オーバーワークの原因とは?症状や9つの対処法をわかりやすく解説
目次
仕事をするうえでオーバーワークに悩む人は多いのではないでしょうか。
オーバーワークは、仕事の非効率化につながるだけではなく、心身にさまざまな悪影響をもたらす可能性があるため、適切に対処することが大切です。
オーバーワークの原因やオーバーワークになりやすい人の特徴、対処法について解説します。
オーバーワークとは
「オーバーワーク」とは、残業や休日出勤など長時間の業務が課せられた状態のことで、簡単にいうと「働きすぎ」のことです。
業務量の多い企業や、従業員の少ない企業に多くみられる状態で、過剰に働くことが慢性的に続いていることを指します。
オーバーワークには、明確な定義が定められてはいませんが、厚生労働省が定める「過労死ライン=月80時間の残業」が、ひとつの基準となるでしょう。
過労死ラインは目安に過ぎませんが、1日4時間以上の残業が週20日以上、毎日続く状態のことは「オーバーワーク」といえます。
オーバーワークは、心身に悪影響を及ぼす可能性がある危険なものです。
原因や弊害を知り、正しく対処できるようになりましょう。
オーバーワークの原因
さまざまな弊害がある「オーバーワーク」ですが、なぜ発生するのでしょうか。
オーバーワークの原因は、「環境によるもの」と「自身によるもの」の2つに大きく分類することができます。
- 人手不足
- 業務過多
- 人間関係
- 企業風土
- 自分自身の問題
オーバーワークの原因について詳しくみていきましょう。
人手不足
慢性的な人手不足もオーバーワークの原因です。
職種や業界によっては、市場全体で人手不足のケースもありますが、会社内で請け負える業務量を把握できていないことや、スケジュールに見合った納期が設定できないことも、オーバーワークの原因となりえるものです。
また、社内の教育環境が整っていないことで、人数がいてもその人数に見合った業務量がこなせないことも、原因のひとつとして考えられます。
このような状態が慢性化すると、従業員への負担も増えてしまい、結果として離職率が高まり、人手不足にさらなる拍車がかかることになるでしょう。
業務過多
業務過多も、オーバーワークに陥る原因のひとつです。
たとえば、業務を効率化できるツールがあっても導入しない、議題のない会議が多発している、書類申請に多くの上司の承認が必要などが業務過多の要因として考えられます。
不要な業務が多いと、通常業務をこなす時間にくわえ、必要のない会議や承認に時間や手間がかかってしまうため、結果としてオーバーワークとなってしまうでしょう。
人間関係
職場の人間関係も、オーバーワークの原因になりえます。
業務によっては、社員同士が協力することで、効率的に終わらせられるものもあるでしょう。
しかし、人間関係が良好でなければ、個人でこなすことになるため、結果としてオーバーワークにつながってしまいます。
「責任者が不在で、業務スタイルが個人の裁量に任されている」「社員同士の情報共有がしづらい」「人間関係がギスギスしていて離職率が高い」などの問題は、優先的に改善することが大切です。
企業風土
企業風土がオーバーワークの原因となっているケースもあります。
長時間労働を美徳とした考えが定着しているような企業では、「業務時間の長さ=顧客への貢献度」とされており、残業することが評価対象となることがあります。
このような環境では、やむを得ず残業をすることも多いでしょう。
評価を得るために、朝早くから夜遅くまで働くようになると、慢性的なオーバーワークとなってしまいます。
自分自身の問題
オーバーワークには、自分自身が原因となっていることもあります。
オーバーワークは、外的な原因に限らず、タスク管理不足、スケジュール管理不足などにより、締切りの近い仕事を後回しにし、結果的に期限に追われて残業続きになってしまうことでも引き起こされます。
自分のキャパシティを把握できていないと、このような状況に陥りやすいため、タスク管理やスケジュール管理を適切におこない、仕事に優先度をつけることが大切です。
オーバーワークになりやすい人とは
オーバーワークの原因はさまざまですが、外的な原因に限らず、オーバーワークに陥りやすい性格の人も存在します。
オーバーワークになりやすい人には、どのような特徴があるのかを具体的にみていきましょう。
頼まれたら断れない性格
オーバーワークになりやすい人の特徴として、頼まれても断れない性格があげられます。
責任感が強く真面目な性格な人ほど、頼まれた仕事をすべてひきうけてしまい、気づいた時にはキャパオーバーに陥ってしまっていることがあります。
また、「だれもやらないなら自分がやる」という気持ちで、仕事を断るよりも残業する方が楽だと思ってしまう性格も、オーバーワークにつながりやすいため注意しましょう。
完璧主義
完璧主義の性格も、オーバーワークになりやすいです。
完璧主義者は、完璧を追い求めるあまり、自分が納得いくかたちになるまで周囲に相談をしません。
クオリティが高い仕事をするため、周囲から指摘される機会も少なく、指摘されると納得がいくまで修正をするため、軌道修正にかなりの時間を要してしまいます。
また、自分の仕事は完璧だと思っていることも多いため、軌道修正をする時間をスケジュールに換算できておらず、納期ぎりぎりに追い詰められることもあるでしょう。
相談することが苦手
オーバーワークになりやすい人は、相談することが苦手な特徴もあります。
人に相談をすることが苦手な性格は、自分ひとりで限界まで頑張り、燃え尽きてしまう「バーンアウトシンドローム(燃え尽き症候群)」になってしまう危険性もあるため、意識的に相談をする機会や習慣をつけることが大切です。
また、相談せずに進めてしまうと、あとになってミスが発覚し、その対応をおこなうために、結果として残業が増えてしまう可能性もあります。
スケジュール・タスク管理が苦手
スケジュールやタスク管理が苦手な人も、オーバーワークになりやすいです。
なにを優先して進めないといけないタスクなのか、どの業務が納期が短いのかなどの管理ができないと、納期のぎりぎりに残業することになってしまいます。
また、後回しにしたタスクのことを忘れて、ほかの業務をひきうけてしまい、オーバーワークを引き起こすこともあります。
スキル不足
スキル不足も、オーバーワークを引き起こしやすい要因のひとつです。
とくに、新入社員や転職してきたばかりの社員は、新しい業務をこなすのに人一倍時間がかかります。
また、この時期はミスも起こりやすく、そのたびに軌道修正をする必要がでてきます。
結果として、人よりもひとつ一つの業務に時間がかかってしまい、ほかの業務も積み重なっていくことで、残業や休日出勤につながりやすいです。
自分のキャパシティを理解していない
自分のキャパシティを理解していないことも、オーバーワークの原因になりえます。
自分がどれだけの仕事に、どれだけの時間をかけて対応できるのかが理解できていなければ、キャパシティ以上の仕事を引きうけてしまい、長時間労働につながりかねません。
また、新しく配属されたばかりの社員や新入社員は、自分のキャパシティをオーバーした仕事を引きうけてしまいがちのため、オーバーワークに陥りやすいといえるでしょう。
>キャパオーバーになりやすい人の特徴とは?に関する記事はこちら
オーバーワークの症状・弊害
オーバワークが引き起こす症状・弊害を解説します。
- 慢性的な疲労
- 集中力の低下
- パフォーマンスの低下
- メンタル不調
オーバーワークがもたらす症状・弊害を正しく認識し、対処できるようになりましょう。
慢性的な疲労
オーバーワークは、慢性的な疲労につながります。
過重労働が続いてしまうと、常に疲れている感じがする、怠い状況が続く、眠気がとれないなど、健康状態に悪影響がみられるようになるでしょう。
また、慢性的な身体疲労は、精神面にも悪影響を引き起こしかねません。
集中力の低下
オーバーワークは、集中力の低下にも影響します。
オーバーワークが影響して、集中力が続かない状況が続くと、業務効率が下がってしまい、結果として休日出勤や残業が増え、改善することができない負のサイクルに陥る可能性がでてきます。
パフォーマンスの低下
オーバーワークが影響して、パフォーマンスが低下する恐れもあります。
疲労が蓄積されてしまうと、仕事にとりくもうとしても、すぐに集中力が切れてしまい、ほかのことに気がいってしまったり、ダラダラと仕事をしてしまったりして、本来のパフォーマンスを発揮できなくなってしまいます。
また、業務パフォーマンスの低下は、個人だけではなく、ほかの従業員や会社全体にも迷惑がかかってしまいます。
本来のパフォーマンスが発揮できず、ほかの従業員やチームに迷惑をかけてしまうと、関係性の悪化や生産性の低下につながりかねません。
メンタル不調
オーバーワークはメンタル不調も引き起こす可能性があります。
メンタル不調にもさまざまなものがありますが、オーバーワークが続くと、小さなことにイライラしてしまう、乱暴な言動が増える、常にネガティブ思考になる、理由もなく不安になるなどの不調がみられやすいです。
メンタルの不調は、不眠や食欲不振にもつながるため、業務自体がこなせない状況にもなりかねません。
オーバーワークの9つの対処法
さまざまな弊害があるオーバーワークですが、原因を特定することで改善することもできます。
オーバーワークの対処法について、詳しくみていきましょう。
対処法(1):仕事量を見える化する
オーバーワークの対処法として「仕事量を見える化する」方法があります。
オーバーワークに陥りがちな人は、目の前の仕事をこなすことに集中してしまうため、自分のキャパ以上の仕事をひきうけてしまいがちです。
そのため、まずは、仕事量を見える化することで、自分のキャパシティの把握をすることが大切です。
仕事量を見える化することで、キャパシティ以上の依頼を断ることができることにくわえ、仕事の優先度も把握できるようになるでしょう。
>業務の見える化ツールとしてChatworkを活用する方法に関する記事はこちら
対処法(2):業務効率化を意識する
「業務効率化を意識する」ことも、オーバーワークを防ぐ方法のひとつです。
すぐにとりくめる業務効率化の方法として、たとえば、同じような文面で作成する資料やメールは文面のテンプレートを作成しておく、データをすぐにとり出せるようにパソコン内を常に整頓しておくなどの方法があります。
いかに効率的にタスクを処理できるかを意識して、日々の業務を見直すことが大切です。
確認や承認などのコミュニケーションに時間がとられている場合は、メールや電話から、ビジネスチャットに手段を切り替えることも検討してみましょう。
>業務効率化を図るアイデアや事例とは?に関する記事はこちら
対処法(3):仕事に優先順位をつける
「仕事に優先順位をつける」ことも、業務効率化をはかるうえで重要です。
仕事にとりくむ際は、納期が近い仕事はないか、どの仕事が一番時間がかかるのかなど、複数の観点を考慮し、優先順位を決めましょう。
どの仕事を優先的にとりくむかを明確にしておくことで、直前になって残業をしなければならない状況を減らすことができるでしょう。
納期ギリギリの業務がなくなれば、仕事に追われることのストレスも少なくなり、クオリティを担保することもできるようになります。
対処法(4):上司や同僚に相談する
「上司や同僚に相談する」ことも、オーバーワークを防ぐ方法として効果的です。
仕事をひとりで抱えてしまい、無理をして間に合わなかったり、体調を崩してしまったりすると、結果として周囲や会社に迷惑をかけてしまうことになります。
自分だけでは対応できない場合や、キャパシティをこえてしまいそうな場合は、上司や同僚に相談するようにしましょう。
近くの人に相談がしづらい場合は、該当部署や社内の相談窓口に相談してみることも良いです。
会社側も、従業員がひとりで問題を抱えないように、相談できる窓口を社内に設置することや、別部署の従業員に相談できるメンター制度を設けることなどを検討しましょう。
対処法(5):断る選択肢をつくる
「断る選択肢をつくる」ことも、オーバーワークを防ぐうえで重要です。
自分のキャパシティを超える業務に応えていると、身体がもちません。
そのため、仕事を無理して引きうけず、断ることも、オーバーワークを防ぐうえでは大切なことです。
断りづらい状況の場合は、上司に相談して、業務量を調整することも視野にいれましょう。
対処法(6):周囲に頼る
「周囲に頼る」ことも、円滑に業務を進めるためには大切です。
上司や同僚だけでなく、友人や家族に仕事の悩みを聞いてもらうことも、オーバーワークの回避につながります。
直接的に業務量を減らすなどの改善にはつながりませんが、ストレス解消になり、精神状態も安定するでしょう。
また、言葉にすることで、どこに負担を感じているのか、なにが影響してオーバーワークになっているかを知るきっかけになる可能性もあります。
自分の心のなかだけで留めてストレスを感じてしまう場合は、周囲の人に頼って、負担を減らすようにしましょう。
仕事や業務に関する内容を話す際は、コンプライアンス違反にならないように十分に注意することも大切です。
対処法(7):仕事を振り分けるようにする
「仕事を振り分けるようにする」ことも、オーバーワークに対処する方法のひとつです。
キャパシティをこえた量の業務をひとりでこなそうとすると、オーバーワークにつながりかねませんが、周囲のメンバーと協力すれば、余裕をもってこなすことができるでしょう。
また、業務を通して仲間意識が生まれることもあります。
円滑に業務を遂行するためには、周囲に相談や依頼ができる良好な関係づくりを日頃からしておくことが大切です。
同僚が助けを求めているときは積極的に協力し、風通しの良い職場環境にすることを意識しましょう。
仕事を振り分ける際は、ギリギリのタイミングで依頼することは避け、余裕をもって依頼することも、信頼関係を構築するうえでは重要です。
対処法(8):意識的に休暇をとる
「意識的に休暇をとる」ことも、オーバーワークの弊害を防ぐためには大切です。
毎日遅くまで残業し、休日も働きづめでは、心身ともに疲れがたまり、業務効率も低下してしまいます。
家に仕事をもち帰らない、不要な残業はしない、業務時間内に集中して業務にとりくむなど、意識的にオンオフを切り替えることが、オーバーワークを防ぐうえでは重要です。
また、十分に睡眠をとりリフレッシュすることが、集中して業務をこなすことにもつながるため、自分の心や身体が休まる方法を把握しておくことも大切です。
対処法(9):オンオフのメリハリをつける
上述しましたが、「オンオフのメリハリをつける」ことも、オーバーワークを防ぐ方法のひとつです。
オンオフのメリハリがつけられないと、プライベートの時間も仕事のことを考えてしまい、気持ちが休まらないでしょう。
また、メリハリがついていないと、仕事中に集中力が保てず、結果としてダラダラと仕事をしてしまい、長時間労働を引き起こす可能性もあります。
やるべきことに集中してとりくむことも大切ですが、集中力が切れてしまった場合は、ダラダラと仕事することは避け、適度に休憩をとるようにしましょう。
オーバーワーク対策に「Chatwork」で業務効率化を進めよう
オーバーワークが続いてしまうと、心身に悪影響が出てしまい、円滑な業務遂行ができなくなる可能性もあるため、しっかりと原因を把握し、対処することが大切です。
オーバーワークの原因として、マインドやスタンス以外に、外部の環境が影響している可能性もあるため、ツールの導入やコミュニケーション手段の変更を検討することも、対処法のひとつです。
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