事務業務の効率化をはかる方法とは?進め方とポイントをわかりやすく解説
目次
企業を運営していくうえで多くの事務作業は発生していることでしょう。
経営の規模や業種によって事務作業の内容や量に違いは出るでしょうが、まったく事務作業がない企業はないのではないでしょうか。
多くの企業で必要になる事務作業を効率化できれば、さまざまなメリットが期待できますので、事務作業効率化の具体的な方法や事務作業を効率化に役立つツールについてご紹介します。
事務作業効率化が必要な理由
事務作業は企業にとって必須業務のひとつですが、ルーティンワークやマニュアル通り進める単純作業なども多くなる業務です。
つまり、仕事のやり方を考え直したり、便利なツールを導入することで、事務処理にかけていた時間や労力を大幅に短縮する余地が大きくある部分であるといえます。
事務作業は業務効率化や生産性向上を目指す場合に、改善をはかりやすい業務です。
また、効率化の効果がでやすい業務のため。事務作業のやり方を見直すことは、業務効率化を目指すうえで、最初に着手すべき業務といえるのではないでしょうか。
>事務処理能力の高め方と効率化のポイントに関する記事はこちら
事務業務の効率がよい人の特徴とは
事務作業の効率化をはかる方法を確認する前に、まずは事務作業の効率化がはかれている人の特徴についてみていきましょう。
特徴を知ることで、効率化のヒントが見つかるかもしれません。
業務の全体像や背景を理解している
業務効率化がはかれている人は、業務の全体像を把握しているという特徴があります。
全体像とは、自分の担当業務の範囲だけでなく、関連する業務や人に関することまで、幅広い範囲のことを指します。
・誰のための業務なのか
・どんな人が関連している業務なのか
・業務完了までの日数
・業務完了までのプロセス
・業務の優先度 など
業務の目的や、ひとつの業務にかかる時間やプロセスを理解していると、進行方法や優先度を適切に判断することができるため、効率的に業務を進めることができるでしょう。
また、関連している人やプロセスなどを把握できていると、突発的な業務依頼がきたとしても、ほかの業務と優先度を比較して、対応の判断をすることができるため、納期切れやキャパオーバーなどのリスクを回避することもできます。
悩む時間が短い
業務効率が良い人は、悩む時間が短いという特徴もあります。
業務効率化がはかれている人は、「より短い時間で、業務を完了させる」ということができているひとなので、必要のない行動や悩む時間が少ないです。
短い時間で同じ量の業務を同じ質で完了させるためには、必要最低限のプロセス・タスク量に留める必要があります。
必要最低限のプロセス・タスク量に減らすためには、まずは下記の項目を見直す必要があります。
この見直しを常に続けることで、業務効率化をはかり続けることができるでしょう。
・代替手段はないか
・時間がかかっているプロセスはなにか
・なぜ時間がかかっているのか
事務作業を効率化するメリット
事務作業を効率化することによってどのようなメリットやプラスの効果が期待できるのでしょうか。
事務作業の効率化から生まれるメリットを見ていきましょう。
ワークライフバランスを改善できる
事務作業を効率化すると、仕事の処理速度が上がって労働時間が短くなり、ワークライフバランスを整えやすくなります。
事務作業を効率化して仕事に余裕を作れば、離職率等も抑えやすくなりますし、社員のモチベーションも維持できます。
また、事務作業の処理を待つ時間も短くなるので、業務全体のスピードも上がり、事務以外の方のワークライフバランスも改善につながる可能性もあるでしょう。
>ワークライフバランスにとりくむメリットとは?に関する記事はこちら
将来的な人手不足に対処できる
事務作業を効率化して作業の負担を軽減しておけば、少ない人数でも対応することができます。
人手不足や人材確保は難しい問題ですが、少ない人数でも対応できるように工夫することで解決できるのであれば、現状の人員でも問題なく業務が回る可能性もあります。
また、新しい人材を獲得や教育するとしても、無駄が多いアナログでおこなっている状態よりも、効率的に簡単におこなえる状態にしておくほうが教育コストの削減にもなり、定着率も高まる可能性もあります。
作業時間の短縮による作業量の増加
事務作業の効率化が進むと、同じ作業をより短い時間でこなせるようになるため、浮いた時間を別の作業に当てることが可能です。
事務専任の業種や職種でなくても、事務作業が必要になる場合がありますが、本来の業務ではない事務作業に時間をとられるのは無駄になります。
事務作業そのものを効率化することで、これまで事務作業に手をとられていた別職種の従業員の作業時間短縮になったり、事務専任の従業員も必然的に効率化によって手が空いたりするため、新たな仕事を任せることができるようになるでしょう。
事務作業の効率化によって、専任の担当者はより多くの事務作業をおこなえるようになる、事務以外の担当者は事務作業の手間が減り別の業務に時間をかけられるというメリットが生まれます。
ケアレスミスが減る
事務作業の効率化によってケアレスミスの減少も期待できます。
事務作業や各種手続きをシステムやツールで半自動化しておくと、ダブルブッキングや確認の抜け漏れなどのリスクも下がります。
また、アナログな方法ではなくデジタル化によって効率化することで、ミスの発見も修正も容易になるメリットもあるでしょう。
事務作業効率化のステップ
事務作業の効率化をはかりたい場合、どのようなことからはじめればいいでしょうか。
「効率化」のイメージがあるツールやシステムの導入からはじめてしまいがちですが、効率化を妨げている理由が明確になっていないまま導入してしまうと、かえって業務効率を下げ、課題を増やしてしまうことにつながりかねません。
効果的に業務効率化をおこなうために、まずは4つのステップを確認してみましょう。
事務作業効率化のステップ(1):業務・作業の見える化
まずは、現状の業務や作業の見える化をおこないましょう。
ひとつの業務を完了するまでにかかっている時間や、どのような業務が発生しているかまでを、細かく見える化することが、成功のポイントです。
準備や片付けなどの業務を、些細な時間だからといって除外してしまうと、後々効率化がはかれた部分だったなどの問題がでてくる可能性もあります。
コア業務だけでなく、付随する業務もすべて可視化をおこなうことを意識しましょう。
ルーティン化している業務や、無意識のうちにおこなっているタスクなど、改めて考えてみると必要のない業務であることが発覚するかもしれません。
事務作業効率化のステップ(2):問題・課題を特定する
業務や作業の見える化がおこなえると、必要のない業務や、デジタル化できる業務、代替手段がある業務などが特定できるでしょう。
時間がかかっている業務・思考を必要としない業務、ルーティン化している業務など、さまざまな業務があるはずです。
「時間がかかるけど仕方ない」「毎年やっている業務だから」などの理由をつけてしまうと、効率化の鍵を見落としかねません。
フラットな視点で、「この業務は必要か」「このやり方が最善なのか」を考えるように意識し、業務効率化を妨げている部分の特定を進めましょう。
事務作業効率化のステップ(3):目標・スケジュールを立てる
問題や課題の特定ができたら、次に「どのような手順で」「いつまでに」に実行するかの目標とスケジュールを策定しましょう。
ここで大切なのは、優先度を見極めることです。
業務効率化をはかれる便利なツールはたくさんありますが、一気に導入してしまうと、従業員の混乱を招きかねません。
まずはどの業務を優先的に効率化するか、どの業務を効率化することが効果的かなどを熟考し、優先度順に着手するようにしましょう。
事務作業効率化のステップ(4):実行する
目標とスケジュールが策定できたら、いよいよ実行に移りましょう。
今までやってきた業務を別の方法でおこなうことになると、最初は慣れずにかえって時間がかかることもあるかもしれません。
従来の方法に戻したくなるかもしれませんが、「なぜ時間がかかっているのか」「なぜこのとりくみをはじめたのか」の目的を思い出し、実行を続けるようにしましょう。
問題や課題が見つかったら、都度メモに残し、マニュアルをアップデートし続けましょう。
事務作業効率化のステップ(5):効果検証・振り返り
新しい方法に慣れてきたら、どのくらいの期間で効率化がはかれるようになったかの振り返りをおこないましょう。
想定通りの効果がでたのかでなかったのか、思うような成果がでなかった場合には、なにが原因だったのかなどを振り返ることで、さらに効率化がはかれるようになります。
業務効率化ツールや方法が、すべての企業や業務に一律に効果が出るわけではありません。
自社に最適なツールか、自社に最適な方法かを常に模索し、アップデートを続けるようにしましょう。
事務作業効率化の方法
ここまで事務作業を効率化するメリットについてみてきました。
ここからは、実際に事務作業を効率化するいくつかの方法について確認していきましょう。
いきなりすべての方法をとりいれる必要はないため、自分の業務に最適な方法を選択し、業務効率化を実感することからはじめてみましょう。
事務作業効率化の方法(1):処理能力の高いPCを導入
処理能力の高いPCを導入し、ソフトの起動や処理速度が早くなることで作業時間の短縮につながります。
また、最新のツールやシステムに対応できるPCを使うことでより作業の簡略化をおこなえるようになり、事務作業のIT化にもつなげることができるでしょう。
企業の事務作業は、基本的に毎日・毎週・毎月発生するルーティン業務ということが多いので、作業の合間に「ソフトの立ち上げを待つ時間」「処理を待つ時間」を作るのは時間の無駄になります。
高性能なPCは、事務作業以外の業務にも使えるので、事務作業の効率化を考えているならPCの買い換えを検討しましょう。
事務作業効率化の方法(2):外注に出す
事務作業の負担を軽減する方法として、外注化してしまうというのも選択肢のひとつです。
例えば、経費の申請を税理士事務所にすべて委託してしまえば、自社内でおこなう会計・経理業務の負担は減ることになります。
専門性や高い精度が求められる部分であったり、逆に入力業務などの単純作業を外注することで事務作業にかける時間や労力の削減につながるでしょう。
事務作業効率化の方法(3):作業プロセスを見直す
事務作業の効率化を実現する方法として、長期的にメリットの多い方法が作業プロセスの見直しです。
経費申請をシステム化して書類の誤記入や未提出を減らしたり、印刷した書類でないと受け付けていなかった手続きを電子化したりすれば、作業の工数が減るので事務作業をスリムにすることができます。
これまでおこなっていた事務作業を見直し、改善が必要な部分や課題がある部分を明確にして対処することで、効果的な改善方法を見つけることにもつながります。
事務作業効率化の方法(4):ペーパーレス化を進める
社内文書のペーパーレス化を進めることで事務作業も大幅に効率化される可能性が高まります。
テレワークやリモートワークという働き方も推進されるなかで、「過去の資料を資料室やデスクの中から引っ張り出す」「PCで作った書類を印刷して記入する」「手書きの書類を見てPCで入力する」といったアナログな作業は効率的とはいえません。
社内の書類をペーパーレス化すれば、書類の検索もできますし、必要な書類はネット上でやり取りできます。
ペーパーレス化をすることでさまざまな部分がIT化されることにもつながり、完全な電子化が終われば、書類を印刷したり速達で送ったりする手間も大きく減らすことができるでしょう。
>ペーパーレス化の導入方法やメリットとは?に関する記事はこちら
事務作業の効率化につながるツール
事務作業の効率化は、便利なツールの利用でも実現可能です。
ビジネスチャットや勤怠管理システムを始めとした、利便性の高い事務作業効率化に活用できるツールをご紹介します。
社員間の連絡を一括管理できるビジネスチャット
チャットやビデオ通話を使って連絡を取り合うビジネスチャットは、電話やメモ書きによる連絡の不備・漏れを回避できるツールです。
Chatworkのようなタスクの管理機能やファイルの送付機能が付いているビジネスチャットなら、普段の連絡からタスクの割り振りまで、業務に必要な報連相の大半をひとつのツールで完結させることができます。
これまで書類でやり取りをしていた部分も、チャット上のやり取りだけで済むようなものであれば不要になり無駄を減らすことができるでしょう。
>ビジネスチャット「Chatwork」を導入するメリットとは?に関する記事はこちら
タスク・スケジュール管理ツール
会社やチーム、または個人ごとのタスクやスケジュールを管理するツールの利用もおすすめです。
タスク形式で仕事の進捗を管理すれば、タスクが漏れてしまう心配はありません。
また、各仕事の進行度を見て確認できるので、上司が部下の進捗を見てフォローをするといった用途でも使えます。
タスクやスケジュール管理ツールは、事務作業の効率化に限らず、業務効率化を進めるなかで必要なツールともいえます。
>チームで使えるタスク管理ツールの選び方とは?に関する記事はこちら
勤怠管理システム
スマートフォンやタブレット等を使って、簡単に出勤時刻と退勤時刻を記録できるツールです。
一般的なオフィスワークはもちろん、就業時間がわかりづらいテレワークでの勤怠管理にも使えたり、労働時間から給与の調整をすることが可能なツールもあります。
勤怠管理を自動化することによって、給与計算なども簡略化できるなど労務管理にかかわる事務作業の効率化に役立てることができるでしょう。
>出退勤管理システムを導入するメリットとは?に関する記事はこちら
クラウドストレージ
業務で使うファイルをオンラインのクラウドストレージに保管しておけば、ファイルを紛失する心配がありません。
また、ファイルを複数人で同時に編集することもできるので、一度作った資料の訂正や調整も簡単です。
書類などをデータ化することで誰でもアクセスできるようになり、フォーマットの変更や必要なファイルの共有の手間もなくなるので、リモートワークなど遠く離れている相手とのやり取りにも活用できるでしょう。
Web会議システム
Webカメラやマイクを使って、社内外の会議をおこなうためのツールです。
会議の内容や議事録を作成する事務作業の場合、Web会議であれば録画も可能なツールがありますので、記録漏れの防止や参加できなかった方に議事録ではなく録画を共有するということも可能になります。
ツールによってUIや使用感、同時接続数などが違うので、日常的に何人の会議が必要になるかを考えてツールを選ぶとよいでしょう。
なお、「Chatwork」などのビジネスチャットツールにもビデオ通話機能が付いているため、ビジネスチャットで対応してしまうという手もあります。
>「Chatwork」のビデオ/音声通話機能とは?に関する記事はこちら
事務作業の効率化からIT化を進めよう
事務作業は、PCの買い換えや外注化、業務効率化ツールの導入といった手軽な方法で効率化することができます。
事務作業はアナログでおこなわれている部分が多いので、事務作業の効率化が達成できることで、IT化やペーパーレス化につながる部分も多く出てくることでしょう。
事務作業の効率化を進めるのであれば、IT化やペーパーレス化の実現を見据えたうえで、まずはチャット機能だけでなく、ファイル共有やタスク管理機能、Web会議システム苦悩を備えているChatworkの導入から事務作業の効率化を進めてみてはいかがでしょうか。
Chatwork(チャットワーク)は多くの企業に導入いただいているビジネスチャットです。あらゆる業種・職種で働く方のコミュニケーション円滑化・業務の効率化をご支援しています。