女性の中間管理職の課題とは?求められるスキル・育成方法を解説

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働き方改革
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女性の中間管理職の課題とは?求められるスキル・育成方法を解説

目次

女性の中間管理職を育成することで、現場の管理を担える人材を増やせます。

ただ、現場の体制が整えられていないと、仕事とプライベートの両立が難しいなど、課題に直面する可能性もあるでしょう。

課題解消に向けて、どのような方法で育成を進めるとよいのでしょうか。

女性の中間管理職に求められるスキル、育成方法の詳細を解説します。

中間管理職とは

中間管理職とは、経営者側の視点をもちながら、現場を管理する立場の人を指す言葉です。

主に部長や課長クラスの役職が当てはまり、ミドルマネジメントとも呼ばれます。

中間管理職の仕事として、現場のマネジメントをはじめ、上層部と現場をつなぐ仲介役を担います。

>中間管理職に関する詳しい記事はこちら

女性の中間管理職を育成する目的

女性中間管理職の育成により、企業の経営側を担える人材を確保できます。

また、社内体制の整備が必要になるので、育児休暇や時短勤務など、仕事とプライベートの両立を目指せる職場環境づくりを推進するきっかけとなり、組織の活性化にもつながります。

厚生労働省によると、総人口は2030年には1億1,522万人、2050年には9,515万人と減少傾向が続いています。

また、国内の生産年齢人口比率についても、2030年に58.5%、2050年51.8%と減少傾向が見込まれています。[※1]

国内の少子高齢化社会の影響もあり、男性の中間管理職以外にも、女性の中間管理職を獲得して、企業の経営を担える人材を育成していく対応が重要です。

企業は経営を継続するためにも、現場を指揮できる中間管理職を育成する土台を整える必要があります。

女性の中間管理職の課題

女性の中間管理職を育成するときの課題は、主に4つ挙げられます。

  • 業務の負担・労働時間の増加
  • 上司と部下との間で板挟みになる
  • 目指すべきロールモデルの不在
  • 仕事とプライベートの両立が困難

これらの4つの課題について解説します。

業務の負担・労働時間が増える

中間管理職の仕事は、現場を管理する立場として、責任が重くなる傾向があります。

現場の目標達成に向けて、部下の人材育成や仕事の成果をあげていく施策の実行など、仕事におけるプレッシャーが高まりやすい側面があるでしょう。

成果を出すには、残業時間の増加など、労働の負担が増えやすい課題があるため、「妊娠や出産のような女性特有のライフステージの変化によって、本来の能力を十分に発揮できないのではないか」といった不安を抱えてしまう人がいる状況も、女性の中間管理職が増えない原因のひとつになっています。

上司と部下からの板挟みが起きる

中間管理職の仕事は、経営側と現場社員をつなぐ橋渡しの役目があります。

たとえば、現場社員から仕事の進め方に不満が出たときに、上層部にかけあって現場の調整を図ることも仕事です。

ただ、上層部と現場社員の認識にズレが起きると、コミュニケーションの摩擦が起こり、仲介役の中間管理職が板挟みになるケースもあるでしょう。

女性の中間管理職が少ない職場では、考え方や視点において多様性の幅が狭くなる傾向にある点と、同じ女性の中間管理職同士で情報共有できる環境になっていない点で、コミュニケーション上の摩擦が生じた時に、より負担を感じやすくなります。

このような現状をみながら人材が育っていくと、中間管理職の仕事について、人間関係を調整していく面でのプレッシャーを感じてしまい、女性の中間管理職を推進しても「管理職になりたくない」という社員が増えてしまう課題が残ります。

見本になる女性中間管理職のロールモデルがいない

国内の企業において、女性の中間管理職は普及率が低い傾向にあります。

男女共同参画局では、常用労働者100人以上を雇用している企業において、女性管理職の割合を調査しました。

平成30(2018)年の調査では、係長級18.3%、課長級11.2%、部長級6.6%で役職の階級があがるごとに割合は低くなっています。[※2]

理由としては、育児休暇や時短勤務の社内制度など、現場のサポート体制が整っておらず、仕事とプライベートの両立が難しい実態が挙げられるでしょう。

見本になる女性中間管理職のロールモデルがいないため、実例をつくるまで時間がかかりやすい課題があります。

>ロールモデルに関する記事はこちら

仕事とプライベートの両立が難しい

女性は、妊娠や出産など、ライフステージに変化があった際に、仕事とプライベートを両立させるのが難しいと感じるケースが多くあります。

フルタイムの雇用形態で働き続けるのが難しい場合、企業を退職しなければいけない状況になるかもしれません。

企業にとっても、離職率を高めてしまう原因になるため、社内制度の整備や現場の調整を進める対応が重要です。

>ワークライフバランスに関する記事はこちら

女性の中間管理職に求められるスキル

女性の中間管理職には、どのようなスキルが求められるのでしょうか。

一般的に、中間管理職に求められるスキルには以下の4つが挙げられます。

  • コミュニケーション力
  • マネジメント力
  • 問題解決力
  • 情報収集・分析力

中間管理職に求められる基本的なスキルに、男性、女性での差はほぼないといえますが、女性の中間管理職であることで、スキルをよりうまく活かせる場面もあります。

4つのスキルについて、詳しくみていきましょう。

コミュニケーション力

中間管理職は、現場の業務を効率よく進められるように、声をかけてサポートしていく行動が重要です。

コミュニケーション力を高めるには、部下の意見に耳を傾ける「傾聴」をはじめとして、適切に指導していく姿勢が求められます。

たとえば、部下の女性がライフステージの変化などにより、仕事との両立で悩んでいる時に、内容によっては男性の上司に相談しにくいと感じる場合もあるでしょうが、同性である中間管理職がしっかりと耳を傾けてアドバイスすることで、事情に配慮しながら部下のパフォーマンスを引き上げることができるでしょう。

上層部と部下の橋渡し役になれるように、部下には積極的に声をかけるなど、人間関係の調整能力を磨きましょう。

>コミュニケーションスキルに関する記事はこちら

マネジメント力

中間管理職は、経営側の視点をもちながら、現場をマネジメントする必要があります。

たとえば、納品日までに仕事が終わるように調整したり、人材育成に働きかけて次世代の社員を育成したりするなど、総合的な管理スキルが求められます。

また、マネジメント力には、自分自身の感情コントロールをはじめ、時間を管理するスキルなども含みます。

中間管理職のマネジメント力が高いと、現場の仕事を滞りなく進められます。

マネジメント力も、男性、女性の区別なく求められるスキルですが、女性の中間管理職がマネジメントをしっかりおこなっていけば、部下が目指したいロールモデルとして広く認識され、将来、女性中間管理職を目指したいという、部下の向上心醸成にもつながるでしょう。

>マネジメントスキルに関する記事はこちら

問題解決力

仕事を進める過程では、トラブルやミスなど、日々さまざまな課題や問題に直面します。

たとえば「上層部から目標の数値を達成できていない」と伝えられたときに、どのように行動して成果を出していくのかなど、目標達成の筋道を考えられる思考力が必要です。

また、問題解決にはロジカルな思考力とあわせて、多角的な視点での考えも必要です。

トラブルやミスの中には、狭い視野だと気づきにくい原因が隠れていたりしますが、中間管理職に女性がいるなど、上層部に多様性があれば、より広い視野とロジカルな思考力を組み合わせて問題解決につなげることができるでしょう。

中間管理職には、問題を放置して先送りにせず、向きあって現場の改善を図れる行動力が求められます。

>ロジカルシンキング(論理的思考法)に関する記事はこちら

情報収集・分析力

仕事の成果を出すには、さまざまな情報を集めて分析していくスキルが求められます。

また、情報収集の能力を磨くことで、情報の取捨選択ができるようになるので、要点を絞って相手に物事を伝えるスキルの向上にもつながります。

前述のコミュニケーション力を活かしながら、情報収集スキルも向上させていくとよいでしょう。

女性の中間管理職を育成する方法

女性の中間管理職に求められるスキルを伸ばして、育成していくには、どのような方法をとればよいのでしょうか。

主に以下の3つの方法が、育成を推進していくために効果的といえるでしょう。

  • 中間管理職研修の実施
  • 短時間勤務制度の導入
  • 現場の業務改善

女性の中間管理職を育成する3つの方法について、解説します。

中間管理職の研修を実施する

女性の中間管理職を育成する土台をつくるためにも、社内の研修制度を整えましょう。

たとえば、部下を指導するためのコミュニケーションスキル、マネジメント全般に関わるスキルなど、管理職に求められるスキルを学べる内容がおすすめです。

また、社内に女性の中間管理職がいないときは、外部から女性のメンターを採用するなど、女性の立場から相談しやすい人材に協力してもらうことも大切です。

研修制度や外部のサポートを利用することで、女性の中間管理職を育成する教育体制を整えられるので、社員が安心してステップアップを図れるようになります。

短時間勤務制度を導入する

女性の中間管理職を育成するには、短時間勤務制度を積極的に導入しましょう。

短時間勤務制度とは、基本的に子どもが3歳になるまでの間、フルタイムで働いている社員は、1日の労働時間が6時間の「短時間勤務」で働くことができる仕組みです。

仕事とプライベートを両立しやすくなり、出産や結婚を機会に仕事の両立が難しくなり、退職が必要になるといった状況を改善しやすくなります。

また、短時間勤務制度の利用にあたり、部署の管理職は、現場の負担を考慮しながら調整していくサポートも求められます。

>【社労士監修】時短勤務とは?に関する記事はこちら

現場の業務改善をおこなう

中間管理職の仕事にかかる負担を減らすには、現場の業務フローを見直すことが重要です。

たとえば、時間がかかる作業はツールやシステムを導入して時短したり、一時的に派遣社員を雇用して、ライフステージの変化に伴う不在の穴埋めをしたりするなど、現場の人員補填や業務全体の改善を図りましょう。

職場全体の残業時間を削減して、仕事にかかる負担を改善できるようになると、女性の中間管理職の育成や制度の導入を進める土台を整えられます。

女性の中間管理職の育成は体制整備が大切

女性社員に「中間管理職になってキャリアアップを図りたい」と感じてもらうには、研修や制度を導入して、現場の体制整備が大切です。

女性の中間管理職が増えることで、次世代を担う経営側の人材を増やす効果が期待できます。

まずは現場の課題を洗い出して、業務全体の改善を図りながら、社内の体制づくりを進める土台を整えましょう。

>女性管理職の企業事例に関する記事はこちら

>女性リーダーに関する記事はこちら

「Chatwork」を活用して女性中間管理職の課題を解決しよう

本記事では、女性中間管理職に求められるスキルとして「コミュニケーション力」「情報収集力」などを紹介しました。

これらのスキルを高めるためには、コミュニケーションの方法を見直すことが大切です。

リモートワークや在宅勤務が多くなった現在では、コミュニケーションの活性化や情報収集の効率化が課題となりがちなことに加え、女性中間管理職の育成にあたっては、現場の業務改善が必須となります。

改善に向けた簡単な解決方法として、ビジネスチャットの活用がおすすめです。

ビジネスチャット「Chatwork」は、グループチャットをつかった、休暇の取得に関する情報共有や、ダイレクトチャットをつかった部下からの個別相談などをスムーズに進められるツールとして活用できます。

ほかにも、急な休みや退勤するときの連絡手段として活用できて便利です。

また、マイチャットを使えば、個人用メモとして情報の蓄積ができますので、「情報収集力」を磨いていくことにも役立てられます。

>マイチャット機能についてはこちら

マネジメント力を上げていきたい場合は、タスク管理機能の活用も効果的でしょう。

>Chatworkのタスク管理機能についてはこちら

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皆が働きやすい職場をつくるには、社員同士でスムーズにコミュニケーションがとれる環境がとても重要です。

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[※1]参考:厚生労働省|我が国の人口について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_21481.html
[※2]男女共同参画局|第2節 企業における女性の参画
https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/r01/zentai/html/honpen/b1_s02_02.html


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Chatworkのお役立ちコラム編集部です。 ワークスタイルの変化にともなう、働き方の変化や組織のあり方をはじめ、ビジネスコミュニケーションの方法や業務効率化の手段について発信していきます。

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