専門家が複雑なルールを分かりやすく解説します。

就業規則の作成を一歩前に進めるヒントとしてお役立てください。

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Chatworkの中の人です。お役立ちコラムの編集者として、ワークスタイルの変化に伴うコミュニケーションと組織のあり方など発信していきます。

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