メンタルブレイク(メンブレ)とは?症状や原因、企業ができる予防方法

目次
「メンタルブレイク」や「メンブレ」という言葉を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。
本記事では、メンタルブレイクの症状や原因、企業ができる予防方法などについて詳しく解説します。
ビジネスシーンでも注目を集める「メンタルブレイク」について、正しい理解を深めていきましょう。
メンタルブレイク(メンブレ)とは?
メンタルブレイク(メンブレ)とは、強いストレスや精神的負担が原因で心のバランスが崩れてしまっている状態を指します。
英語の「mental(心の、精神の)」と「break(壊れる、故障する)」が組み合わさってできた用語です。
「メンタルブレイク」は「メンタル不調」を意味する造語で、医学的な専門用語ではありません。
若者言葉として使われることが多く、SNSなどでは「メンブレ」と略して使われることもあります。
メンタルブレイクは、日常生活や仕事において、大きなプレッシャーや人間関係のトラブル、過労などが引き金となり発生するとされています。
メンタルブレイクが注目される背景
現代社会において、メンタルブレイクが注目される背景には、デジタル化や人材不足による過労、情報過多によるストレスの増加があります。
また、社会全体でのメンタルヘルスへの関心が高まり、企業や個人が精神的な健康を重視するようになってきたことも、注目を集めている要因のひとつといえます。
メンタルブレイクの主な症状
メンタルブレイクは、下記の3つの症状が現れるとされています。
- 心理的な症状
- 身体的な症状
- 行動的な変化
なお、3つの症状が現れたからといって、必ずしもメンタルブレイクに当てはまるわけではありません。
たとえば、うつ病などの精神疾患を発症している可能性もあります。
症状が2週間以上の長期にわたって継続している場合や、日常生活への影響が大きい場合などは自己判断せずに病院を受診したり、専門家に相談したりすることを検討しましょう。
心理的な症状
メンタルブレイクの心理的な症状には、以下のようなものが挙げられます。
- 不安を感じる
- 気持ちが落ち込む
- やる気が起きない
- ものごとに集中しづらくなる
- 些細なことでもイライラしてしまう
- 自身が持てず、自己否定的な考えにとらわれてしまう
身体的な症状
メンタルブレイクは、身体的な症状として現れることもあります。
主な症状は以下のとおりです。
- 疲れやすくなる
- 頭痛
- 吐き気や腹痛、下痢や便秘など胃腸の不調
- 首や肩、背中などのこり
- 眠れない、あるいは寝すぎなどの睡眠障害
行動的な変化
メンタルブレイクによって、以下のような行動の変化が起こるケースもあります。
- 仕事のパフォーマンス低下
- コミュニケーションの減少・孤立化
- 興味を持っていた活動や趣味に対する興味の喪失
- アルコールなどへの依存の増加
- 食欲不振または食欲増進
- 遅刻や欠勤の増加
メンタルブレイクは、心理的な症状だけと思われがちですが、身体的、行動の変化などにも影響がみられるものです。
心理的な症状が出ていないからと言ってメンタルブレイクではないと判断しないようにしましょう。
メンタルブレイクを引き起こす要因
メンタルブレイクを引き起こす要因を3つ紹介します。
- 職場環境でのストレス
- 人間関係でのストレス
- プライベートでのストレス
メンタルブレイクを予防するためにも、どのような要因があるのか把握しておきましょう。
職場環境でのストレス
職場環境におけるストレスは、メンタルブレイクの要因のひとつです。
長時間労働、業務内容の過度なプレッシャー、人間関係の問題などが挙げられます。
また、リモートワークやテレワークなどの普及に伴い、コミュニケーション不足や孤立感が増し、ストレスが蓄積しやすくなっているケースもあります。
人間関係でのストレス
職場や家庭、友人関係など人間関係のストレスもメンタルブレイクを引き起こす要因となります。
対人関係の摩擦や誤解、コミュニケーションの不足が人間関係の問題を引き起こすことは多いです。
周囲とのトラブルや孤立感は精神的な負担を増大させます。
プライベートでのストレス
家庭内の問題や経済的な困難、健康上の問題といったプライベートでのストレスもメンタルブレイクの要因となりえます。
また、自分の将来への不安などが影響することもあります。
プライベートのストレスがたまると、リラックスできる時間が持てず、精神的な負担を感じやすいです。
メンタルブレイクがもたらす影響
個人のメンタルブレイクは、本人だけでなく、個人が所属する組織や社会全体にも影響をもたらします。
メンタルブレイクがもたらす影響を、「個人」と「企業や組織」の2つにわけて解説します。
個人への影響
メンタルブレイクは、個人の生活にさまざまな影響をおよぼします。
心身の不調によって日常生活の質が下がったり、健康を損なったりすることがあります。
また、上述したとおりメンタルブレイクでは、行動的な変化も見られるため、仕事や学業に対する意欲の低下や人間関係のトラブルが増えることも少なくありません。
社会人の場合、キャリアへの悪影響が生じうる点にも注意が必要です。
企業や組織への影響
メンタルブレイクは、個人が所属する企業や組織にも影響を与えます。
たとえば、メンタルブレイクの従業員が組織内にいることで、生産性の低下や欠勤の増加、離職率の上昇などが想定されます。
また、ひとりでも意欲が下がっている従業員がいると、企業の業績やチームのパフォーマンスが悪化し、結果的に組織全体の競争力が低下する恐れがあります。
企業ができるメンタルブレイクの予防方法
従業員のメンタルブレイクを予防するためには、企業側が従業員のメンタルヘルスを重視し、対策を講じることが重要です。
企業ができるメンタルブレイクの予防方法を4つ紹介します。
- 職場環境の改善
- メンタルヘルスサポートの提供
- 従業員同士のコミュニケーション促進
- 研修や啓蒙活動の実施
適切な労働環境の整備やサポート体制の強化など、企業が取り組めるメンタルブレイク対策はさまざまです。
従業員が健康的に働けるように、適切な対策に取り組みましょう。
職場環境の改善
メンタルブレイクを予防するためには、働きやすい職場環境の整備が不可欠です。
適切な労働時間の設定や業務の適正な分担をおこない、過労を防止することが重要です。
たとえば、快適な作業スペースの提供や、職場の安全・衛生管理を徹底し、従業員がストレスを感じにくい環境をつくるのもよいでしょう。
さらに、リモートワークやフレックスタイム制度の導入により、従業員が柔軟な働き方を選択できるようにすることも、メンタルヘルスの向上につながります。
メンタルヘルスサポートの提供
従業員が利用できるメンタルヘルスサポートの提供もメンタルブレイクの予防に効果的です。
具体的には、社内カウンセラーや外部の専門家による相談窓口を設置するなど、従業員が気軽に相談できる環境を整えるとよいでしょう。
健康相談やリラクゼーションプログラムなど、心身のリフレッシュを図るためのサポート提供も有効です。
従業員同士のコミュニケーション促進
従業員同士のコミュニケーション促進は、メンタルブレイクの予防に重要な役割を果たします。
チームビルディング活動や社内イベントの実施で、従業員間の信頼関係を築き、オープンなコミュニケーションの促進を目指しましょう。
また、定期的なミーティングやフィードバックセッションを設けることで、業務上の課題や個人的な悩みも共有しやすくなります。
研修や啓発活動の実施
メンタルブレイクを予防するためには、従業員に対する研修や啓発活動の実施も効果的です。
メンタルヘルスに関する知識や対処法を学ぶ機会を提供することで、従業員が自身のメンタルヘルスを管理しやすくなります。
たとえば、ストレスマネジメントやリラクゼーション技法を学ぶ研修などがあります。
>ストレスマネジメントの重要性と実践方法に関する記事はこちら
メンタルブレイクの早期発見をするには
メンタルブレイクを早期発見する方法を2つ紹介します。
- ストレスチェック制度の導入
- 周囲がサインを見逃さない体制づくり
従業員が健康的に生き生きと働くためには、メンタルブレイクに陥らない環境づくりや、早期発見ができる体制づくりが必要不可欠です。
メンタルブレイクを早期発見する方法を確認していきましょう。
ストレスチェック制度の導入
定期的なストレスチェックの実施は、従業員のストレスレベルの把握や早期対処に効果的です。
たとえば、ストレスチェックの結果に基づいて、必要なサポートやカウンセリングを提供すると、従業員がストレスを感じにくい環境を整えることが可能です。
また、ストレスチェックの結果をもとに、職場環境や業務内容の改善を図れば、全体的なメンタルヘルスの向上を目指せるでしょう。
ストレスチェックは、一部の企業で実施が義務化されてます。
適切に導入・運用し、従業員が安心して働ける環境整備を目指しましょう。
周囲がサインを見逃さない
メンタルブレイクの早期発見には、周囲の人々がサインを見逃さないことも重要です。
たとえば、以下のようなサインがみられないか注目してみましょう。
- 仕事の効率や成果が低下していないか
- 遅刻や欠勤が増えていないか
- 他人に対して苛立ちや攻撃的な態度を示すことが増えていないか
- 食欲が減っている、あるいは過剰に食べていないか
- 睡眠不足や過眠の様子が見られないか
- 同僚との交流を避け、孤立していないか
サインを見逃さないためには、従業員それぞれがメンタルブレイクの症状を正しく理解する必要があります。
研修や啓蒙活動を実施し、メンタルブレイクやメンタルヘルスへの正しい理解促進を目指しましょう。
従業員がメンタルブレイクしてしまったら
従業員がメンタルブレイクしてしまった場合、様子を気にかけ、定期的な声掛けをおこないましょう。
先輩や上司との面談の機会を設け、詳しく話を聞いてみるのもおすすめです。
距離の近い上司や同僚には話しにくいという人もいるので、産業医面談を実施するという方法もあります。
心身の状態について、治療と休養が必要な場合は、休職や傷病手当、企業独自のサポート制度を活用し、従業員の回復を支援しましょう。
コミュニケーション活性化に「Chatwork」
「メンタルブレイク(メンブレ)」とは、強いストレスや精神的負担が原因で、心のバランスが崩れてしまっている状態のことです。
メンタルブレイクは、本人だけでなく、個人が所属する企業や組織にも、さまざまな影響をおよぼします。
企業は、従業員のメンタルヘルスを重視し、職場環境の改善やメンタルヘルスサポートの提供など、多角的なアプローチを実施することが大切です。
近年、リモートワークやテレワークなどの導入が進み、ストレスの要因のひとつとして想定される「コミュニケーション不足」に陥る企業が増えています。
離れた場所にいても、コミュニケーション不足に陥らないためには、コミュニケーション方法に工夫する必要があります。
ぜひビジネスチャット「Chatwork」を活用して、円滑で気軽なコミュニケーションの実現、活性化を目指してみてはいかがでしょうか。
「Chatwork」は、チャット形式でコミュニケーションがとれるツールで、メールや電話よりも気軽でスピーディなやりとりが実現できます。
また、「リアクション機能」を活用して絵文字のやりとりもできるため、テキストだけのやりとりよりも、コミュニケーションが活性化しやすいでしょう。
>Chatworkのリアクション機能とは?に関する記事はこちら
ビジネスチャット「Chatwork」を活用して、メンタルブレイクの発生しない職場づくりを目指しましょう。
Chatwork(チャットワーク)は多くの企業に導入いただいているビジネスチャットです。あらゆる業種・職種で働く方のコミュニケーション円滑化・業務の効率化をご支援しています。
記事監修者:山崎ゆうき
臨床心理士・公認心理師の資格を所持。司法・障害福祉領域などでの勤務を経て、独立開業。メンタルヘルス系の記事を中心に、心理学の知識をいかした記事執筆・監修を担当。心理学の知識をわかりやすく、日常でも実践しやすい形で発信しています。